【GAME10-5】狂気の刃!!
――紫煙の格闘王・高橋豪樹のゲーム拳乱舞が繰り広げる中、ちょいと同行していた剣と服部のあんちゃんは他に置き去りにしていた部下の事が心配になり、また3階のビッグウェーブまで向かうこととなった。
せっかくの豪樹の晴れ舞台だというのに、ちょっと水差し状態で興が覚めたと言う人もいますがどうか御容赦。何しろ服部のあんちゃんにとって三人の子分ははみ出し者だが希少な仲間、そうとなっては剣も手を差し伸べない訳にはいかない。
「つーかお前の子分トリオ、この店が修羅場になってる事に気づいてんのかね?」
「あぁ!? 舐めんじゃねぇぞ俺様の可愛い子分はな………、お前の言う通り結構呑気なんだよアイツら。捕まってなきゃえぇけど」
なる程、ボスの服部に世話焼かれてるのも頷けますな。何はともあれ善は急げと非常階段で一気に駆け登る二人。3階や更に上の階まで既に『サザンクロス』と名乗る謎のプレイヤー達の手は迫っているかも分からない。
二つ三つと段を飛び越しながら階段を登り切った二人は、ビッグウェーブの入り口まで駆け寄ったが、時既に遅かった。
「あちゃー、遅かったか!」
「あぁぁ! 大丈夫かお前らァァァ!!」
「「「服部の兄貴〜〜!!!」」」
広いジム内外から周囲を埋め尽くすは黒ずくめのプレイヤー達、更に遠目を覗いて見るならば、既に彼らの手によって拘束させられ人質として囚われている伊火様子分トリオ。
しかしこんな修羅は剣とは違ってなれていない服部、威張り屋な性格から一転してかなり動転している。
「ま、待ってろ、今俺様が助けるからな!!」
と服部は右腕に付けたカードスキャンブレスを作動するが……
「おぉっと動くなよ!! 下手に動けばこの落ちこぼれ共の身の保証は出来ねぇぜ?」
したっぱ数名がナイフに拳銃と、カスタムツールカードの武器でトリオ達を脅す。丸腰かつブレスも装着しない無装備の者がアメイジングカードの攻撃を受けたならば、怪我だけじゃ済まない。
その計り知れない圧から腰を抜かす者も居れば、口説いてこの場を乗り切ろうとする女もいる。どっちにしても服部は人質を盾にされて思うように動けない。
「ぢくしょう……オイ剣、何かいい方法ねぇのか…………あれ、剣??」
緊迫した空気と動転で周りが見えてなかった服部、その横に既に剣の姿は無い。
服部も敵も何処行っちゃったかしらと見渡せば、服部の前にうっすら見えたカード発動のクリアウィンドウが。
◎――――――――――――――――――◎
<アクション・カード>
【ビハインド・ムーヴ】EG:②
属性:青
・効果:相手フィールドのユニット
またはプレイヤーの背後を瞬間する。
◎――――――――――――――――――◎
「『背後』……って、まさか!」
服部は直ぐにこの真相を知り、遠くに目を移すと……
「だ〜〜れだ?☆」
トリオに銃を突き出していたプレイヤーの目を手で隠され、聞こえてくるのは陽気な掛け声。敢えてその声に答えてみた。
「……反逆者?」
答えてみたは良いけども、そのアンサーはかなりマズかった。
「誰が反逆者や!! 俺はこのゲーム・ウォーリアーの主人公、桐山剣じゃボケェェェ!!!」
『アクションカード、【フレイムタワー】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<アクション・カード>
【フレイムタワー】EG:④
属性:赤
・効果:自分の周囲に赤属性
500ダメージの火柱を出す。
◎――――――――――――――――――◎
お粗末な答えに頭にきた剣、怒りのカードスキャンで炎渦巻く火柱を剣の周囲に燃え上がらせ、人質を囲んだプレイヤー集団を巻き込んだ!
「「「ギャァァチャアアアアア!!!!」」」
〔サザンクロスしたっぱ×3 HP0 KNOCKOUT!!〕
《フレイムタワー》によって敵を倒し戦闘不能になってその衝撃で倒れた所で、剣は囚われの部下をそのまま引っ張り出して、服部の元へ地べたに投げ出した。
――ドサッ!
「ホイ、あんちゃんの仲間助けてやったぜ!」
「助けたんならもーちょい丁寧に扱えアホ」
トリオを纏めて縛った縄を解いた服部、ようやく自由になれた子分トリオA太・B次郎・C奈は順に服部の元で泣きながら無事を伝えていく。
「怖かったっすわ服部の兄貴〜!!」
「うむ、某も小便チビる所だったである……」
「あたいなんてアイツらにアソココネくり回さ」
「「お前は黙れ」」
さり気なくボーダーラインぶち破ろうとした愚か者が混ざったような、とにかくは皆無事で何よりだ。
そして同胞を危険に晒したプレイヤーに怒りに震えるは、服部のあんちゃん。
「おぬぅぉれェェェ……よくも俺様の子分ををを!! 伊火様の名において、俺様が処刑してくれるわァァァアア!!!」
「おぉっ、こりゃあんちゃんの本領発揮ってか!?」
服部はブレスを作動して手札を展開、威嚇にも似た獰猛な構えで、残り20名ほどのプレイヤーに勝負を仕掛ける。横の剣も闘志に燃える服部に興味津々。
「ハッ! 貴様ら二人ぽっちの反逆者に恐れを為すものか!! 野郎共かかれーーー!!!」
一人のプレイヤーが発破を掛ければ、同胞の群れがオーーッと勝どきを上げて一斉に襲い来る。戦の始まりには相応しいが、室内故に音が反響して喧しさ数倍。
(……へっ、こんなもん屁でもねぇが服部のあんちゃんが躍起になってるんや。俺はフォローに回らせてやるぜ)
服部は前衛、剣は後衛とダブルス戦法で両者は敵目掛けてカードを構える。互いのプレイヤーが混じり合った時こそカードを抜く時、今か今かと焦らしがらもタイミングを見計らおうとした…………その時!!!
「――ギャーギャーギャーギャー、喧しいんだよテメェら。殺すぞ?」
(――――!?!?)
騒がしい戦場に響いたドス黒い一声。その声を剣のみが耳にした時、血も凍り全身に動悸が収まらなくなるような、威嚇に怯えた鹿のような状態に陥った。
――とてつもない殺気が、剣の魂に危険を予知させた。
しかし他のプレイヤーは戦いで興奮さながら、己の脚とカードの発動エフェクトのみの音以外に聞く耳を持たない。そんな修羅のフィールドに、一寸の風を切るような音が……
――――ヒュッ
「!!!!!!」
剣は目の前で起こった一瞬、刹那、いやそれ以上にも満たぬ0.001秒の瞬間を凝視してしまった途端、この上なく驚愕した。
サザンクロスのプレイヤー全員の首が、真っ二つ切断されたかと思いきや、VRのノイズの影響と託つけたかのようにその首がまた元通りに戻った。
音をも寄せない斬技、果たして首を斬ったというのは真実か幻か、それとも…………
「「「「ギャャャャァァァァァアアアアアアア!!!!!!!!」」」」
突如戦いの焔に照らされ鼓舞の限り叫んでいたプレイヤー達が一転して、一寸先に地獄へ誘うような苦痛この上ない絶叫へと変わった。
だがしかし、その叫びからして本当に死を迎えるんじゃないかという程に、渇き悶苦しんでいるこの様。例えるなら歯や全身の神経を刃で突き出され、抉られるような激烈な苦痛を味わっているようだ。
こんな事なら首を斬られて安らかに逝ったほうがマシかもしれない……(震)
――――シュッ!
「――!!」
すると剣の前で苦しむプレイヤーの前に、黒ずくめよりも更に真っ黒な姿のプレイヤーが音もなく姿を表した。
その真っ黒いプレイヤーの左手に持つのは普通の刀よりも小柄で鋭利な刃が際立つ【忍者刀】、それに相まってそれを持つプレイヤーの出で立ちは、影の如く忍び始末する忍者の姿にも似ていた。
「……どうした……小物の大口はその程度で終わりか――!??」
――ザクッ!! ドカッ、バキッ!!!
「グギャァァアアアァァ…………」
忍者プレイヤーはその忍者刀を、起き上がろうとしたプレイヤーの腹部に突き刺し、ダメ押しをかけるように足で全力で何度も何度もプレイヤーの身体を踏み潰しに掛かり、踏みつけたまま膝でふんぞり返る。
勿論これはゲームどころかモラルにも欠如した横暴なやり方。だがそれすらもかなぐり捨てたその行動は、明らかに殺意を込めたものであった――!!
「これは楽しいゲームなんだぜ? ――もっと俺を殺させろォォォォォッッ!!!!!」
「オイ止めろお前ッッ!!!!」
忍者プレイヤーの殺意、その圧巻の迫力に萎縮していた剣がようやく腹の底から声を出し、彼を止める。
その声に忍者プレイヤーの動きは止まり、殺意の矛先を今度は剣に向けてギロリと鋭い眼光を放つ。
「…………!!!」
すると今度は剣、彼の目線が合った瞬間に剣の深い記憶の中から物凄い量で溢れるような感覚に苛まれた。忌まわしき記憶が湧き出るかのように……
「お……お前、まさか……?! り、龍牙!!!?」
剣の問いにYESもNOもなく、『龍牙』と呼ばれた忍者プレイヤーはただ笑みを浮かべるだけ。これは一体どういう事なのか!?
突如現れた影にも見まごう黒のプレイヤーを、剣は何故認知していたのか!?
それは、桐山剣自身の過去が全てを知っていた―――!!!
本日は【GAME10/漆黒のゲーム戦士・乱戦】で読み終わり。ゲームはまだまだ続きます……!!
▶▶▶ SEE YOU NEXT GAME...!!▽
▶▶▶▶▶ NEXT GAME WARRIORS▽
――その男、【忍野龍牙】!!
己の本能的欲求、エクスタシーを満たすためにゲームの名において殺気で戦う黒のゲーム戦士!!
彼と剣の関係は? 今桐山剣に大いなる試練の壁が立ち塞ぐ!!
この世界観に『気に入った!』『あのげーむやらないの!?』『こんなゲーム・ゲーム戦士を考えたんだけど本編でやって!!』等など、読者の皆様の魂が揺れ動いたらば、
是非とも下の「ブックマーク追加」や「☆評価」、感想等を何卒お願い致します!!




