【GAME9-3】頂上疾走!アメイジング・アクセルバトルモード!!
――TIPS――
アメイジングのカードの中にはなんと『ライディングマシンカード』という車やバイクをアメイジングで出現させるツールカードが存在する。
どうやって扱うかって? それは今回繰り広げるゲームの中で明らかになるぞ!! という事で早速読んで!!!
――人の心の弱さに漬け込んで、何度も脳裏にフラッシュバックされる【トラウマ】という名の心の未練。
天野槍一郎の心に蝕む四年前の忌まわしき記憶。それが彼の魂を曇らせゲームへの情熱が燻られて焦る一方であった。
しかしそんな彼の葛藤・焦燥を無下にして、サイバーターボシティのピット施設に我が物顔でしゃしゃり出てくる空気の読めない奴は、だ〜れだ〜〜!?
「俺だよ!! 泣く子も黙るサイバーターボシティのレース暴走族『NARASI』の総番長、ジオ様だ!!!」
いや、俺だよ!!って言われても……読者の皆様には何のこっちゃな話。……あ、ちょっとお待ちを。ちょっとだけ情報がありましたよ!
このパンクロックでヒャッハーなモヒカンノースリーブの世紀末アバターのジオ。実は彼は一回だけオールスターズの桐山剣と戦ったことがあります。
というのも一年前の同じくこのエリアにてレースバトルを行ったのだが、剣の切り札戦法に敢え無く破れた。※前作『極限遊戯戦記』第7話参照
「俺はあのバトルに破れたお陰で『オフィシャルプレイヤー』とかいう役人風情に免停、いやプレイヤー停止に略してプレ停になった! あれから一年間マシンをぶっ飛ばせない憂さをお前から晴らさせてくれるわ!!」
これぞまさしく八つ当たりというヤツですな。
因みに『オフィシャルプレイヤー』とは、ゲームワールドを管理している機関WGCがプレイヤー達の腕を買って採用した公式の推薦プレイヤーの事。
この称号を与えられたプレイヤーはゲームワールドの治安を守る警備員のように、阿漕な事を企むプレイヤー達の懲罰・注意を換気してこの世界の治安を守る役割を果たす。一年前までは天野槍一郎もそのオフィシャルプレイヤーの一員だったのだが……
「リニューアルオープンしてからはあのうるさいオフィシャルプレイヤーの様子も無いみたいだし、思う存分暴れられるぜ〜! 去年俺を追放させた優男オフィシャルも居なさそうだしな〜〜!!」
「くっ……」
ジオの嫌味な煽りに槍一郎は苦虫を噛む。それもそうだ、彼の傍若無人な行動を見かねて追放処分にさせたのは槍一郎だったからである。
しかし、今の槍一郎はオフィシャルプレイヤーではない。何故なら一年前のゲームワールドの大改革による閉鎖によって、彼を含めたオフィシャルプレイヤー全員が解雇されたからだ。
何故の解雇か何という無慈悲なリストラ宣言か、実際ゲームワールドは以前より遥かにセキュリティが強化されている以上オフィシャルの存在が希薄なものとなっている為、過去の栄光も形無し。
「……残念だけど、今日の僕は虫の居所が悪いんだ。それに君らの八つ当たりに付き合うほど暇じゃない。他を当たってくれ」
オフィシャルプレイヤーの肩書きを卑下された怒りをグッと堪えてクールにあしらう槍一郎。しかし短気な奴ほどそんな態度が癪に触る性分、残念ながらジオもその部類。
「テメェ誰に口を聞いてんだ誰に…………ッ!! ……お前、まさかこのエリアのタイムランキングを総ざらいしている【ゲイル】か!!?」
頭に血を登らせるジオは槍一郎の胸ぐらを掴んだ途端に、彼のハンドルネームである『ゲイル』である事を感付き一瞬後退る。
「そーゆー事! 俺の先輩の事を知ってただけでも利口だって褒めたる。でもこの通り先輩は思い悩んでイライラしてんねん、倍返しされんうちにさっさと帰りや!! シッシッ」
止せば良いのに二人の間に割って入ってジオを振払おうとするのは後輩の倭刀。やはりと言うべきかこの行動がちょっとばかり不味かった。
「……何だ、天下のスピード王が悩み中って事はスランプかぁ!? こりゃ傑作だぁ!! だったらこのまま退くわけにもいかねぇ、俺からゲイルにレースを申し込んでやる!! そのまま俺がスピード王に返り咲きだ!!!」
ほら言わんこっちゃない、倭刀が余計な事を言うからジオが宣戦を掛けてきたよ!!
「オイいい加減にせぇや!! 先輩が構ってる暇ねぇって言ってただろ突っ込んでくんなボケ!!」
「うるせぇお前関係ねぇだろ黙ってろ!!!」
「ンだとモヒカンゴルァ――」
「待て」
倭刀とジオ、ヤンキー同士がメンチキリキリメンチカツ状態に怒りを抑えたのは槍一郎だ。
「いちいち喧嘩をふっかけるな倭刀。それに君が狙ってるのは僕なんだろう? ならば否応なしに僕はそのバトルを受ければ済む話だ」
「……ほう、それじゃ俺とお前のタイマンで『ライジングドラゴン』走破を――」
「いや、それじゃ温い」
「何、だと――?」
おおっと、槍一郎がゲームの交渉に倍プッシュを掛けようとしている。これは厄介事にしてはデカいゲームへの予感が……!
「……僕にもプライドってのがあるんだ。サイバーターボシティのスピード王と語られている以上、僕からの挑戦には決闘で受けてもらう。
つまり『アメイジング』、それも【アメイジング・アクセルバトルモード】で!!!!」
「【アクセルバトルモード】……!!」
通常のバトルから『レイド』『ダンジョン』と様々なモードで展開されるカードゲーム・アメイジング!
それに続く新たなモード、『アクセルバトルモード』とは俗にマシンやバイクに乗って戦うライドレース・カードバトルだ!!!
――――――――PLAY GAME――――――――
☆アメイジング特殊ルールその③☆
【アメイジング・アクセルバトルモード―AMAZING ACCEL BATTLEMODE―】
・ジャンル:レースカードゲーム
・プレイヤーレベル:40
概要
ゲームワールドにおけるサイバーターボシティのようなレースコースやマシン専用の長距離地域にて展開するマシン乗用型決闘システム。
このモードで決闘する場合はアメイジングカードの【ライディングマシンカード】というツールカードを使用しなければならない。
★主なルール★
①コースのスタート地点にてレーススタートと同時にゲームが始まる。
②EGの蓄積は時間経過ではなくマシンのスピードによって時速10キロで①蓄積され、手札はスタート/ゴール地点を通過で1枚ドローが出来る。
③またコース内の床にプレイヤーの助けにもなる『スペシャルパネル』が複数設置され、内容はEG加速、手札補充、更にはカード獲得といったボーナスもあればトラップも存在する。
◇このゲームではマシンの耐久力がHPの代わりとなっていて、それらが0になった地点でゲーム終了。生き残ったプレイヤーが勝者となる。
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「……でもさ、お前肝心の『ライディングマシンカード』は持ってんのかよ?」
「心配無用、僕の愛車で相手をしてあげるよ!」
ジオの杞憂な心配を余所に、槍一郎はカードスキャンブレスで1枚のカードをスキャンさせる。そのカードこそ、話題沸騰・読者必見のライディングマシンカードだ!!
『ライディングマシンカード……【サファイアストリーム】!!』
そして槍一郎の手前に光を浴びて召喚されたのは、250ccのフルカウルバイク。スーパースポーツと呼ばれる前屈みなライポジとエッジィなフォルムが特徴のスピードに攻めたバイクは蒼く煌めくサファイアの色をモチーフにした槍一郎の愛車。
これを乗りながらアメイジングを繰り広げようとするんだから、プレイヤーの枠は無限に広がる、格好良すぎるぅ☆
「……随分マブいもん乗ってんじゃねぇか、ゲイルさんよ」
これには大層な皮肉を言うしか言い返せる言葉は見つからなかったジオ。恐れ入ったか!
「それと君も暴走族と名乗ってるのならそれなりの同胞もいる筈だ、彼らも全員呼んでから改めて相手をしてやる。僕の決闘、受けてみるかい……?」
「…………良いだろう、その強者ぶった余裕をへし折るためなら何人束でもお前にぶつけてやる。アクセルバトルモード、受けて立とうじゃねぇか!!!!」
何と何との急展開! ご立派なフルカウルバイクを引っさげて、槍一郎自らが挑戦を仕掛けるというのだからこんな美味しい展開無し!
迅速のスピードを武器にして戦う槍一郎、そんな彼の魂の形の【槍】はこのゲームにどう答えるのでありましょうか!?
次回よりは丸々ゲームバトルをお約束しますと宣言した所で本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




