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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
2ndSTAGE―リアル&VR・2つの世界に揺らぐ魂!!―
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【GAME11-10】最後に笑ったのは誰だ!?

 

 ――さぁ途中の乱入ゲームもあったが、アミューズメントパーク『ギャラクシー』で繰り広げたサザンクロスVS豪樹のゲーム拳決闘。いよいよ大詰め・詰めに詰まって千秋楽!!


 この長い戦いに終止符を打つキーカードはたった1枚! 豪樹のデッキの中に眠る決定的な止めを刺せる保証済みの切り札1枚、これの出現が実現するか否かで勝敗を決すると我々は睨んだ。豪樹の自信が何よりの証拠であります。


「随分と自信あり気だが……私の残影拳ですらも覆せるほどの威力か? その()()()とやらは……」

「あたりきしゃりきの車引き! お前の回避率100%のボーダーラインも軽ーく超えたすんげぇ切り札思いついちゃったんよ!! こっからちょいとした博打と行こうや。ワイの切り札が出るのが先か、お前に討たれるのが先か……!!」


 ゲームとは常にギャンブルという名のイベント或いはハプニングが付いて回るもの。これが正念場のラストバトルに豪樹が仕掛けたとならば、それに乗らない一龍(イーロン)で無し。


「面白い……!! ならばその切り札は貴様が朽ちてから拝むとしよう! その前に貴様を私の残影拳で討つ!!!」


 再び拳士二人の拳が交わり、それが火花となって散る最終ラウンドが開始された! 一龍の手甲に豪樹の刃烈脚、両者に攻める武器はあれども一長一短食い違いあって思うような動きは見出せない。


 そんな時豪樹が手札からカードをスキャン!!


『アクションカード、【武術・軽技猿武】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈アクションカード〉

【武術・軽技猿武(かるわざえんぶ)】EG:①

 属性:橙


 効果:①自分の『速度力』を1段階上げる。

[武術連携](このカードの発動前に『武術』と

 付いたカードを発動していた場合

 ①の代わりにこの効果を適応する)

 自分の『速度力』を2段階上げる。

 ◎――――――――――――――――――◎


 次なる武術カードは俊敏な猿の如く、プレイヤーのステータス・速度力を加速させるカード。筋骨隆々のヘビー級である豪樹が[武術連携]付きで移動速度を40%アップ! ゴリラがパワー割増のモンキーと化した!!


「クソぉ、すばしっこい奴め!!」


 幾ら残影拳を用いても当たらなければ只の演武に過ぎず、回避よりも間合いをキープしてチョコマカと走り回る豪樹に翻弄される一龍、滑稽(こっけい)で良い格好!


「ウキャキャ〜☆」

 ほら豪樹モンキーも手ぐすね引いて待ってますよ!


「クッ……舐めるな大猿が!!! 残影拳!!!!」


 再び影のように音もなく忍び寄った一龍が豪樹の目の前に急接近。例の振るう残影の掌を眼前に繰り広げ惑わそうとするが、既に豪樹の澄んだ眼には一龍の残影拳の全てを見切った……!!


「「チェストォォォォォオオオ!!!!」」


 ――――OFFSET(相殺)……!!!


 天空にクロスした手刀と烈脚の二つの刃、その同じ威力同士がぶつかり合い玉砕! 互いにノーダメージのまま二つのウィンドウが二人の頭上に表記される。


 ◎――――――――――――――――――◎

 ・覇豪丸の《ブレードシューズ》のPP0!

 消滅します!!

 ◎――――――――――――――――――◎


 ◎――――――――――――――――――◎

 ・イーロンの《武芸の手甲》のPP0!

 これまた消滅します!!

 ◎――――――――――――――――――◎


 なんと共にカスタム・ツールカードのPP枯渇により消滅!! これでカードを発動する以外に攻撃する手段は無い。そんな時、正々堂々とした決闘の場にて一龍に()()()()が過る……


(この吹けば飛ぶようなHPではどのみち切り札が来る前にやられる……かくなる上は――!!)


 と、一龍は隠れてブレスに装着されたプレイギアでアメイジングとは関係ないチャットの着信ボタンを豪樹にバレずに送信させた。


「フフフフ、天翔道の拳士とやらもどうしてこうも負けず嫌いなのか……理解に苦しむが、それもここで終わりだ……」

「何やねんなえぇ所なのに……」


 拳士たるもの興醒めた行動に白ける豪樹、だがそんな彼を驚愕させる術がまもなくエレベーターの扉から明かされようとは……!


 ―――チーン。……ウィィーーン


「? ……なっ――!!?」


 その思惑通りに豪樹は驚いた。それもその筈、その開いたエレベーターの扉の中にはサザンクロスの同胞を囲んで()()を連れてきたのだから!


 その中にはギャラクシーのオーナー、松坂茂之(まつざか しげゆき)さんの姿もあり、彼らを囲むサザンクロスのしたっぱの手にはカスタム・ツールカードの武器、無抵抗な人に攻撃しようものなら死傷は免れない。


「どうだ! これでも私に止めを刺せるかな豪樹よ!!」

「オイ舐めとんのかお前!? 拳士が人質を盾にするたぁワイも許さへんぞ!!!」


 この怒号にギャラリーの仲間たちもそーだそーだとブーイング。だがそれを都合よく耳を塞ぐのが汚い悪役の十八番。


「何とでも言ってろ。決闘は勝てば官軍! 故に勝つためなら手段を選ばぬのが奈落道流の精神……いや、南十字星の加護に仕えし『サザンクロス』なのだ!!!」


 豪樹や剣たちにこれでもかと刃物を突き立て人質を脅すサザンクロス一味。そしてその隙に一龍は豪樹の止めにと温存していたカードをスキャンさせる。


『アクションカード、【鬼神の鉄拳】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈アクションカード〉

【鬼神の鉄拳】EG:⑥

 属性:橙

 効果:発動から30秒後に

 繰り出す1000ダメージ。その攻撃は

 回避・無効化・ダメージ低減は出来ない。

 ◎――――――――――――――――――◎


 完全に豪樹に鬼の一撃を与えようと必殺のカードを発動させた一龍。今その鉄拳が下るまでのカウントダウンが始まった……!!


「く、クソぉ!! こんな所で……」

 と豪樹が徐に手札のカードを出そうとするが、


「おおっと分かってるよな? カードを出そうものなら人質の命は無い! 観覧の娘共も一緒だ!!」


 まだ戦線に立つみのり・レミ・穂香の三人も人質を盾にされて身動きが出来ない。だが離脱した筈の剣は何やら後ろで指先のみでプレイギアを操作していたのが我々の眼で確認された。


 だがこれこそが、剣に課せられたこのゲームの切り札! その駆け足がドタドタと乱暴な足取りで向かっていく……!!



「――――剣テメェ、この俺様を除け者にしやがってェェェェェェ!!!!!」


(おいでなさったな、()()()()()()!)


 なんと!? 今の今まで上の階で爆睡していた服部のあんちゃん、エライ形相で剣に迫っていく! 剣がプレイギアで操作したのは彼のモーニングコールだったんですな。


 降り階段の反対側には人質が籠もるエレベーター、それらを挟むのは桐山剣。服部のあんちゃんが猪突の勢いで剣に突っ込もうとするが、ひょいと剣が交わし、走る服部の足元を引っ掛けた!!


 ――カックン☆


「わ★」


 その勢いで転けそうになるが、単細胞は急には止まれずのブレーキ効かず。そのまま向こう側の人質エレベーターの中へと突っ込んでいく!!


 ――CRAAAAAASH(とにかくヤバい衝突)ッッ!!!!!



「今だッッ!!!」


 剣の掛け声にシャッフルガールズ三人が動いた! 穂香が《マジェスティック》で敵を蹴散らし、みのりとレミが人質の松坂さん達を救出する事に成功した!



「――やったなあんちゃん! 切り札にゃ相応しい特攻戦法だぜ!」

「お前マジで覚えてろよ……ガクッ☆」


 いや〜! 何て爽快なんでしょザマァみろ〜!! 卑怯な人質作戦を服部のあんちゃんが身を呈して打ち破った!! こりゃ敢闘賞ものだね。


「クウゥ……!!!」


 悔しがる一龍に対し、豪樹は時間経過でカードを1枚引く。その際にカードを確認した豪樹の顔は、この上ない輝きの眼を宿した!


「……オイ一龍!! 決闘において最も愚劣な盾を使ったお前に、同じ土俵に立つ武闘家の資格は無い!!! 徹底的にしばいたる!!!!」


 豪樹の久方ぶりの激昂がコールサイン、これがこのゲームのラストカードスキャンとなる!! さぁ刮目して観よ!!!



『カスタム・ツールカード、【バーニングソウル・ナックル】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 <カスタム・ツールカード>

【バーニングソウル・ナックル】EG:⑦

 AP(攻撃力):200 PP(使用回数):10

 属性:赤 装備:プレイヤー

 効果:このカードによって与えるダメージは

 ステータス・状態を無視して確実に与える。


 ≪必殺技≫

『ファイターハートブラスト』EG:⑤ AP:?

 自分と相手がこのゲームで発動した『武術』

 カードの数だけ連続で100ダメージを与える。

 ◎――――――――――――――――――◎


 これぞ豪樹の1枚に全てを掛けた切り札。魂のように熱い炎の揺らめきを宿すメリケンサック付きのハードナックル。その炎は豪樹のアドレナリンと怒りに完全とリンクし、一龍に迫る。


「無駄だ……私には回避率100%の」

「ボケェ、その(てつ)はもう踏まん。ワイの炎のナックルは1()0()0()0()%()お前をブチ抜く……!!」


 既に豪樹の怒りすらも1000%に達する程に筋肉やスキンヘッドに血管が浮かび上がり、一龍を地獄に叩き落とすつもりだ。


 もう一龍にこの拳を交わす術は残されていない……!! ならば《鬼神の鉄拳》のカウントダウン、残り5秒!!!


「ならば……この一撃で――!!!!」


 そして豪樹も最後の力を込める……!!



 ――――3、2、1……



「喰らえッッ、《鬼神の」



「『ファイターハートブラスト』ォォォォォオオオッッ!!!!!!」


 コールエフェクト・コンマ1秒の差で、豪樹の必殺コマンドが先に下された!!!


 迫りくる横スクロール火炎流星弾、それは豪樹と一龍の間で繰り出された武術カード1枚1枚の()()という名の流星群。それが豪樹の鉄拳に力を授け、悪しき者の肉体を燃やし続けた!!!




「ウググゥゥォォォォォオオオアアアアアアアア!!!!!!!!」



 ――――KABOOOOOM(ドカァァアアアン)!!!!!


 ゲームコーナーの壁を粉々に粉砕される程の衝撃に叩きつけられた一龍。瓦礫の藻屑となりて、朽ち果てた――!



 〔OVERKILL!! イーロン HP200→0 KNOCKOUT!〕



「ぃヨッシャアアアア!!! 豪樹さん勝ったーーーー!!!!」

「すごーーーーい!!!!」


 剣たちに人質になったスタッフ一同拍手喝采。その歓喜の嵐が感情のボルテージを上げて、豪樹は一旦天翔道の掟に従って礼拝をした後、勝利の雄叫びを撒き散らした。




「ウウゥゥォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッ!!!!!!!!!!」





 人工物のジャングルに吠えるキングコングファイター・高橋豪樹。その咆哮を後に慢心の笑みを浮かべた。最後に笑ったのは、豪樹さんでした!!



 ▶▶▶ GOUKI TAKAHASHI WIN!!▽

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