【GAME11-3】忍者と騎士・混沌の殺陣!!
――TIPS――
アメイジングにおける魂の能力『PAS』の使用は1回のみ。つまり最後の奥の手として凄まじい力を伴う。
だが使いようによっては、その規制をも覆す事も……!?
「クハハハハ……!! 言うほど大したことねぇな剣ぃ、切り刻んでやれ《瞬足の忍者》!!!」
――勢い任せに攻め込んだ剣お得意の特攻戦法も形無し。変幻自在な忍術にも似た龍牙のトリックプレイ、分身の術で姿を増やした忍者ユニット3体が今まさに剣の首を狙おうとしていた!
片や狙われる桐山剣の手札はたった1枚、この1枚に反撃の機会はあるのだろうか!?
(……出来れば序盤から使いたくなかったが、ダメージ付加で手札補充されるよりはマシや!)
『カウンター・レスポンス発動』
やはり、ここでも転んで只では起きないのが剣。負けじとカウンターを仕掛けてカードスキャン!
『アクションカード――【究極の盾・ミラーバースト】!!』
◎――――――――――――――――――◎
〈アクションカード〉
【究極の盾・ミラーバースト】EG:⑤
属性:黄
①相手のユニットが攻撃を仕掛けたとき、
相手フィールドに存在するユニット
全てを破壊する。
◎――――――――――――――――――◎
攻撃宣言が起爆装置となりて、絶対なる反撃の壁が忍者達を粉砕する! これぞ切り札騎士・剣の土壇場カウンター、お見事!
「チッ……相変わらず悪運は強ぇーなお前!」
だが一難去ってまた一難、遂に龍牙の左手に握られた忍刀が牙を向き、剣目掛けて振りかざす。
握り手は逆手、左右に風を斬るかと思いきや相手への威嚇にドスを構えて上から殴り斬る。暗殺の為なら隠密も何でも来いな忍者殺法に情けは無用。
「あぶッ!? おっかねぇなこれじゃまるでチンピラみたいだぜ」
「はぁ? アホか、忍者は主君が気に入らねぇ奴を殺す事が使命や。今更チンピラ呼ばわりした所で名が薄汚れるわ!!」
チンピラでも通りが悪いとは。忍者って格好良いを通り越して恐ろしい程の極道だと改めて思いますねぇ私。
「感心してる場合かよ!? それよりもこう手持ち無沙汰じゃやりきれねぇぜ!」
確かに言われてみれば、剣の手札はさっきの発動で0枚。さらに武器も無い状態では忍刀を避けるので精一杯。しかし剣よ、手札よりも策を取れる方法はまだあるぞ!?
「……あ、そうか! プレイヤースキルだ!!」
その通り! 今までのゲームやレベルアップで培ったスキルなら危機を脱せれるでしょう!!
「えっと確かゲームワールドで拾ったカードで習得したスキルが……あった!!」
龍牙の刀をサラリと避けながら、ブレスのコマンド画面でプレイヤースキルを選び発動させた!
◎――――――――――――――――――◎
・エースのプレイヤースキル
【騎士剣 招来】発動!
デッキから《ファイティングブレード》を
呼び出し、そのまま装備します!!
◎――――――――――――――――――◎
――ヒュゥゥウ……パシッ!
「何……!?」
フィールド外の非常階段を突き抜けて、宿主の剣の手元に現れたのはお馴染み《ファイティングブレード》!!
◎――――――――――――――――――◎
<カスタムツール・カード>
【ファイティングブレード】EG:③
AP(攻撃力):100 PP(使用回数):15
属性:赤 装備:プレイヤー
≪必殺技≫
『ソニックブレード』EG:③ AP:150
・弧状のソニックブーム赤属性の
斬撃を撃ち飛ばす。
◎――――――――――――――――――◎
――ジャキィィイン!!
「へへっ、やっぱり剣があってこその剣だぜッッ!!」
振りかぶる龍牙の忍刀にもう片方の刃が交じる。騎士剣を装備した剣こそ、切り札騎士に相応しい出で立ちだ!
「面白ぇ……ズァァァああああ!!!!」
交じった刃を一旦離し、間合いを取って今度は龍牙が風の乗りに身を任せ遮二無二剣に斬りかかるが、それを剣はブレードで弾いてまた距離を離して上段でブレードを構える。その構えの時間は須臾 なもの、上から振りかぶるブレードの切っ先が速すぎて見えない程の隼斬りで龍牙に反撃する剣。
剣の攻めから守りまで見事な立ち回る構えはまるで西洋剣術さながら。一方の龍牙も装束の裏から剣以上に華奢で栄養失調かと見まごう細い体型を露わにし、獲物を意地でも喰らいつこうと荒れ狂うハイエナのような動きが垣間見えた。
刺して引き、引いては斬る。それを互いに繰り返す強者どもの殺陣。だが有限たる駆け引きの先に刃が力尽きたのは……
キィィィイイン!!
「しまった、《シノビブレード》が……」
龍牙の忍刀、先刻で発動させ酷使したのが仇になったか、剣のブレードに弾かれて使用回数を意味する『PP』が尽き、消滅してしまった。
「貰ったぁッッ!!!」
しかし剣のファイティングブレードは消えていない! 時間差の逆転劇、やられた分を倍にしてやり返すのが剣の性分だ!!
「舐めんなよゴルァアア!!」
龍牙、剣のブレードの間合いを大幅に後退って手札を1枚ドローした後、そのカードをそのままスキャン!
『ユニットカード、【爆炎の忍者】!!』
次に現れた第2の忍者は赤装束、燃え盛る炎の赤を身に纏う忍者は忍ぶ気は無いようだ!
◎――――――――――――――――――◎
<ユニットカード>
【爆炎の忍者】EG:③
AP:200 DP:100 AS:5
属性 赤 ユニット/シノビ/ヒューマン
効果:[シノビ変化]EG:②
①このユニットが攻撃で相手プレイヤー・
ユニットにダメージを与えたとき、
相手プレイヤーに300ダメージを与える。
◎――――――――――――――――――◎
先程の忍者がカード補充ならば、赤の忍者は『バーン』即ち効果ダメージで攻めるタイプ。そして効果テキストにある[シノビ変化]がかなり気になる所だが……?
「《爆炎の忍者》でブロック!!」
「へっ、忍者なんか俺の剣の敵じゃねぇや! 片付けてやらァ!!」
飛び出した忍者に有無を言わさず、ブレード横一文字でぶった斬ろうとする剣。しかし……
――ドロン!!
「ファッッ!!?」
突如目の前を遮る白い煙の煙幕。その煙が晴れて現れたのは……赤、ではなく黄色の忍者!!
「アンタ……誰??」
「これぞ忍者ユニットが最も得意とする忍法能力、[シノビ変化]の効果だ!!
この能力を持つユニットが敵の攻撃や効果の対象になった時、シノビ変化のコストを支払って発動できる。その対象ユニットを自分の手札に戻して、代わりに手札の[シノビ変化]を持つユニットと入れ替えて場に出す事が出来んのよ!!」
「つまり、対象強制変更効果……!!」
これはカードゲームの間では玄人な戦法になるが、相手のカードでユニットを1体のみを対象にする効果を逃げたい時や、相手の攻撃の囮に使いたい時にこの[シノビ変化]が役に立つ。
タイミングを完璧に見計らえば、ユニットの蓄積したダメージのリセットや手札の入れ替えでフェイクにも使える。実に忍者らしい狡猾な効果なのだ! そしてその入れ替えた忍者は……
◎――――――――――――――――――◎
<ユニットカード>
【雷鳴の忍者】EG:③
AP:100 DP:300 AS:5
属性 黄 ユニット/シノビ/ヒューマン
効果:[シノビ変化]EG:②
①このユニットが攻撃で相手プレイヤー・
ユニットにダメージを与えたとき、
相手プレイヤーのデッキの上から3枚墓地に送る。
◎――――――――――――――――――◎
――ガキンッ!!
〔エース HP1000→900〕
僅かにDPがブレードに勝った《雷鳴の忍者》は攻撃を受けても場に留まった!
「その隙に剣を斬れ!!!」
龍牙の攻撃コマンドが《雷鳴の忍者》に下り、手持ちの小太刀で剣を斬る。
「うっ……」
〔エース HP900→800〕
ゲームとは言えども体内に一瞬の静電気が迸った感覚でダメージを受けた剣。更に良くない事は連鎖して続く。
「まだだ、《雷鳴の忍者》の攻撃ダメージが通った効果によって、お前のデッキの上のカード3枚を削ぎ落とすぜ……!」
アメイジングの精神力と言われるカードデッキが、雷鳴が轟くような忍者の効果により自動的にブレスの中のカードが3枚墓地に送られた。その中には……
「――――嘘ぉ!? 《サラ・チャンドレイユ》が落とされた!!!」
なんと強運転じて不運!! 剣の切り札カード《サラ・チャンドレイユ》がタイミング悪く墓地に送られた! これには剣も愕然。
(やっべぇ……認めたくねぇけど、完全に龍牙のペースにハマってんな俺……)
……剣には申し訳ないが押されているのは事実である。未だに龍牙のデッキの真髄を明らかにしていない以上、彼の方が圧倒的に優勢になっている。
それに浮かれているのか、恍惚に浸っているのか、のらりくらりと立ち尽くす彼の殺気は収まることを知らなかった……!
「さぁどうした……もっと俺を楽しませろや――!!」
剣よ、まだ君にこの猛攻を抗う力は残っているか? 次回までに逆転への未来は掴めるのか――!?
名残惜しいけれども、本日のゲームこれまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




