物語を終えて
後書きです。お話ではありません。
タンツ夫妻の物語にお付き合い下さり、本当にありがとう御座いました。
この物語は、銀髪大男の騎士団特務隊長と赤毛大女の大魔法使いカップルを巡るスプラッタ・ラブコメが書きたくて、着手しました。最初から特務部隊は雑用隊と蔑まれている設定でした。
名前も初めからジル&ジン。剣士がジルベルトで魔女がジンニーナ。
ゲルマン由来ですとギルベルトじゃないの?ジル君の性格から言っても語源の「輝く誓約」がそれっぽい。とお思いかも知れませんが、実は彼、銀からの架空名前です。
対するジンちゃんは、ジン(精霊)に女性名の語尾をくっつけた、これも架空名前です。
次に決まったのが武器と魔法。
男は双剣遣い、長剣と短剣。双刀ではなく剣で。魔法剣がいい。魔力極小設定で。高熱と風刃。もうひとつ投擲武器か暗器を何か、と思い、私のイチオシ武器である鎖分銅を採用致しました。
ジル君は、大男だけど華麗でトリッキーな柔剣遣いにしたかったのです。タンツ(踊り)の由来ですね。序盤しか設定活きてないけど。
中盤以降、鎖分銅も不遇なヤツでした。不甲斐ない作者です。
次はヤツがバリバリメイン張るお話が書きたいのです。まだ微塵も思い付いてませんが。
そして魔法。初めは何でも出来るようにする事も考えましたが、防壁でブルドーザースプラッタを書きたくて、壁オンリーで総てをこなすヘンテコ魔女になりました。
途中からブレブレですが、下書きを内容まで弄ると完結出来る気がしなかったので、ブレたまま終わりました。
15名の名前と担当も、すぐに決まりました。芸術家や哲学者の名前のシャッフルが多いですね。思考放棄。かなり適当につけました。全部実在人名から氏名を組み合わせています。
でも一気に書いた割には人名間違いも多く、修正に時間がかかってしまいました。皆をもっと連携させて見せ場を増やしてあげたかったです。
その想いが先走り、途中でジンが空気に。これも、内容いじると完結出来ないので、仕方なくそのままに。
こだわりとしては、初出で消える名字や肩書きを作らない、なろう読者は前話を覚えてないか読んでない前提で、毎回その人物が何者かを必ず地の文に織り込む。を実行しました。
これ、けっこう長いことなろう未登録不熱心読者だった経験から来る偏見です。それまでの自分と同じタイプの隙間時間ユーザーを想定しておりました。まとめ読みの方には、随分と読みずらかったかも知れませんね。誤字多いし。
また、このお話は、全20話を確か1日位で書き上げました。しかし、誤字修正の時に説明不足の解消や表現修正、会話の追加等をし始めたらキリがなくなり、完成前に投稿を始めたのでした。
下書きそのまま、お話に一切の変更は無かったです。が。1話当たりが1話のままだったものは数えるほどしかありません。中には7話に延びたものも。サブタイトルが不自然な物はだいたい延びすぎたやつです。
結局、109話128,559文字。ですって。
エ~。そんなに書くほどの物だったのかね。
冗長じゃないかな。
まあ、そこら辺は読者の皆様にご判断を仰ぎます。
そしてラスト。締めの後世部分すらちょっとだけ延びた。
「人知れず引き継がれる魔法的何者か」エンドです。
黒森が投稿した他のファンタジーを読んで下さった方には、「又かよ」と横を向かれるかも知れませんが。
活劇のあとは、力が消えたり帰還したりも読む分には好きですよ。ですが、書くなら断然「表舞台から去ったが、実は危機は消えず、対抗手段も裏で引き継がれている、または存在し続けている」ラスト。
報われない、知られない、縁の下の力持ちが好きです。
私自身、学芸会は裏方になりたがる奴でしたよ。不器用で舌打ちされがちでしたが。
忘れられた何か、にロマンを感じてしまいます。
さて、最後にどうでもよい私事。
この作品を始めたとき、私はぎっくり腰で寝たきりでした。手しか動かせず、深く考える事も叶わず。暇なので、つい出来心で書き手になりました。
そして、最終話付近で、飛び石休の勤務日を見事にぎっくり腰で潰し、怒濤の10連休を得ました。またもや、殆んどスマホくらいしか出来ない日々。もうすぐ終わるのに完治してないよ。痛み止と湿布の力で出勤するしかないかな。
なろう無かったら、退屈で柔らかいお菓子食べ過ぎてましたね。硬いと腰に響くの。だからと言って、食べ過ぎたらお腹壊すよね。でも、集中出来ないから、音楽すらマトモには聞けないし。
ところで、黒森は、救いの無い戦国小説擬きから、アホバカマヌケな異世界ラブコメ、果ては基本主役がうろつき回る童話まで、いろんな文体とジャンルで書いてます。
お気に召しますものがあれば、またお手にとって御覧下さいませ。
最後にもう一度、ジル&ジンのタンツ夫妻の冒険を見届けて下さった皆様。本当に感謝致します。
また逢う日まで。さようなら。
2021/2/21 クロモリ トウエン




