表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超遠心!スクロース!  作者: 幸田遥


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/13

第11話 ポスドク戦士よ永遠に!

「見ろ! 怪人が大きくなっていく」


 巨大化した怪人ガクブセイの足元で、『超遠心!スクロース!』の5人が叫ぶ。



「よし、俺らも、巨大ロボで対抗だ。ホワイト、申請書の準備を急げ!」


「任せて!」

 ホワイトは大急ぎで申請書の作成に取り掛かる。




「教授! 申請書の受け取りをお願いします!」


 ホワイトスクローは教授に、メール添付で申請書を送りつけた。



「よぉし! しかと受け取ったぞ。いくぞぉぉ! スーパーセントリフージ発進申請書! さいたぁぁぁぁくぅっ!」



 バンッ!


 教授は、送られてきた申請書に、採択アクセプトのハンコを押した。




 神岡町にある山奥から5台の大きな『専用マシン』が射出される。


 レッドスクロー用の『レッドセントリフージ』。

 ブルースクロー用の『ブルーインキュベーター』。

 ホワイトスクロー用の『ホワイトボルテックス』。

 グリーンスクロー用の『グリーンサーマルサイクラー』。

 ブラックスクロー用の『ブラックセルソーター』。


 この5台だ!


「よしっ! 遠心チューブ。セーーーーット、オン!」


 掛け声とともに、5人は、ベルトにはめてあるチビタン(卓上小型遠心機)から遠心チューブを取り出し、天高く、それを掲げた。


 すると、5人は透明で巨大な遠心チューブに包まれた。

 5本の巨大な遠心チューブは空高く飛び上がる。



「遠心! 合体!」


 それぞれが乗った遠心チューブは、『専用マシン』に搭載された。


「よし、いくぞ!」


 5人が、息を合わせて、叫ぶ。




「すみません、先輩。お手柔らかにお願いします。すみません」

 巨大化した怪人ガクブセイは、へこへこしている。



「あいつは技を盗む。一気に行くぞ」と、レッドスクロー。


「オッケー」とホワイトスクロー。

「わかりました」とブルースクロー。

「はい」とグリーンスクロー。

「おっす」とブラックスクロー。




「よし! 超遠心ハンマーだ! 教授、お願いします」と、レッドスクロー。



「よぉぉし!わかったぁ! 超遠心ハンマー! はぁぁっしん!」

 教授は、教授室にあるボタンを押す。




 神岡町にある山奥から、大きな『超遠心ハンマー』が射出される。




 説明しよう!

 『超遠心ハンマー』とは、直径100メートルの超巨大遠心機ローターが、ヘッドの部分についたハンマーである。そのローターは、150000rpm(rotations per minute;1分あたりの回転数)で回転し、計算上2億5千Gの力が加わる。




「来たぜ! 超遠心ハンマー!」


 スーパーセントリフージは、自身の5倍くらいはある大きなハンマーを掲げる。超遠心ハンマーは、キュィィーン、と静かな音をたて、瞬時に最高速度に達した。



「光にぃ、なぁれぇぇぇ!」


 スーパーセントリフージは、超遠心ハンマーを振り下ろす。



「あ、ちょっと、待ってください。すみません、バランス取るの忘れていました」


 怪人ガクブセイの必殺技『遠心機のバランス取るの忘れました』だ。怪人ガクブセイの放つビームが、超遠心ハンマーに当たる。





「なんだ、と!? バランスを取らずに、超遠心だと!? 指導者は誰だ!?」


 『超遠心!スクロース!』の5人は、みんな、目を丸くした。



ドガガガガガガガガガガガガ!



 超遠心ハンマーが、大きな音をあげ、暴走する。

 スーパーセントリフージは、超遠心ハンマーを制御できない。



「うわぁぁぁぁ」

 『超遠心!スクロース!』たちの悲鳴は、鈍い振動音に、虚しく打ち消される。



 ドガガガガガーン!



 超巨大ロボスーパーセントリフージは、粉々に砕け散った。


 粉々になったかけらが、風でスッと消える。





「あぁぁぁ。お前たち!」


 教授は、教授室で叫び、膝から崩れ落ちる。





(ナレーション)

 その後、巨大化した怪人ガクブセイは、放射能(巨大化する前に食らったラジオアイソトープ)の影響で死に至った。なんとか平和は守られた。しかし、5人のポスドク戦士の尊い犠牲があったことを忘れてはならない。

 『超遠心!スクロース!』は身をもって、遠心機のバランスの大切さを教えてくれた。


 みんな、気をつけてほしい。遠心する際には、きちんとバランスをとって、『遠心チューブ、セーーーット、オン!』だ。



(完)

やはり、学部生が最強ですよ。色んな意味で。

実験器具は正しく使いましょう。


応援ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

幸田遥


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 完結お疲れ様でした (*´▽`*) [一言] 日本の企業経営者はほとんどが学部卒らしいですね。 そこがそれ以上の学歴を拒むという話を経済誌で読んだことがあります。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ