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モブ女子、新しい道へ

今回も読んで頂き、ありがとうございます!


嵐が去った後の話です。

短いですが、キリがいいのでここでアップしました。


アルフレドが部屋を出ると、一気に部屋が鎮まり返った。


メイドにより新しいお茶が入れられるが、エリザベスの心は落ち着かない。




クロエ!!何をしてますのっ!?


さっさとあなたが帰って来ないと、わたくしの心臓は保ちませんわ!




「ーーーーーおかわり、ありがとう」


「い、いえっ!!」




グレイも席に戻り、メイドに入れられたお茶を慌てずしっかり味わいながら飲み干した。



「ーーーーーずいぶん長居したな。そろそろ、失礼する」



そして、ガタンッ!という音と共にグレイが席を立つ。



「あ、あの・・・・・!!」



その背に声をかけるのに、どれだけの勇気を振り絞ったことか。



「ま、またお茶会に・・・・お、お誘いしてもよろしいですか?!」



エリザベスは顔を真っ赤にしながら、振り返ったグレイに自分の気持ちを伝えた。


その姿に、口元だけに笑みを浮かべたグレイが優しい表情で応える。



「ーーーーーあぁ、ぜひ。今日はおいしいお茶をありがとう」


「!!??」



バタンっとグレイが扉の外に出て、その扉が閉まってからもエリザベスの顔は赤くなったまま、しばらくその扉を見つめ続けた。


心臓は未だに大きな音で早鐘をうっているが、その音すらも今は心地がいい。




あの方が、またお誘いしても良いと。


たったそれだけのことなのに、エリザベスの心の中は喜びに溢れている。




自分を長いこと縛っていた、アルフレド王子との婚約は解消された。


エリザベスの父親はかなりごねたが、国王が了承しているということで時間はかかったが、渋々といった様子でようやく首を縦にふった。




そう、これからは誰を想おうと愛そうと、その為に自分がどんな行動に出ようとも、全てが自由だ。


エリザベスにとって、こんなに幸せなことはない。




「エリザベート様、そろそろラファエル様との勉強の時間です」


「・・・・・わかっているわ」



婚約を解消したわたくしを、国王はラファエル王子の教育係としてこの城に残ることをお許しになった。


婚約解消に反対していた父が、もし解消するならばグラッツィア家に戻ることを生涯禁止する!!と豪語したことを知っていて下さったのかもしれない。


これから先の人生をどう生きていくか、おかげでそれを考える時間がもう少しだけできた。



「これからお部屋に向かうと、ラファエル王子に伝えてちょうだい」


「かしこまりました!」



彼との会話はとても楽しい。


博識でどの分野でも深い知識を持つ彼と話をしているとついつい夢中になり、まだ幼い子どもということも忘れて意見をし合い盛り上がってしまう。


すぐに怒り出す短気なアルフレド王子と違い、彼は年齢の割にとても穏やかで柔軟で、同時に知識においては貪欲だ。


記憶力も良く、どんどん知識を吸収しそれを応用していく頭の回転の速さもある賢い彼の学びを見る先生としては、これほど教えがいのある生徒はいない。


そして、同時に年齢相応の素直で無邪気な部分も見せるのだ。


難しい問いの答えが分かった時など、その顔が一気にに明るい笑顔となる。


だが、はしゃいだあとはすぐに羞恥心から顔を真っ赤にしてわたくしに対して謝るのだが、そんな些細な姿すらも本当に可愛らしい。




「今日は、新しい茶葉を持って行きましょう」


「かしこまりました!」




一歩一歩を、楽しみながら進んでいこう。


わたくしの新しい道は、ようやく開けたばかりなのだからーーーーーー。

ラファエル王子にもチャンスが舞い降りたという感じで。


エリザベスの恋の行方も、どこかで書いていけたらと思ってます!

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