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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
2ndSTAGE―リアル&VR・2つの世界に揺らぐ魂!!―
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【GAME11-7】ゲーム拳勝負!天翔道流VS奈落道流!!

 

 ――さてさて皆様お立ち会い。忘れたプレイヤーは思い出し、覚えてるプレイヤーも思い出す!

『紫煙の格闘王』高橋豪樹と謎のプレイヤー集団『サザンクロス』の腕自慢、唸る手腕に飛ぶ烈脚!


 ……とその前に先にお詫びしたいのは、その試合を余すことなく魅せられなかった事。

 というのも同時刻に繰り広げていた剣と龍牙(りゅうが)の因縁の決闘に目を行ってしまった、即ち予期せぬ乱入ハプニングによるものであります、誠に申し訳ありませんでした……


 しかし! 読者の皆様には美味しい思いで白熱のゲームバトルを読んで頂きたいのが私Mr.G・ナビゲーターのお務め。

 と言う訳で次なる勝負は大将戦、サザンクロスの親玉プレイヤーとの一騎討ち、行ってみましょうか!!


 ▶▶▶ NEXT▽


 芸術的な螺旋を描いた非常階段、それをハイテンポにカッカッと音を立てて降りるのは、『桐山剣とシャッフルガールズ』の四人。何かグループサウンズでもやりそうな名称ですな。


 彼らが急ぐ理由はただ一つ。下の3階にて繰り広げる豪樹と不審な輩のボスのサシ勝負、豪樹の方が劣勢と判断したガールズ達が剣に助けを求めようとした。

 ところが例の龍牙との激闘で剣はOUTになり、戦線離脱で結局は無駄足。仕方なく戻ってガールズだけでも加勢しようと3階に戻ってみたらば……


「ウォアタァァァァァァッッ!!!!」

「アィィィイイイヤッッ!!!!」


 裏声で音も割れるほどの奇声はまさしく香港映画さながら、数分前の修羅から一転した()()()によって剣達に介入する隙間なし。


 豪樹の殺陣のタイプはカード発動・起動一発に渾身のパワー込める一撃型、一方の敵は低コストのカードを数枚も発動してそのコンボで攻める連携型。

 効率的には豪樹のが上手だが、数枚消費して確実に相手を仕留める敵の方が有利。それだけにあの覇気ありの豪樹がまさかの劣勢。


 そんな豪樹のエネミーにして黒のチャイナスーツを着たプレイヤーこそ『サザンクロス』のボス、奈落道流(ならくどうりゅう)のゲーム拳使い・一龍(イーロン)であります。


「……フン、天翔道流の三流ゲーム拳が聞いて呆れる。だがこれで我の奈落道流が優れてる事を証明できるというもの。覚悟しろッッ!!」


 と怯んで膝を付く豪樹に止めを刺そうと蹴り一発入れようとしたその時。


「危ない!!!」


 穂香が既に装備していた《マジェスティック》の魔力弾で妨害しようとした。それをいち早く察した一龍の目が鋭く光り……



「キェェェエエエエエエッッッ!!!!」


 ――――SMAAAAAAAAAASH!!


 天高く蹴り上げた烈脚で穂香の魔力弾を打ち消した!! 類稀なる瞬発力と破壊力、さすがサザンクロスのボスを名乗るだけあって一筋縄ではいかない。

 そんな時豪樹がギャラリーの剣達に話す余裕が出来た。


「――あっ剣! 上で何しとったんや、心配しとってみのりちゃん達に探させたんやぞ!!」

「……すいやせん豪樹さん、ちょっとトラブル起きちまって……」


 龍牙との戦いで離脱した剣は明らかに浮かない顔とカラ返事で返す。理由は『皆まで言うな』ですよ。


「あ、あの、剣くんは余りにも多勢に無勢でやられたのを私達が返り討ちしてやったんです!!」


 勿論これはフェイクだが、落ち込んだ剣にナイスフォローのみのり。一方で「私達も加勢します!」と穂香も臨戦態勢に入ろうとするが。


「いや待った……ワガママ言うて悪いが、ここはワイ一人でやらしてくれんか? アイツが奈落道流と聞いて黙ってられへん!!」


 ――強者プレイヤー達の武の象徴であるゲーム拳、存在は一つしか無けれども星の数ほどに()()あり。


 一つ、頂点を目指すべく天へ翔ぶ意味を込めて正々堂々な武術を鍛える『天翔道』。

 一つ、勝つためなら手段を選ばぬ地獄行き寸前の外道な戦法を好む『奈落道』。


 まだまだ未知の流派はあれど、これほど善と悪が目立つ流派はない。故に豪樹も嫌悪するほどに奈落道のプレイヤーは許し難い存在。だからこそ穂香の加勢を拒み、己の拳でケリを付けることを決めたのだ。


「……お前も気の毒な奴だな。戦いもダイジェストにされるわ、小さいプライドで仲間の加勢を自ら拒むわ、天翔道流もたかが知れてる」


「――お生憎様じゃボケェ!」


 耐えない煽りに中指一本突き出して挑発する豪樹。それに反応したのか互いに独特な構えで戦闘再開に入る……かと思いきや。


「……ちょっとタンマ!!」


 私含めて一龍、剣達共々ガクッとずっこける。戦い直前でまた中断とか拍子抜けちゃうじゃないですか〜!


「わりぃ、喉乾いちまったからちょいと水分補給の時間くれや」


 給水!? そんなの敵さんが認める訳が――


「認める」


 認めるんかい。まぁ早めにお願いしますよ。すると豪樹は剣の耳を貸して何やらヒソヒソと頼み込んでるようだった。


『……剣、ワイも意地張って一人でやる言うたけど、今のまんまじゃ奴のペースに押されて終わるだけや。ここは一つ()()を自販機で買うて元気付けさしてぇや!!』

『――! 分かりやした』


 と、剣は()()と聞いてピーンと閃き直ぐ様承諾し、同じ階の自販機コーナーにて自腹で飲み物を購入した。その飲み物とは、2リットル級のコーラ!!


「……はいよ豪樹さん! これ飲んでドカンとやったれ!!」

「おぅ、任しときぃや!!」


 豪樹は剣に渡されたコーラのボトルの蓋を親指だけで捻り開けて、垂直にひっくり返し一気飲みの要領であっという間に半分を飲み干してゲップを一発相手にぶちかます。止めなさいよレディが三人いる中で……


(豪樹さん確かにつえーけどデリカシーは皆無やからな……)

 それを剣に思われちゃお終いよ。


「――ッしゃ、炭酸効いてきたァァァアア!!!」


 コーラパワーで飛び出る咆哮、溢れる覇気! スパークリングな炭酸を得た豪樹は無意識に右腕を手前上に構えて相手の出方を伺う。更にもう一つ変化したものが。


(……ん、奴の心臓の高鳴りがテンポを上げてきている。まさか……?)


 一龍は神経を研ぎ澄まして豪樹の心臓音・ハートビートのテンポ変換に気づいた。これはコーラによるカフェインが影響したものだが、それは彼にとって決闘における重大な変化を欲していたのだ。

 そして昂ぶる心臓のビートに乗って、豪樹の胸元から紫の光が迸った!!


「高鳴れ、我が魂の鼓動!! 万物を砕く鉄拳の魂となりて!!! ――PAS発動!! 【アイアンフィスト】!!!」


 ◎――――――――――――――――――◎

 ・PAS【アイアンフィスト】確認。

 PASスキル【鼓動(こどう) 速連術(そくれんじゅつ)】発動!


 自分の手札・デッキのEGコストが①減少!!

 ◎――――――――――――――――――◎


「奈落の連携には、天翔の連携で相手したる。――行くでぇ……!!」


 ダイジェスト転じてクライマックス! 豪樹VS一龍の正邪ゲーム拳勝負、真骨頂を魅せるときだ!!


 ……だが待たしても今日の所は時間となってしまいました、次回は全編アクションカードバトルって事で本日のゲーム、ここまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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