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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
2ndSTAGE―リアル&VR・2つの世界に揺らぐ魂!!―
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【GAME13-1】立海という名の遊戯貴族!!

――さて! 前回桐山剣が特訓によって自分の魂の力を再認識した所で、次のゲーム参ります!!


今回は剣たちシャッフルオールスターズとは一旦線を離しまして、それらに相対するライバルを軸に話を進めて参りましょう。もしかして龍牙? いえいえそいつよりも100倍マトモな奴。

紅蓮の銃の魂を持つ貴族・立海銃司です!


ゲームという決闘に情け容赦は無用、強者とならば尚徹底的に叩き潰すニヒルで傲慢な奴。しかし情と絆そして仲間の絆を何より尊ぶ、彼もまた熱い魂を持ったゲーム戦士で御座います。

そんな剣とは一味違った【アナザーヒーロー】の活躍をとくとご覧あれ!!


――それでは皆さんご唱和下さい、『オープン・ザ・ゲート』!!!



▶▶▶ NOW LORDING...CONNECT!▽

 

 ――ここは現実世界・花の都の東京。今で言うなら都内で1位2位を争うほどの富裕層が多いと言われている千代田区辺り。


 超次元ゲーム時代は読者の皆様が読んでる時代よりも先を進んでいる為、今よりニ割増ほど超高層ビルが立ち並び、空も雲も太陽も皆ビルに覆われるほどのメトロポリスと化した。


 しかしそんな大都会にポツンと一軒家……じゃないわ、ポツンと()殿()さんが立ってるのが見えるでしょうか?

 ほら無機質な街並に立ち塞ぐ鉄格子のような門に垣根やら芝やらガーデンやら立ち並んだ庭。強固な煉瓦で積まれた優雅なる宮殿。日本のバッキンガムかヴェルサイユ宮殿かと言われるほどにエレガンス。……でも近未来の設定では多少風情に欠けますねぇ。


 だがその宮殿を命惜しくば嘲笑ってはならない。何故ならこの宮殿の主こそ、数百年に渡って数多くの当主が築き上げた【立海】という名を持つ()()()()立海銃司(たつみ じゅうじ)の邸宅で御座います!


 ほらほら館を出るこの御方をどなたと心得る。ロングな漆黒の髪と赤と黒で着飾ったタキシードを纏った遊戯貴族・立海銃司のお通りだ、控えおろう!!



「誰だ? 西洋印の我が館で御奉行やってる不届きな馬鹿は……何だいつぞやの語り手の道化師(ピエロ)か、また俺の前に現れおって」


 そっちこそまた私の事をピエロって言った銃司さん! 一応はマッドハッターな服装の設定で講談語りにやってるMr.G(ミスター・ジー)なんですよ私は!!


「似たようなものだろう。それで()()()とか言う貴様が俺に何用だ?」


 ジジイ呼ばわりはもっと酷い!! 私ゃのジーはゲームの『G』なんですからね(泣)……それに用というのは、銃司を軸にしたストーリーを皆にお届けしようと、まぁそんな感じですハイ。


「申し訳御座いませんが、銃司様は大事な用がある為に外出なされます。それでも宜しければ後から付いていっても構いませんが……」

 ありゃりゃ、ちょっとタイミング悪かったかな。


 ……あ、先程私に話し掛けた銃司の隣にいる侍女つまりメイドさんは時実 桜(ときざね さくら)さん。以前ゲームワールドで『クロノ・チェリー』というハンドルネームで出会ってましたね。それにしても銀の長い髪と水色のメイド服が何とも麗しゅう御座います!


「お世辞は結構ですわ。とにかくご判断はMr.G様にお任せします。では銃司様参りましょう」

「俺は別に貴様が帰っても構わんがな!」


 くぅ〜!! 貴族ってばどうしてこうも傲慢なんでしょ! なんて言ってる間にも立海のお抱えリムジンに二人は乗って目的地まで走っていったよ。よし、私達も銃司たちを追っかけてやる!!


 ▶▶▶ NEXT▽


 ――さて我々が銃司たちのリムジンを追っかけてたどり着いたのは、今で言うなら東京・港区。現時点で千代田区よりも富んでるトップクラスの富裕層なんだそうです。


 故にその港区に設置しているのは、なんとゲームワールドオンラインを管理・経営している大機関。『WGC』の総本山的施設の【ディメンション・ターミナルビル】ではありませんか。

 そのビルの高さは777階!!! スカイツリーも真っ青の超々高層ビルですな。


 そんなビルの中層部555階では、WGCの各地域を代表する上層役員さんたちが、今後のゲームワールド・現実世界における問題に直視した会議が行われていた。ちょっとその様子を覗いてみましょう……



「ゲームワールドオンラインがリニューアルオープンしてから一週間が過ぎた。チート案件・CPU細工等による不正行為も去年の1/5に収まり、売上・利用ユーザーも日に日に増加し続けている。心機一転して上々の結果だ。……だが、この体たらくは厳しくしなければならない」


 と何やら苦い虫を噛み締めながら長いテーブルに広げたのは、あるプレイヤー集団の不可解な行動をデータに集積させた資料である。これをコピーしたものが各々の役員の手に渡って読んでいくうちに、皆が苦虫噛みの渋い顔。その内容とは――?


「『サザンクロス』の件ですか」


「どうもゲームが絡むと反社会的集団が好き放題やるジンクスがあるらしい。去年の『ブラックヘロン』もそうだったが、今回のは特に不気味で不可解な事ばかりだ。彼らは我々を()()()と名指しているが……」


 皆さんも槍一郎やギャラクシーの件で認知していると思われる『サザンクロス』。彼等の第一印象を一言で例えるならブラックヘロンは【テロリスト】、そしてサザンクロスは【宗教団体】と呼ぶのが妥当でしょうか。

 故にサザンクロスがいずれ変な気を起こしてWGCやプレイヤー達にどのような危害を与えるのか、それすらも不明である所も不気味に潜んでいた。


「それで会長、今後サザンクロスをどう扱う予定で?」


「害ある者ならゲームワールドの『神の裁き』を下す前に我々が制裁を下すまでだ。オフィシャルプレイヤー再建にはまだ時間が掛かるが、その前に早々たる解決が望ましい。今後も警戒は怠るな」


 実はゲームワールドは去年に至って二度もプレイヤー達の命に関わるテロが起きた故に、WGCの8割が辞職・リストラによる役員の再編成を行っている。

 その為にゲームワールドは一年を費やしてプレイヤー達への安全保障を重きに入れつつ、転送方法やシステム改善に全力を尽くした。全てはゲームワールドオンラインという異世界の現状維持の為に。


 ――RRRRR……


 すると会議を仕切る会長の手元の業務電話が鳴り始め、即座に出た。


仁井谷(にいたに)会長、【バスター・キャッスル】管理代表・立海銃司様がお越しです』


「分かった、直ぐこの会議室へ通せ」


 その電話は切られ、その直後の仁井谷会長の顔はより苦い顔となっていた。そりゃそうですよ、あの傲慢貴族が来るんですから!


 ――ガチャッ


 と言ってる側から扉の開く音の共に静静と現れた銃司。彼の出現によってこの場はピリッと張り詰めた緊張が漂う。


「よく来た立海君。早速だがゲームワールドにおけるここ一週間の報告を聞かせてくれ」


「…………何のですか?」


「何のって、君ら立海が所有する【バスター・キャッスル】で何か変わった事があるかって事だよ」

「あぁ……面白味もないプレイヤーがズケズケと俺の城に入っては自滅していったくらいですかね」


 上層部の前で弁えては居るものの、気に食わないことには自然と怠惰な意が出てくる銃司。更に彼の事をまだ知らない役員達は銃司を『傲慢貴族』『ふてぶてしい小童』と貶す者もいる。だがそんな愚の声は彼の耳に届かなかった。


「……座りたまえ、立海君」

 会長もそんな彼への怒りを抑えて、彼の横の空いた椅子に銃司を座らせた。


「またプレイヤーの治安を乱す輩がのさばってるんだ、有数の遊戯貴族の君が、何の対策も取らずに城の中でのうのうと過ごしてる訳じゃないだろうな?」


 蓄積された怒りに強張った面で迫る会長を平然と白けた目で受け流す銃司。流石図太いというか怖いもの知らずというか……と思いきや、銃司は懐に制作していた資料を会長に渡した。


「……私の城の監視カメラにて撮影された映像を元に分析したデータです。映像の中には挑戦者を装って我が城のシステムを何やら記憶してる素振りをしていました。そしてそれらの痕跡には決まりきって、集積回路らしきチップが張り巡らせてました。配布した資料がそのチップの詳細です」


 と銃司が役員達に見せた資料には確かに、マイクロチップのような集積回路の全面が拡大して記されていた。その特徴として、何やら()()()()()()()()の体をした怪物のイラストが……


「これは……ケンタウルス? 何でそんな集積回路を――?」

「ケンタウルスは南十字星(サザンクロス)を囲む星座の事。即ちそれを守護にしたPASを持つプレイヤーを崇めてるものかと……」


 その銃司の答えに会長はハッとして新たなる行動を示させた。


「警戒ポイントに一つ加えておく。ケンタウルスを守護に持つ星座型のPASを持つプレイヤーに関連する人物を特定かつ監視しろ」

 と会長のコールに皆はメモをするなり、役員は各々の担当の部下達に連絡するなり様々なアクションを起こしたのだった。


「私からの報告は以上です。他に何か質問は?」

「……いや、今は特に無い。大事な時間を割かせて済まなかった。もう帰宅しても構わんぞ」


「では失礼させて貰います……」


 流れ作業な形で銃司は会議室を出ようとした時、会長は何かを思い出したようで退室する彼を呼び止めた。



「あ、そうだ立海君」

「…………何ですか?」


「もう今は昔のWGCでは無い。いつまでも立海の名を盾にして傍若無人に振る舞うことは我々が許さんからな!!」

 すると今度は銃司がそれを倍にさせるように言い返した。


「それは貴方達機関が、ちゃんと()()()じゃなくプレイヤー達を守る動きが出来ればの話ですよ」


「………すると何か? 我々の対応はまだ不十分と言いたいのかね」

 それを更に畳み掛けるように、銃司は再び言い返す。


「……さっきSNSで貴方達への不満を掲げた投稿が山のように見かけてましたよ、反吐が出るくらいに。そいつらと私みたいな聞かん坊のガキ大将も収められるくらい良い世の中にしてやって下さいよ……!」


 上からの圧に奥せず何ともニヒルな皮肉か、したり顔1つ食らわせて銃司は会議室を出ていったのであった。


「…………それもまぁ、そうだな」

 それで納得する会長も会長でしょう?



 ――何はともあれ、これで銃司がどんなキャラか少しは理解できたでしょうか? 傲慢で生意気で、しかしその奥に秘めたカリスマは積年の歴史を紡いだ城主の威厳が垣間見えていた。


 さてここからのゲームはそんな立海を軸に展開した、クールでハードボイルドなゲームバトル。熱血も良いけどクールも楽しみたい貴方にお送りします!! 本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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