【GAME10-3】プレイヤー100人討伐中!!
――TIPS――
現実世界の施設の中には、大阪市梅田の『ギャラクシー』のように施設全体を『アメイジング』のVRフィールドに展開させるシステムが導入されているケースもある。
現在他のゲーム施設においで、ゲームワールドに勝るゲームシステムを開発中とのこと。科学の力ってすげーー!!
――プレイヤー達の理想郷『ギャラクシー』に突如鳴り響いたエマージェンシーコール。
それは血気盛んに襲撃してきたプレイヤー達を警告するための避難勧告でもあり、戦う者にとってはゲームへの狼煙を意味していた。
「豪樹さん! 何なんすか今のアナウンス!?」
その店内のゲームジムにてトレーニングを敢行しようと思ったが、またしても厄介事に巻き込まれたのが、ご存知桐山剣。主人公は辛い。
「済まねぇな剣、ちょっと仲間のよしみといっちゃあれだがちょっと手伝って欲しいんやわ。今ギャラクシー全体で『アメイジング』のVRフィールドを貼って貰うたから、厄介者をやっつけてくれんか?」
「店内全体でアメイジング!? 何それ面白そう!!」
剣は豪樹の口車に乗せられて興味津々。ちょっと話が変な感じしないかなんて皆さん思ってらっしゃるかもしれませんが、至って真面目な話なので私からちょっと説明しましょう。
――実は最近ゲームワールド・現実世界両方でゲームに纏わる横暴かつ陰謀的な事件があちこちで起きているのです。
具体的に言うなら『チーター』とか『ハッカー』みたいにサイバー攻撃、或いはこのゲームパークの営業妨害をしたりと、何やら低俗な事ばっかだと思うのだが、ゲーム主流のこの時代では大変な損害を被っているのだ。
そこで関西一のゲームパーク『ギャラクシー』もこれに対抗すべく、緊急事態シフトとしてアメイジングのVRフィールドを全展開し悪意あるプレイヤーを懲らしめようと考えたのが【討伐コード・アステロイド】という訳だ!
目には目を、プレイヤーにはプレイヤーを。その対策用予算額は……公表不可だそうです。
「こいつァいいや! 丁度アメイジングのデッキ持っといて良かった〜☆」
「せやろなと思った! ま、コイツも何かのトレーニングやと思うて付き合ってくれや」
テロかもしれないのに何を呑気な事をと思おうとしたが、良く考えれば剣は何度も危ない目にあっては潜り抜けた強者。豪運と言えばそれまでだが、その腕を見込んで仲間の豪樹はちょっとした口八丁で手助けを促したのだ。見かけによらず豪樹も策士である。
「……あ、豪樹さん。服部のあんちゃんらどうします?」
「そいつも起こして力貸してくれぃ。仲間の手数は多いほうがエエやろ」
「それもそうすね! ――ほら起きろあんちゃん!!」
「ぐもぉッ!!」
さっきのケツドロップで伸びていた服部らを足蹴で起こす剣。不良とはいえちょっと乱暴すぎやしませんかねぇ……
▶▶▶ NEXT▽
緊急アナウンスが流れて三分も満たない頃。
既に店内は完全封鎖を終えて、見知らぬ黒ずくめのプレイヤー達によって占領状態。しかし全身真っ黒なプレイヤー連中なんて、何か特撮の戦闘員みたいですねぇ。作品違うけど同じ作者のトク転のヒロミちゃん呼ぼうかしら?
「あたしは投稿休んでる間もあっちで戦ってるんでお暇なんてありませ〜ん!!」
ダメ元で呼んでみましたが彼女が元気そうで何より。
……そんな事は置いといて。
豪樹に剣に服部まで引き連れて、向かったのは2階の最先端ゲームコーナー。
筐体から乱れ飛ぶLEDのレーザービームが暗がりの室内に眩く光を照らす。そんなネオンな空間に照らされているのは、例の悪意あるプレイヤー達だ。
「……アイツら何してんねや?」
「筐体の中のCPUを引っ張りだそうとしてるみたいやな」
そんな事をゲーセンでやろうものなら出禁間違いなしだろう。この如何にも辛気臭くも胡散臭いやり方は、テロリストというよりも危ない宗教のような雰囲気を醸し出すプレイヤー達。非常に不気味だ。
「オイオイオイオイ、テメェら俺様達を連れ出して何やらそうってんだよアァン!!?」
隠密に隠れているのに空気を読まないバカ……じゃなくて服部。これに慌てて二人は慌ててシーッと声をうるささに警戒した。
「声がデカイんだよあんちゃんは!」
「おんどりゃ俺様らはお前だけを倒しに来たんやぞ、厄介事片付けに来たんとちゃうわ!」
「あっそ、じゃ勝手にアイツらに捕まってればー?」
「助けを求めてもワイら知らんで〜」
わざと見捨てるようにあしらう剣と豪樹。そこで否応無しに反応するのは反抗期の子供と服部くらいか。
「……お、オイ、ちょっと待った! 仕方ねぇから俺様も加勢するぜ。ここでやられて剣と戦えなくなるのはゴメンやからな」
「ったく、この単細胞が……」
扱いづらいキャラに剣は渋い顔。ただそのやり取りをしていて敵もただ突っ立ってる訳じゃなし、それを証拠に……後ろ後ろ!!
「何してんだテメェら!!」
「「「…………ヤバ」」」
剣達の気配に感づいたプレイヤーが後ろからアメイジングカードの武器で攻撃しようとしたが、その瞬時に回避。三人は各々カードデッキをブレスを装填・起動してカードを引く。
「……オイオイ、こんな大事な時に武器が引けねぇじゃねぇか!!」
珍しい事に極運の剣が初手から不作状態。しかし先程も言ったように、仲間は手数が多いほうが良い。
「心配あらへんで剣! 豪樹様のとっておきの拳がある!!」
と先手を打ったのは豪樹、カードスキャンの発動エフェクトが格闘王のゴングとなりて鳴り響いた!!
『カスタム・ツールカード、【ニードルクロー】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<カスタム・ツールカード>
【ニードルクロー】EG:②
AP(攻撃力):50 PP(使用回数):20
属性:無 装備:プレイヤー
≪必殺技≫
『ストレートフィスト』EG:① AP:100
・手前の相手に渾身の正拳パンチ。
『スカイアッパー』EG:③ AP:200
・天高く舞い上がりアッパーショット。
空を飛ぶ相手にも有効。
◎――――――――――――――――――◎
「反逆者か、ならばゲームの名において消えろ!!」
豪樹達を『反逆者』と見立ててカスタムツールのナイフを抜き出し、飛びかかるが豪樹にとっては赤子同然、弱腰の刃物を脇で固めて倍返しのカウンター!
「ファーストアタックは貰ったぁ! 必殺技コマンド『ストレートフィスト』ッッ!!」
――SMAAAAAAASH!!!!
《ニードルクロー》を装備したトゲトゲの正拳が腹部に直撃し、その反動で遠方の筐体目掛けて大クラッシュ! 敵をも飛び出す豪樹の正拳突きにゃジャッ◯ー・チェンをも拍手で称える!!
〔CRITICAL HIT! サザンクロスしたっぱ HP0 KNOCKOUT!!〕
(ん、サザンクロス……?)
豪樹は目の前に出たウィンドウを眺めそのプレイヤーの正体を初めて明らかにされた時、その名前に既視感を抱き始めた。だが、ぼーっとしてる暇はない!!
「貴様ァ!! 我々の邪魔をする気かァァァ!!!」
今の騒ぎで完全にターゲットを絞られた『サザンクロス』と名乗るプレイヤー集団一同。ワーッと勢い任せに群れてこっちに迫ってくる!
「豪樹さん!!」
「……へっ、初めから一人じゃ敵わんから群れで黙らせようってか? えぇで!! この豪樹様が纏めて相手になってやらぁな!! 泣いて後悔すんなよ!!!」
豪樹はどっしりと腰を深く下げて上腕を前に立てて構える。
さてここからが今回のメインイベント、ゲームを極めし者が集う道場『天翔道』にて培った【天翔道流・ゲーム拳】の大盤振る舞い。
この高橋豪樹が、その真髄を我々に魅せるときが来た!!
……と思ったら、丁度時間になっちゃった!! なのでこの続きは次回のお楽しみに。本日のゲーム、ここまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




