【GAME1-2】全員集合・シャッフルオールスターズ!!
――TIPS――
究極のゲーム世界『ゲームワールド・オンライン』へようこそ!
ここではこの前書きを使って、ゲームワールドのシステムを紹介していきます! 今後の展開を楽しく読んで頂く為に是非ともTIPSの情報を活用してください!!
――急ぎ足で槍一郎が向かったのはバザールの集会所エリア。ここではプレイヤー達がギルド申請やクエスト受注等でごった返している。
ハンドルネームや別の姿で一見しても誰が誰だか分からない筈だが、槍一郎は太陽の色をした橙色の武士衣を羽織ったアバターに話しかけた。
「やぁ倭刀! やっぱり侍姿のアバターだったか!! 刀のPASの波動で直ぐに分かったよ」
背後の槍一郎にギロッと鋭い目線を突き刺すアバター。しかし姿を見るや否やその表情は和らぎ、生意気口調に喋った。
「……そーゆー先輩こそ! さりげなく槍でカッコ付けたアバターして槍一郎先輩だって直ぐに分かりましたぜ?」
槍一郎も倭刀も、お互い魂の能力『PAS』を持つ者はその波動から能力を把握した為に本人の確認が出来た。ってな事で私が彼の事を説明しましょう。
この刀を腰に掲げた侍アバターが池谷 倭刀! 剣や槍一郎よりも1つ年下の同じ高校の後輩だ。アバターネームは【クサナギ】、ジョブは『サムライ』。
「それじゃ君のお姉ちゃんも……」
「一緒に来てますよ、槍一郎さん!」
優しい声で倭刀の横から話し掛けたのは、エルフ耳で亜麻色ロングヘアーに緑の眼。そして若草色の長いローブを着た魔導士姿の美少女。
「魔導杖のPASに魔導師のアバターか。実際に魔法使いの姿になると様になるもんだね、穂香ちゃん!」
「でもちょっと恥ずかしいです……」
自分のアバター姿に慣れないのか、赤面する少女も槍一郎達の仲間。大森 穂香である!
倭刀とは血縁は繋がっていないが、家族同然に慕っている心優しい高2のお姉さんだ。
そして剣達とは、とある事件を経て仲間になった大事な親友なのだ。詳しくは前作『極限遊戯戦記 ゲーム・ウォーリアー』を読んでみよう!
彼女のアバター名は【リーフ】、ジョブは『魔法使い』である。
「これであと四人か……」
「いや先輩、ニ人ですぜ」
「さっき向かいのレストランで、レミちゃんと豪樹さんらしきアバターを見かけましたわ」
「…………まさかな」
槍一郎は若干困った顔を浮かべながら、集会所向かい側のレストラン『アディウルの酒場』に向かう。と、入った側から……
「おっつぁん、もっと酒くれや!!! あとおつまみとワインとチェイサーシェイクで頼むぁ!!!!」
「ちょっと飲み過ぎですよ!! 誰かこの酔っぱらいどーにかしてヘールプ!!!」
「「「やっぱし…………」」」
大の大人の格闘家が昼間っから酒をむさぼり、その連れらしきアカデミーな学者服の黒髪ポニーテール少女が、制止しようとする姿に三人は呆れるばかり。しかしこんなのでも槍一郎達のれっきとした仲間なのだ。
格闘家が高橋 豪樹、現実ではトレーニングジムの経営をやっている25歳の心強い兄貴。
アバター名は【覇豪丸】でジョブ名は『モンク』。格闘ジョブなんだけど本来の意味は僧侶って意味なんですって、文句あっか? なんちゃって。
そして学者少女が畠田レミ、こちらも高2で槍一郎の幼なじみ。
勉強嫌いの典型的JKだが、顔に似合わずパズルや計算、謎解きが滅茶苦茶得意なブラックボックス思考の持ち主。アバター名は『レーミィ】、ジョブは『学者』だ。
「あ! 槍ちゃんに皆も、もう来てたんだ!!」
(やべー、学者が格闘家引きずってこっち向かってる……)
PASで通じ合う絆で仲間との感動の再会、の筈なのに妙にシュールな展開に槍一郎ら三人は白目を向かずにはいられなかった。
▶▶▶ NEXT▽
豪樹の酔いも引きずり降ろして覚めた頃、まぁ何はともあれこれで5人揃った。残る仲間は例の二人。
「遅いなぁ、肝心のリーダーが来てないんじゃ締まらないじゃねぇか」
なんて倭刀はぶつくさ言ってる間にも、店の外の街路に人溜まりが出来ていて何やらガヤガヤと騒がしいのに気づいた。
「なぁに? こんな場所で大騒ぎしちゃって! 喧嘩でもしてるのかしら」
もっと奥を覗いてみると白昼堂々とカードゲーム・アメイジングをやってるプレイヤー達が。それを見た槍一郎は嬉しそうに言った。
「……それはどうかな? 見てみなよあのギラギラとしたPASの波動を!」
アメイジングをプレイしている騎士の格好をしたプレイヤーが、右手に装着した大きなガントレットのような装甲具『カードスキャンブレス』にカードを装填する!
『ユニットカード、【サラ・チャンドレイユ】!!』
フィールドの地から現れたのは、烈火の如く赤い髪の戦姫、アメイジングカードによって呼び出された『ユニット』と呼ばれる配下を騎士は召喚した!!
「そのままプレイヤーにダイレクトアタック!!!」
ユニットが炎を噴き上げると、そのまま相手プレイヤーに直撃。相手にブザーにも似たエフェクト共に『HP:0』という3Dメッセージが表示された。
『プレイヤー・エース、WIN!!』
「ッッしゃああああ!!!!」
「やった~♪」
アナウンスコールによる勝利宣言に歓喜の雄叫びを放つ騎士に、それに駆け寄るプリンセス……もしかして!!
槍一郎ら5人は騎士とプリンセスの元へ駆け寄った。
「剣! みのりちゃん!!」
槍一郎の掛けた声に反応する二人。そして穂香も続けて二人に話しかけた。
「もしかして……貴方達は剣さんに、みのりちゃんですか?」
すると騎士プレイヤーの表情が徐々に輝き、笑顔で答えた。
「せやで! これでオールスターズ7人、全員揃ったな!!」
「皆また会えたね~☆」
そのアバターが桐山 剣と河合みのりと知った途端に槍一郎達は固い握手を交わすや、抱き合うやら、仲の良さを我々に見せつけてくれた。
――かくして、ゲームワールドの地に再び7人のゲーム戦士が集結した!
七色の輝きを持つゲームチーム『シャッフルオールスターズ』、今ここに決起の時来たる!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




