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オマケ外伝・学園モブ女子 2

引き続き、100回記念の外伝2です!


読んでいただき感謝です!


サブキャラももっと出していきたいですね!




キーンコーン、カーンコーン!




チャイムがなり2限目の授業でが終わると、クローディアは猛ダッシュで3年生のいる3階へ向かう。


校舎の作りは1階が一年生、2階が二年生、3階が三年生だ。


3ー2クラスは、ターゲットである生徒会会長のジークフリート様と、副会長であるグレンさんといあ校内でも女子ランキングの上位に入る2人がいる為に、休み時間は他クラスの女子が多く入り浸る。


なんでこの場所に来るのが2限目になってしまったのかといえば、1限目はレオが背中にくっついて離れず、揉めているうちに休み時間があっという間に終わってしまったからだ。


2時限目と、3時限目は少し休み時間が長いこともありレオを早々にKOさせてからこっちに来たというわけ。




「はぁ〜〜〜さすがはジークフリート様!休み時間も人気者なのね!」




側にいるのは男女問わずだ。


みなから頼りにされていて、会話を遠くから聞いているとその前の授業の内容の質問が多くて、そのことについて分かりやすい答えを一人一人に返している。




「もう!ボスのバカ!!なんで私、同じクラスじゃなかったのよっ」



いつでも彼に話しかけられる、同じクラスの女子達が羨ましくてならない。


それでも、こうして隅から彼の姿を眺めているだけでも幸せな気分になるから不思議だ。




「・・・・ずいぶんと、熱い視線を送ってるんだね?」


「そりゃあ、目を離すわけにはいかないから真剣に見てないとね」


「フーーーン・・・・ぼくのことも、見て欲しいな?」


「!!??」




急に話しかけられて自然と答えていると、急に耳元で息がかかりながら声が直に響き、私の体が飛び跳ねるとともに声をあげかかった悲鳴は、唇を塞がれたキレイな白い手の中に吸い込まれた。





「・・・・??」


「ーーーーーどうかしたのか?」


「いや、今誰かに呼ばれたような気がしたんだが?」



声が聞こえたと感じた教室の入り口の方を見るが、特にそれらしき人はいない。



「あ、あのジークフリートくん、ここも教えてもらってもいいかな?」


「あ、あぁ。そこは・・・・」



気のせいだったのだろうか?


今朝、初対面の自分を身体を張って落とし穴から助けてくれた、あの少女の声に似てるような気がしたのだが。


ジークフリートは心の隅でそのことを気にしつつも、目の前で次から次へと自分を頼りにしてくるクラスメイト達の為にとその力を発揮していく。






その頃、クローディアというと。




「ちょ、ちょっと、なんであんたがここにいるのよっ!!」


「フフ・・・・制服姿も中々いいね♪」


「あ、ありがとう。って、そうじゃなくて!!」




私達がいるのは、ジークフリート様のいた3ー2クラスの近くにある非常階段。


目の前でニコニコしてるのは、同じアルカンダル学園の緑のブレザーの中に紺のフードつきパーカーを着込み、そのフードを被った銀髪の青年。


その肌は元々の色素が薄いこともあるのか、純白の雪のように白く透明感があり、クラスの可愛い女子達も真っ青なほどの色気を放つ尋常ではない美形だ。


その青年の名は、ルーク=サクリファイス。



「なんで裏の情報屋のあんたが、こんな学校にいるわけっ?!」


「もちろん、君がいるから♪」


「・・・・つくならもっとマシな嘘をつきなさいよ。どうせ、何かの仕事のついででしょ?」


「いやだな〜〜それはもちろん秘密です♪」


「くっ・・・・またそれか!」



ルークはその業界では結構有名な情報屋で、お金さえ払えばどんな情報もつかんで来るという危ない雰囲気通りの男だ。


その美貌もあって、彼に本気で狙われた相手は骨抜きにされて情報どころか、心と魂まで彼に持って行かれるとかなんとか。


私も少し前の仕事の中で彼と知り合い、これ以上関わりたくもないのになぜか仕事の現場で毎回のように会うことが多く、縁が続いてしまっている腐れ縁みたいなものだ。



「それより・・・・これ、どうしたの?」


「え?」



ルークが私の手を、その白い手でギュッと握りこむ。


その指に彼の唇が落とされ、深い紫の瞳が私を怪しく見上げた。







「クロエーーー!!もう!どこ行っちゃったんだろっ!?」



意識を取り戻してからすぐさま彼女がいるだろう3ー2クラスに来てみたが、愛しい彼女の姿はどこにも見えない。



「ーーーーーーッ!」


「!?」



その時、近くで彼女の声がかすかに聞こえ、レオナルドは耳をすませた。


普通の人よりも自分は耳が良いようで、少し離れていても集中すればその声が聞こえる。


その能力をボスに買われて、『ガーディー・ララ』で働くことを許可されたのだ。


レオナルドは、目を閉じて意識を彼女の声が聞こえた方角に集中させる。




『・・・・ちょ、痛いってば!』


『大丈夫だよ、すぐ終わるから』




く、クロエッ!!


それに、もう1人誰かが一緒にいる??




『・・・・もうちょっと、優しく抜いてよ!』


『そんなこと言っても、これだけしっかり入ってるんだから♪』




「・・・・・ッ!!」




な、何これッ?!


何やら楽しそうな響きの男性の声と、痛みを我慢するようなクロエの声が耳に届く。



く、クロエが危ないッ!!



声は非常階段の方からだ!


方角が分かると、レオナルドはダッシュでそっちの方へ人垣をかき分けて向かう。


向かう間も、耳には2人の声が鳴り響く。




『・・・・あっ!もう、あんたのせいで血が出てる!』


『あと少しだから、がまんして?』




「く、クロエ・・・・・だめぇぇぇーーーーーッ!!!」




バタンッ!!!




「!?」


「・・・・・あれ?お客さんだ♪」



非常階段の扉を勢いよく開けた先には、制服をきっちり着込んだままの2人が、その場で座り込みながら手を握って何やら動かしている。



「え?く、クロエ?何、やってるの?」



声の様子から、制服が乱れているんじゃないかと勝手な想像を膨らませていたレオナルドは、ポカンと口を開けたまま。




「いや何って、あんたこそ何やって・・・・・って、痛ッ!」


「フフ、ごめん。何やら彼は楽しい勘違いをしてくれてたみたいだよ?」


「か、勘違い?・・・・痛っ!ルーク、お願いだからもっと優しく抜いて!」


「へ?か、勘違い?抜く?」



レオナルドがおそるおそる、2人の手が動く場所をのぞいてみれば、そこにあったのは銀色に光る『毛抜き』。



「さっき、落とし穴に落ちた時に藁のトゲが指にいくつか入ってたみたいで、ルークが毛抜きを持ってるから抜いてくれるって」


「そのままにしておくと、危ないからね♪」


「・・・・・あっ!んっ!」


「!!??」


「はい、これで全部抜けたよ?」


「ハァ、ハァ・・・・痛かった。ちょっとルーク、今のはわざと皮膚を巻き込んだでしょ?!」


「フフ、まさか!ちゃんとトゲだけをつかんだよ?」


「嫌、今のは絶対に悪意を感じ・・・・って、どうしたの?レオ?なんだか、顔が赤いけど」


「な、なんでもない!!」



ギュッ!!!



背中からクローディアの体を抱きしめる。


恥ずかしい勘違いに、カァーーーーーっと、自分の顔が熱くなるのがわかって、思わずそれをごまかす為に彼女の肩口に顔を伏せて隠した。




キーンコーン、カーンコーン!




「しまった、チャイムが!すぐ戻るよ、レオッ!!」


「う、うん!」


「あ、ルーク、トゲ抜いてくれてありがとね!」


「人の痛がってる姿を見るのは楽しいから♪」


「その一言がいつも余計なのっ!!」



ニコニコしながら手を振るルークに、お前は戻らなくていいのか!?と思いつつ、自分達の方が遅刻になる危険性も高い為にさらにその足を急ぐ。


なんとか先生の来る前に席に2人とも着席し、安堵のため息をつくとともにポケットへ手を入れると、そこには数枚の覚えのないバンソーコーが。



「・・・・・ルークの、バカ」



あとで、もう一度彼にきちんとお礼を言いに行こうと決めてクローディアはそのバンソーコーを指につけた。

今回は学生ルークさんの登場でした!


彼は保険医にするか悩んだんですが。実際の年齢はジークフリートの方が上なので、彼も学生にしました。


予定ではあと2回くらいで、この外伝は一度終わろうかと思ってます。

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