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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
2ndSTAGE―リアル&VR・2つの世界に揺らぐ魂!!―
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【GAME11-4】今こそ放て!忍者の影を打ち破る切り札!!

 

 ――アメイジングバトル・剣VS龍牙。

 龍牙が仕える忍者ユニットの真骨頂、分身の術にシノビ変化と自由自在にフィールドを立ち回り、剣を翻弄していく。


 その忍術にまんまとハマった剣はというと、敵の罠を抜けようと持ち前の極運で振り切ろうかと思いきや、悪い事が連鎖して続けて不運が降り注ぐ。


 それもその筈。剣が愛してやまない切り札の《サラ・チャンドレイユ》が忍者の効果でデッキから削がれて墓地送り。こうなったら回収か蘇生カードで復活させるほか方法は無いが、これまた不運に剣の手札はスッカラカン!


「ヒャァハハハハハ!! こいつァ傑作だ、切り札落としてやんの!! しかもこんな燃える良い女が切り札語ってるって事は、さてはお前こいつに()()()()?」


 洒落にしてはちょっと嫌味が過ぎませんかねぇ龍牙さん。剣は自分のアイデンティティを汚す罵倒は大嫌い。故に彼は物凄い形相で唇を噛み締め、嫌味堪えて言い返す。


「ゴチャゴチャうるせぇぞボケェ……その腐った顔細切れにされたくなかったら、ちったぁ口慎めや――!!」

「良いじゃ〜ん、その怒りだよもっと怒ってみろよ剣ぃ〜! 毎度聞いてるとムカつくだけだったが、聞かねぇと無性に虚しいから不思議なもんだよな。……だがな。俺様の嫌味覆してぇなら、実力で示せやダボ野郎」


 会話だけ聞いてれば低俗な子供の喧嘩のよう。しかし蓋を開ければ未知の力を持つ龍牙に太刀打ち出来ない事、雲梯の差を暗示させるようなやり取りにも聞こえる。

 実際今の盤面から見てもアドバンテージは遥かに龍牙のが上、つまり次のカードドローで形勢を翻すカードが出ないと剣の首は更に締まっていく事になるのだ。その間にも……


「ま、せいぜい俺様の忍者で痛がってな! 《雷鳴の忍者》で再攻撃!!」

「――!」


 先程剣の切り札を削ぎ落とした張本人、《雷鳴の忍者》の攻撃が再び下された。剣はまだ《ファイティングブレード》の攻撃で反撃の余地はあるが?


(厳しい、俺がコイツにブロックで応戦したらまた[シノビ変化]で他の忍者に入れ替わっちまう。ここは受け止めるしかない……!)


 忍者の連鎖を止めるには自分で断ち切るしかないと睨んだ剣。忍者の攻撃を我が身で受け止め、ダメージを受ける。


「ッ……!」


 〔エース HP800→700〕


「なるほどシノビ変化対策にHPで受けたか。だが例の効果は受けてもらうぜ、デッキの上から3枚墓地に送りな!!」


 再び剣の分厚いデッキから自動的に3枚墓地送り。今度はキーカードらしきものは落ちていないようで剣もほっと胸を撫でおろす。


「へへへ……どうや、お前と離れてから俺は最も強いチームに志願してそこで力を蓄えてきた。()()()()()()()()()やり方ってのは強いデッキを手に入れて、それに適応する力を持つこと! それ以外にねぇよな!!


 ――仲間とか友達とかんな御託置いといて、()()してナンボのプレイヤーなんだよ!!!」


 優越な闘いに感情の昂ぶる龍牙、対して剣は今まで彼に浴びせられた失言に痺れを切らし、とうとう自分の理性がプチンと切れた。


「お前、えぇ加減にせぇよ。人を散々おちょくりながら真っ直ぐに闘った事のねぇお前に説教する気はとっくに失せてるが……ナメんのは大概にせぇや!!!!」


 遂に剣が怒った!! その感情の爆発は己の命を縮める行為になるのか、いや違う! それは()()への兆しだ!! 30秒経過、剣にカードドローの権利が1枚与えられる!


 《CARD DRAW(カードドロー)


「怒り爆発・ナイトドロー!!!」

 その引かれたカードをそのままブレスでカードスキャン!!


『アクションカード、【弾ける宝札】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈アクションカード〉

【弾ける宝札】EG:③

 属性:青

 ①カードを1枚ドローする。

 ただし発動時に自分の手札が0枚の場合、

 1枚の代わりに3枚ドローする。

 ◎――――――――――――――――――◎


 剣の前に現れた金色のシャボン玉の群れ、それが剣の身体に触れた途端にパチンと弾け、それがカードとなって彼の手札に3枚宿った。


「ハァァア――――!!」

 窮地に立たされようとも抗う剣に、龍牙は深い息を吐いて恍惚の瞬間を味わう。


「札が増えようと関係ねぇ!! 《雷鳴の忍者》、もっと痛ぶってやれ!!!」

 三度襲う雷鳴の刃、だがそれも抗うは騎士のカウンター!


『カウンター・レスポンス発動。――アクションカード【暴発】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈アクションカード〉

【暴発】EG:②

 属性:黄

 ①フィールド上のユニットをランダムに1体、

 300ダメージを与える。

 ◎――――――――――――――――――◎


「無駄だ!! 幾ら効果ダメージで消そうとも忍者には[シノビ変化]が」


「んなもん、通すかッッ!!!」


 ――ドォォオオオン!!!


 剣の怒号に反応したかのように、《雷鳴の忍者》は《暴発》の爆破に巻き込まれて破壊された。


「な、何!? 何で[シノビ変化]が発動しない!!?」


「簡単や、[シノビ変化]の発動条件は俺の攻撃やカード効果で()()になった時。だが発動した《暴発》は()()()()でダメージを与える効果だから適応しなかった!


 つまりカードを選ぶんじゃなく、無差別にダメージを与えられれば[シノビ変化]も敵じゃねぇって訳だ!!」

「ッ……!」


 これは剣のカード効果の盲点を突いた上手の勝利だった! カードの効果には『対象効果』『ランダム効果』『全対象効果』等様々なタイプの効果がある。

 [シノビ変化]のように狙われて逃げるのならば、形振り構わず一掃させるのが得策と考えたが剣。柵の目を潜るのが実に巧妙だ!!


「お前、あの短時間で[シノビ変化]の攻略を思いついたってのか……!?」


「……昔お前自身が言ってただろ? 『相手を騙すならまずメリットを十二分押し付けて弱点を見えなくする』って。俺はその裏を掻いて、自力でデメリットを突こうとしたまでよ! お前が一番得意としてたペテンな手を見抜けねぇと思ったか、いちびんなァ!!」


 遂に龍牙のあんちくしょうを出し抜いてやった!! 未だ劣勢だがそれでもやり抜いた快感に浸り、怒りも忘れてしたり笑う剣。身内読みの一本、見事に決まった。


「……いーじゃん。剣らしいや、それでこそ剣や! いい加減な風来坊気取りの癖して、いざゲームとなればギンギンにその鋭い目を光らせてやがる……だがまだ甘いわ!! 剣一本で俺を討てると思うな!!!!」


「確かに、剣一本じゃ足りないわな。あと()()()()()付け加えなくちゃ!!」

「…………何?」


 読者の皆様も『何?』なんて思ってらっしゃるでしょうが、その根拠は直ぐにでもお魅せ致しましょう! 最後の奥の手・究極の切り札、【PAS】によって!!



「俺の魂に眠る聖なる剣よ……今こそ勝利の為にに大いなる力を与え給え!

 ――PAS(パス)発動!! 【ロングソード】!!!」

「な……んだ、と――!? 剣がPASを……!!?」



 ――いざとなったら魂を込めろ! 遂に発動剣のPAS! 龍牙と縁を切った間に剣は凄まじい異能力を身に付けた! どーだ、恐れ入ったか!!

『男子3日会わざれば刮目して見よ』ということわざもあるが、剣は新たな友と出会い自分自身の()を手に入れて強くなっていった! その証明がこのPAS【ロングソード】、これ即ち『切り札を呼ぶ剣』なり……!!


 ◎――――――――――――――――――◎

 ・PAS【ロングソード】確認。

 PASスキル【エース・ドロー】発動!

 ◎――――――――――――――――――◎


 アメイジングの闘いの中で、PASの能力を使えるのはたった一回。このチャンスに起死回生を狙う剣。渾身の居合抜きを見よ――!!


「ロングソード流遊奥義……【エース・ドロー】ッッ!!!!!」


 デッキに眠る切り札を抜けば、弧状に浮き上がる陽炎の跡。アーサー王が聖剣エクスカリバーを抜いたように、剣に引かれた切り札もまた伝説を呼び覚ますであろう!! いざ尋常に、カードスキャン!!!



『ユニットカード……【ヴァルキリー・フレア・ドラゴン】!!!』



 さぁさぁプレイヤー諸君お立ち会い! アメイジングの戦場に舞い上がる炎の大玉。その玉が吹き飛び現れしは、灼熱の赤にたぎるボディと銀に輝くメタリックアーマーを身に纏いし伝説の竜。今ここに降臨なされたぞ!!


 その名も誇り高き『烈火の騎士竜』!! 剣の真の切り札なり――!!!



「――グォォォォオオオオオオオオオオッッ!!!!」


 この騎士竜、騎士や同胞に勇気を与える炎を与えると言い伝えられている頼もしくも誇り高きドラゴン。果たしてその切り札が剣に勝利をもたらすのでありましょうか? はたまたそれを対峙し、恐れるどころか不気味に笑う龍牙のその真意は何か!?


 全ては次回に持ち越し、丁度お時間で御座いますと行ったところで本日のゲーム、ここまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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