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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
2ndSTAGE―リアル&VR・2つの世界に揺らぐ魂!!―
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【GAME9-4】スタートダッシュにサファイアの流星輝く!!

――TIPS――

『アメイジング・アクセルバトルモード』等で使われる【ライディングマシンカード】と呼ばれるマシンにはタイプが存在する。


カードでは表記されていないが、耐久力は低いが能力がパワーに長けている『パワータイプ』、耐久力・防御に長けた『ガードタイプ』、両方が安定した『バランスタイプ』とで分かれている。


果たして、槍一郎のマシンはどんなのかな……?

 

 ――憂さの溜まりに溜まった暴走族の宣戦に乗っかる事になった槍一郎。

 どうせ決闘するならと、槍一郎がアメイジングカードで取り出したるはサファイアカラーのフルカウルバイク。


 これに乗ってカードバトル『アメイジング』を挑もうというスピード狂の為のアメイジングルール【アクセルバトルモード】に挑もうと、戦を前に各々は『ライジングドラゴン』のピットガレージに入って互いに可愛い相棒のマシンとデッキをセッティングする。


 ……えーっと槍一郎のマシンの名前何だったけな。『サファイア()()()()』、いや違うな『サファイ()()()()()()()』――


「『サファイアストリーム』。勝手に僕の愛車をアイスにするんじゃない」

 そうそう、そうでした! 危うく冷やして食べようとする所だった、ナメたらアカンってね!! …………あれ、寒かった?


「あの語りバカはほっとこ。それよりも槍一郎先輩ズルいじゃないすか、俺や剣さん達に知らせずにこんな良いバイクカード持っちゃって」


 恐れ多くもこの私をバカ呼ばわりするクソ生意気倭刀は、このアメイジング決闘のナビゲートとして槍一郎をただ一人フォローする役に買って出た。

 レースで例えるならピット作業や戦略立案を担う『クルーチーフ』って所ですな。


「他にバイクを使う場所も無いからね、このサイバーターボシティくらいしか出せないから。言ってもこのマシンは今日で初慣らしなんだ」

「何処で手に入れたんすか?」

「手に入れたというか、貰ったんだよ数日前に。()W()G()C()のコネって言うのかな」


 またもや槍一郎の口から出た意味深なワード。ゲームワールドの管理機関WGCの元役員のコネという事は、槍一郎がオフィシャルプレイヤーだった頃の縁がこのカッチョイイマシンの獲得に繋げたという訳か。


「一年前にWGCの改革で殆どの役員がクビや左遷されたって聞いたことありやすけど……良くその知り合いからこんなレアカードを貰えたもんですね」

「たとえ辞めても人との付き合いは大事にしないと、勿論お前や剣達も当然。さてこのバイクはどんな効果かな」


 槍一郎は淡々とプレイギアでマシン『サファイアストリーム』のカード効果を調べた。


 ◎――――――――――――――――――◎

 <ライディングマシン・カード>

【サファイアストリーム】

 属性:青 HP:1200 MAXEG:12


 ・〔マシンスペル〕※ツールカードと同じタイミングでサポートする効果

 〈EG:③〉自分はデッキから1枚ドローする。

 〈EG:⑥〉フィールドのユニット・カスタムツールカードのAPを500アップする。

 〈EG:⑨〉相手のフィールドのカードを1枚破壊する。

 ◎――――――――――――――――――◎


 ライディングマシン・カードの個性は予め3つ用意されていた『マシンスペル』の効果によって多種多様。槍一郎のサファイアストリームはカード補充から強化、除去と安定した『バランスタイプ』となっていた。


「……ありゃ、なんかマシンカードにもHPとEGが書かれてるっすね」


「アクセルバトルモードじゃこのマシンのステータスで戦うんだ。それだけじゃなく普段使ってるデッキのカードも一部このルール用に変わってたりもする。だからそれに合わせたデッキ編成もしなくちゃね」


 と懐に出したるは50枚のカードデッキ。それを扇子のように広げて見るや、そのデッキをマシンのフロントバンパーの内部、スピードメーターとタップ画面と思わしきCPUの内蔵部分に50枚のデッキカートリッジとプレイギアをセットする。


 すると自動的にバンパーの上の画面からデッキ編成等を促すコマンドがポップアップで透過表示された。謂わばデッキはマシンのキー代わりだ。


「なるほど、このマシンのタップ画面でタッチしながら手札とコマンドを操作するのか……余所見は出来ないね」

「スゲェハイテク!」


 最先端がプレイヤー達の好奇心を駆り立てるのならば、倭刀もそれに従い自分もそのルールでやりたくなり、念を押して槍一郎に尋ねてみた。


「……なぁ先輩、一人相手じゃ厳しくないすかね? 相手は暴走族で何十人攻めてくるか分からんってゆーし……何だったら俺も加勢に加わって……」

「加勢って言ったってお前ライディングマシンカード持ってないんだろう? あの程度で厳しいって感じたら僕の()が廃るよ。僕は大丈夫だから、倭刀はここで無線でコース状況とかをサポートしてくれ」


「……へーい」


 残念無念、戦力外通告で空返事の倭刀。同時に『俺もいつかはライディングマシンカードを手に入れてやる!!』とギラギラ野望が満ち溢れた。


 しかし、今は槍一郎の活躍が先。マシンとデッキの調整を終えて再び彼の頭にフルフェイスヘルメットが被られる。その仮面の裏に隠された槍一郎の情熱の火種を灯して、向かうは神龍名高き『ライジングドラゴン』コース。満を持して出陣の時来る――!!


「神速のランサー、4年前の忌まわしき記憶如きで僕の魂の刃を曇らせてなるものか。もう一度駆け抜けるために、尋常に勝負――!!!」



 ▶▶▶ NEXT▽


 ――ライジングドラゴンのスタート地点。果てしなきアクセルバトルの起点と言うべきラインの前に斜線のように立ち並ぶマシンの群れ。


 土の如き茶色と斑で彩られた装束のスーツとマシンで彩られた暴走族『NARASI(ナラシ)』のボス・ジオとその下っ端連中約十数名。その群れの最後尾には、サファイアカラーのクールなライダー天野槍一郎。

 レースと紅白の主役には、最後の()()がよく似合う。


(いいな、スタートダッシュが肝心だ。そこでバッチリ決まれば俺らの勝利も決まったもんだ。最後尾のゲイル目掛け『作戦コードD1』、抜かるなよ……!!)

((了解――!))


 何やら『NARASI』仲間内の無線で悪巧みのやり取り。当然槍一郎やピットの倭刀には聞こえないが、それを突破する策はあるのかそこも踏まえて期待しておこう。


ACCEL(アクセル)BATTLE(バトル)READY(レディ)!?』


 突然静かなコースに鳴り響くスタート直前のアナウンス、その声聞いて雪崩を打つようにマシンのエンジンが一斉に噴き出し、今か今かとスタートシグナルの青ランプを待つ。


『3,2,1……』


 ――ヴォォオオォ……


 スタート前ツーカウントでアクセルを蒸す音がちらほら。マリオカー◯ではこのタイミングがスタートダッシュの成功に繋がるが、アメイジングはどうか物は試しとやってみるレーサープレイヤー。ちゃっかり槍一郎もやってやんの。

 そしてシグナルのレッドランプから瞬時に光はブルーに変わった時――!!


『――――START(スタート)!!!』



 ――ギュィイイ、ブォォォオオオオオオ!!!!



 青は進め、と暗黙の了解も然ることながら飛び出す12台のレースマシン。

 何と試しにやってみたスタートダッシュに成功したマシンが数台、その中にジオも含む中群を抜いたのは……


「よっしゃ! 先輩がトップや!!」


 流石神速のランサー、暴走族もなんのそのでサファイアの流星一番乗り!

 それを良しとしないのは……もうお分かりでしょう?


「やっぱりしゃしゃり出たかゲイルめ!! 野郎共、作戦コードD1実行だ!!!」

「「ラジャーボス!! マシンスペル発動!!!」」


『『マシンスペル・【スモークボム】ACTIVATE(発動)!!』』


 すると槍一郎のマシンの後方に位置する暴走族下っ端二名がマシンスペルを同時発動したかと思いきや、ナナハン型にしてマシンの後方エンジンノズルが前へと変形し、そのノズルから黒い玉が槍一郎目掛けて放出された。


 ――ボンッ!!


「ッッ!?」


 槍一郎の視界を遮る漆黒の煙、『スモークボム』とは即ち()()、これで盲目状態にして混乱させようとは姑息な手を使うもんだ!


「今だ、眩んでるうちに突っ込めェェェ!!!」


 ボスの掛け声に意気揚々とエンジンとお決まりのクラクションを喧しく騒いで突き進もうとした……その時!!



 ――――カッ……!!



「「「!?!?」」」


 暗がりの黒い煙を巻かれた槍一郎のマシンからサファイアブルーの輝かしい光が迸る!! 我々はスタートダッシュに巻き起こした蒼玉の底力を見るか…………と、丁度時間となりました。


 その詳細は次回まで漆黒の暗闇の中、それまでのお楽しみに。と言ったところで本日のゲーム、これまでッッ!!


 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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