【GAME8-2】超巨大UFOキャッチャー捕物帳!!
――TIPS――
エリアとエリアの間に設置されている『草原』『平野』『荒地』等には時折目を凝らすとアメイジングカードやコイン、宝箱が落ちていることも!
ただしこれらの地形にはダンジョンと同じくして『魔物』も出現するため、探索する際はアメイジングデッキの編成は計画的に。
――いやー、ゲームワールドって色んな不思議な事が起こるんですね〜。
エリアの間に広がる大草原と遠くの森をを囲むように青く澄んだ湖、人呼んで『インカム湖』の畔を通りかかったみのり・レミ・穂香のシャッフルガールズ。
草原に湖と自然豊かな道程に何故か空に浮かび上がるは巨大UFO。ちょっと待て、ファンタジーな背景にSF打ち込むとは何事かと気になって湖の全貌を覗いて見るや更に3人は驚いた。
「何で湖にデッカイぬいぐるみやら玩具やら落ちてるのよ〜!!!」
これまたとんでも無い話!! 自然豊かな湖畔に浮かび上がるは巨人かガリバーが捨てたとしか思えない巨大な玩具達。不法投棄にしては度が過ぎる、インカム湖の風情もガタ落ち。
それらのインパクトも凄かったが、第一に気になったのは巨大UFO。『近くば寄って目にも見よ』と申しますが、三人がUFOに近づいてみるとそれは本物ではなかった。
UFOのようでUFOでない、クレーン車のようでクレーン車でない!
――それは何かと訪ねたら♫ あ、UFOキャッチャー、UFOキャッチャーのクレーンアーム付きクレーン車なのよ!!
「なに『豊竹屋』みたいな事やってるんですか!!」
おっと失礼、最近この小説に作者が落語やら講談やら持ち掛けたりするもんだから感化しちゃってしょうがないよ全く……
「近未来の設定の癖に時々和に走るから世界観が分からなくなるわ……」
いやいやホントに。と、私語りとシャッフルガールズが作者に愚痴を溢した所で閑話休題。
「――おーい、そこに誰かいるんかー? もし暇だったらこっち来て手伝ってくれんかーー!?」
「え!? はーい今そちらに向かいまーす!!」
「ちょっ、みのりちゃん!!」
と遠くから呼び止める一人の男の声を聞き、真っ先に反応したのはみのり。それにつられて他の二人も湖の周囲に盛り上がった坂を急いで駆け下りて男の元へ。近くで見ると良く田舎で見かける農家のおじさんのようですな。
「あやー、あんたら三人とも女の子でないか! こりゃ手伝うにはちょいと酷かな……?」
「ムッ、自分で呼び止めといて、女の子で何が悪いのおじちゃん!」
「まぁまぁ……」
ちょっとした失言で男女平等に意義を求めるレミとそれをなだめる穂香。それとは別に困ってる人をほっとけないみのりは男に問う。
「あの、手伝うってこの湖の事ですか? それに貴方は……?」
「あぁ挨拶が遅れたわ。うちはこのインカム湖を管理しとる『キム』て言うだ。手伝って欲しいのは他でも無い、あの湖に浮かぶデッカイ玩具を片付けて欲しいんだわ。――このUFOクレーンでな!」
なるほどそれであのUFOキャッチャーをセットしといたと! 何処にでもいそうな畑のおじちゃんの割にはハイカラ……いや、ハイテクな機械をお持ちで。
そんな時にみのり達三人の前に現れたウィンドウ画面。
「これは……【GWクエスト】の依頼ウィンドウですよ!」
「クエスト!? あたし初めて見たわ!!」
以前穂香は倭刀と豪樹とで経験したGWクエスト、全く知らなかったレミで各々のリアクションが伺える。
□――――――――――――――――――□
GWクエスト レベル25
『UFOキャッチャーで湖をお掃除!!』
依頼人:インタラクティブ草原
『インカム湖』管理人・キム
報酬:『調合の壺』
・調合初心者の為のお手軽レシピ
内容:ゲームワールド一きれーなインカム湖が空から降ってきた玩具で台無しだ! 誰かうちのUFOクレーンで1個ずつ片付けてくんろー!!
□――――――――――――――――――□
何を隠そうキムさんは前回穂香が踏破したダンジョンのクエスト依頼人、イワンさんと同じNPC。ゲームワールドの居住民なのである。
「どうかな? うちの依頼、引き受けてくれるか?」
「分かりました、手伝います!!」
「……え、えぇ!?」
何とみのりが即答で依頼を引き受けた。イエスと答えた時点でみのり達三人のプレイギアから一通の着信が入った。
◎――――――――――――――――――◎
・GWクエスト『UFOキャッチャーで湖をお掃除!!』
の依頼を受諾しました!!
◎――――――――――――――――――◎
「ちょ、ちょっとみのりちゃん!! 安請け合いしちゃって大丈夫!?」
「だって困ってる人はほっとけないもん!! NPCでも助け合わないと!!」
「……ふふっ、みのりちゃんらしいですね!」
まぁよく考えれば次のエリアに行く前に寄り道してもオーブは減らないし新エリアは逃げない。クエストの報酬とかに目先を変えず、純粋な人助けとしてみのりは2人を巻き込んで躊躇いなく依頼に承諾したのだった。
▶▶▶ NEXT▽
――とは言ったものの、動かすUFOキャッチャーは巨大クレーン車に三つ鉤型のUFOアームを取り付けたもの。
クレーン車に乗り込んでみるとUFOキャッチャーでお馴染みの操作レバースティックにアームを降ろすためのボタン一つのみ。シンプルイズベスト。一瞬マニュアル技術でクレーン車を動かせなんて思ったがそれも杞憂に終わった。
「ここは私がやります。クレーンゲームはそこそこ慣らしてますし、何より先にやってアームの力加減を知って攻略を立てましょう」
「分かった。頑張ってね穂香ちゃん!」
先陣を切るは巨乳お姉ちゃんの穂香。クレーン車に乗り込むや否やキリッと真剣な目線に切り替わる。
我々にとっては彼女の勇ましい勇姿を見るべきか、或いはデッカイおっぱいに集中すべきかは読者の皆様のイメージにお任せするとしましょう。
(また私をエロいキャラにしようとして……)
そんな風評被害にも負けず、穂香はレバーを左手にかけて最初のターゲットを絞ろうとしたその時だった。
玩具などが散らばる様に紛れるように一個の珠が穂香の目線に入った。
「!!? あれはまさか……オーブ!!!?」
気のせいか? いや確かにオーブの形だ! そう頭の中に暗示をかけるかの様に思わぬ形でオーブのような透明な珠を見つけた穂香の動揺が収まらなかったが……
――三人はまだ知る由がない。
この散在した景品の中に、とんでもない騒動を起こすアイテムが眠っていることを!! 本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




