表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
2ndSTAGE―リアル&VR・2つの世界に揺らぐ魂!!―
98/468

【GAME13-8】立海に輝く7つの宝石!!

 

 ――戦い終わって、侵入者によって荒れた紅蓮城の後始末。城ではサザンクロスの新たな追手を潜入させないために外部のセキュリティ強化、及びワープポイントであるケンタウルスの集積回路の破壊を史也・奈々子の手で行われていた。


『銃司、集積回路の切断・破壊は完了だ。これで奴らに城を汚される心配は当分無いだろう』

「御苦労、流石だな史也兄」


 一方玉座ではシェイパー兄妹の逆襲にあって倒れた肉団子……じゃなかった、コールサックを縛り部屋の掃除は桜率いる立海メイド集団に任せて、功労者である彼ら二人は銃司による評価が執り行われていた。


「さて、俺からの認定テストなんだが……我々立海遊戯戦団においてはトリッキープレイを主とするプレイヤーが多く、お前らのような真っ当な特攻部隊が必要としていたのだ。今回の戦いでそれを数多に披露したことは評価せざるを得まい」


 ちょっと玄人的な評価ですが、要するにシェイパー兄妹のような二人の正攻法な戦い方は立海では無かった為に、大変参考になったって事なんですって。


「だが……コンビネゾンと呼ぶには未熟すぎる。特にフローレン、お前の自惚れが兄や我々の誇りを汚しかねん事態に陥ったのだ。これは俺も目を瞑るわけにはいかん。それに……」


 と銃司が遠目で鋭い眼光構えて見渡せば、コールサックが意識を取り戻し、メイド集団の静止を振り払って銃司目掛けて猪突猛進突っ込んでくる……って、えぇ!!!?


「オデはまだ終わってねぇぇぇええええぞおおおおおお!!!!!」


 怒りで我を忘れた巨漢に怯む間もなく銃司は《ゼータマグナム》を構えた!


 ――BUMP(ドン)!! BUMP(ドン)ッ!!! B,BUMP(ド、ドン)ッッ!!!!


 目にも留まらぬ早撃ちマグナム4連発! 巨漢をもブチ抜く衝撃速射に今度こそ倒れたコールサック。これにはビリー・ザ・キッドもタジタジ。


「……立海を仇なす者に情けは無用だ。情けは己の大事な者の為に受け与えるもの。それが立海の掟にでもあるのだ」

「…………」


 兄妹の誇りを、立海の玉座を守る為に渾身の刺突でリベンジを果たしたフローレンだったが、最後の最後で止めを刺しきれなかった事に彼女はとうとう何も言い出せなくなり顔を俯いた。


「銃司様、やはり我々兄妹では力不足だったのでしょうか……?」

 妹の代わりに兄のサーブルズが銃司の応えを求めようとするが、


「慌てるな、お前らの最終結果は出ていない。それに仮想空間で兄妹の()()姿()を拝めずに対等な回答は出来ん。――ここは現実世界の立海の館で話をしようではないか?」

「「……?」」


 結局バスター・キャッスル内ではテストの結末は言い渡されず、ひとまずシェイパー兄妹を含めた銃司、桜、史也、奈々子、瑠璃のメインメンバーは送還されて残りのメイドプレイヤーはコールサックの確保通報と引き続き清掃を行うことになった。


(結局私達は雑用押し付けられてるだけじゃないですか?)

(私語は慎みなさい! 立海の掟716条『立海のメイドたるもの物事に干渉せずモブらしく業務に徹底するべし』よ!)


 メイドさんも大変なんですね……


 ▶▶▶ NEXT▽


 ――舞台変わって、おかえりなさい現実世界! 意識が五体満足の身体に宿って立海の館の大広間。そこには丁度銃司と桜が居たんでしたね。


「あっ、銃司様! 御早いご帰還で」

「俺よりも3秒遅かったぞ桜。もっと迅速な行動を心がけろ」

「申し訳ございません。急いで玄関前まで向かいましょう」


 銃司も余程喋りたかったのか、準備相応の桜よりも早めに帰還していた。大広間の扉を開けて直ぐの玄関に着くと、そこには史也・奈々子・瑠璃と……長身で勇ましい兄と短身でおしゃまそうな妹の姿。


 彼らこそが現実世界のシェイパー兄妹。西洋の軽装備にレイピア携え、金髪ブルーアイはここでも変わらずのようだ。


「正装は乱れていない……うむ、最低限のマナーは完璧だ」


 銃司はシェイパー兄妹の服装の乱れをまじまじとチェックする。遊戯貴族の同胞になる為には礼儀と作法を身につけるのは当たり前の事なのです。


「……どうしたフローレン。いつもの高飛車な態度は何処へ行った?」

 そんな彼女は終止俯き浮かない顔。そりゃミスも続けば高飛車を振る舞えなんて無理な話。銃司もお人が悪い。


「……銃司様の前でそんな端ない事は出来ませんですの。私はお兄様を危険な目に会わせ、立海家の玉座を汚してしまいました! そんな私が立海の同胞になんてとても――」


「だがお前の大事な兄と俺はここに生きている。命を守れなかった訳ではないのだ、面を上げろ。もう一度俺に楯突いた時の度胸ある面を魅せてくれ」

「いえ、そんな……!」


 それでも顔を上げられないフローレンに対し、城主である銃司が自ら身体を降ろして彼女よりも下の目線で再び話しかけた。


「お前らは、俺の兄貴を守ってくれたんだろう? 5年前の話だが」

「えっ……!? 何故それを――!?」


「恥ずかしい話だが、俺も二人のPASの色を見るまですっかり忘れていたよ。何しろ俺のPASが未熟故に城の地下に幽閉された時に聞かされたからな」


 ――こっから先は5年前に(さかのぼ)る話なので、回想の意味を込めて説明しましょう。


 ■■■■■■


 ――それはまだ銃司の兄、立海家20代城主・立海(じょう)が存命していた頃。


 彼は国際交流の意味も兼ねて立海の交流のあるフランスの遊戯貴族シェイパー家と交流していた時に、丈はまだ15歳であった兄妹と出会った。チェスを嗜んでいた彼らに丈はお節介にもこう言ったのだという。



『無闇にルークやビショップを戦場に動かすな。ポーン一つでも王にとっては大事な同胞だ。誰一人とも死なせぬ覚悟で動かしてみろ……!』


 シェイパー兄妹は最初は全く理解できなかったが、数日後にその意味を思い知らされることとなった。



 ――その三日後の事、突如フランスにおいて騒がせていたサイバーテロリストによってシェイパー家に標的が絞られた。


 何とか父であるエペ・シェイパーは避難出来たが、それに巻き込まれた丈は多勢に無勢、敵に囲まれ剣ヶ峰に立たされる。


 しかしそんな峰を切り崩そうとする二つの剣があった。……シェイパー兄妹だ。


『『うぁぁぁああああああああ!!!!!』』


 シェイパー兄弟と丈とはチェスでの助言で一気に勝率が上がっただけの縁だったが、これを恩恵として受け取った彼らは父の静止を振り切り、捨て身で突っ込んで丈を助けようとした。しかし力及ばず逆にテロリストによって叩き潰されてしまう。


 ……丈の危機を救えなかった未熟者の年貢の納時か。と二人は覚悟した、その時。


 ――――BUMP(ドンッッ)!!!!!


 シェイパー兄妹の特攻により隙を作った丈は形勢逆転、テロリストを一網打尽にした。そして丈自らが朽ち果てた兄妹に手を差し伸べた。


『自分の身を顧みず、立海の城主であるこの俺に()()を紡いだ貴様らは称賛に値する。だが無力なままでは何も守れんぞ。十分な力を身に着けて、我らの城へ来い!

  (キング)を守るルークにビショップ、いやクイーンに成り上がりこの俺を守ってみせよ!!』



 ――しかしその1年後、弟・銃司のPAS暴走に伴う被害の代償を払うべく、丈は自ら紅蓮色のマグナムの銃口をこめかみに当てて自害した。※『極限遊戯戦記』第50話参照


 兄妹は鍛錬中にその事を知り愕然としたと同時に、互いにゲームへの闘志を昂ぶらせてPASを覚醒させた。



【我らが誇り高き立海の王を守る騎士となる】と……!!


 ■■■■■■


「兄貴はこの事を凄く喜んでいたよ。まさかこうして力を携えて戻ってくるとは思わなかったがこれで……」


「それでも我々兄妹では……立海の敷居は高く、力不足だと思われます」

 銃司の高揚とした話を遮ったのはサーブルズだった。


「……確かに私達は丈様を救い、救われる立場として誇り高きフェンサーとなる為に鍛錬を重ねてきました。しかしその結果がこれです。シェイパー兄妹はその未熟さ故に、二度も立海の王を危険に晒してしまうとは……!!」


 悔しさの余り、サーブルズの声が絡まり次第に兄妹共々大粒の涙を流す。それを見兼ねた銃司は……



「シェイパー兄弟よ、我ら魂に形を宿りしゲーム戦士は()()()()()()()()戦士であると俺は思う。例え失態を晒されようとも己の魂を、誇りを失わぬ限り成長が止まることは無いのだ」

「「…………」」


「俺の兄・立海丈は俺の心の弱さによって殺された。それは揺るぎない事実だ。そんな俺が兄の意志を継いで次代城主になったのは、立海の偉大なる誇りを守るため。そして兄よりも誇れる城主を目指す為だ!!


 ――俺は過去には振り返らんぞ。俺は兄の果たせなかった野望を、【マスター・オブ・プレイヤー】になる為にも……この紅蓮の魂を示さねばならぬのだ!!!!!」


 その時、シェイパー兄妹の二人の眼に映るは銃司の心に宿った紅蓮色のPASの波動。これが兄妹の喝となって、揺るぎない決意を顕にするのだった!



「銃司様! 及ばすながら……私達にもその夢を追わせてください!!」

 いつの間にか妹のフローレンが面を上げて、キラキラとした目で銃司に訴えた。


「我らシェイパー兄妹、今後も精進を怠らず、必ずや銃司様を天下を統一させる事を約束します!」

「私達は二人の城主に救われるだけで終われません! 銃司様や桜さん、史也さん、奈々子さん、瑠璃さんの意志に報いるためにも!!」



「「このレイピアの魂に賭けて、立海家に忠誠を誓います!!!!!!」」



 誇りと意志を高らかに、シェイパー兄妹・二つの宝石の輝きに満ちたPASのレイピアが美しく煌いた……!!


「……その忠誠、しかと我が魂に刻み込んだ――!! 桜、例のものを彼らに」

「承知しました、銃司様」


 桜は事前に持ち構えていたペンダントのようなものを二つの、銃司に授けた。


「これは我が立海に忠誠を誓いし者に授けられる【立海の守護印】だ。それぞれにPASの魂の色に合わせた宝石が取付けられていて、その御加護によって我々はゲームの健闘を貢献するという訳だ」


 因みに銃司の守護宝石はルビー。クリムゾンレッドの神々しい輝きが何物にも臆せぬ勇気を与える。他にも桜はダイヤモンド、史也がタンザナイト、瑠璃がラピスラズリと、PASの色に合わせた守護宝石がペンダントに埋め込まれて、それぞれの胸元に飾り輝いている。


 そしてシェイパー兄妹は兄・サーブルズがトパーズ、妹・フローレンがエメラルドの守護印を各々銃司の手で授けられた……!



「……おめでとう。これでお前らは立海遊戯戦士団の誇り高き戦士だ――!!」



 銃司の性分であるニヒルなしたり口が、シェイパー兄妹にとって最高の称賛として受け止められた。


「「ありがとうございますッッッ!!!!!!」」


 ――かくして、同胞達の暖かい拍手と共に立海遊戯戦団に新たなメンバーが加わった!

 立海の最大のライバルである『シャッフルオールスターズ』のメンバーは7人、そして立海も7人とで統一した並びとなった。


 またアメイジング・ウォーズのような全面戦争が来るのだろうか、それは定かではないが今は立海の新戦力の今後の活躍に期待するしかないだろう!



 ――己の魂でゲームに挑む戦士『ゲーム・ウォーリアー』の物語! 果たして次の英雄になるために戦うプレイヤーは果たして誰か!?


 本日は【GAME13/立海の新ゲーム戦士】を持ちまして、読み終わりで御座いますッッ!!



 ▶▶▶ SEE YOU NEXT GAME...!!▽

▶▶▶▶▶ NEXT GAME WARRIORS ▽


ゲームワールドのお助けボランティア『GWクエスト』にて、とある巨大城のボディガードを頼みたいってクエストがあるんだって!(バスターキャッスルじゃないよ)


それに挑むのは……次回を読んで確かめよう!!



この小説を読んで『面白かったぁ☆』と思った皆様、是非とも下の「ブックマーク追加」や「☆評価」、感想等を何卒お願い致します!!


してくれた方にはもれなく作者のkazuが調子に乗って更に小説を面白くしてくれます(かも)!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ