【GAME7−6】切り札騎士・大乱舞!!
――TIPS――
カードゲーム『アメイジング』で戦うデッキのタイプは攻撃の仕方にも細かく多種多様である。
例えばユニットを出し続けての人海戦術や、じっくりジワジワ状態異常や効果ダメージでの陰湿戦法などプレイヤーのアイデンティティに沿ったデッキ編成が可能なのだ。
君の好きな戦術ももしかしたらアメイジングで実現出来るかも!?
――さぁさ、お立ち会い。ご用とゲームの作業でお急ぎでない方はゆっくりと聞いて頂戴、読んで頂戴!
時が経つほどに、戦いの激しさの増すカードバトル『アメイジング』の火花散らして後半戦突入。憎きアイツの隙きあらば片付けてしまえホトトギス。
そこへ繰り出したるはインテリ族の代表・刈田祐輔の放つカリキュラムタクティクス。フィールドカード《カリキュラ・ボックス》の彼のプレイヤースキルを組み合わせれば御覧じろ。
サイコロで形作られた爆弾カード《サイコロ・ダイナマイト》の粗雑な攻撃威力もあっという間に【10000】ダメージに早変わり!!
これに剣も対抗するが、相手に盛られた麻痺状態で思うように行動が出来ない! 果たして祐輔の攻撃が先か、剣の防御が先か!?
――と前回のあらすじ、申したならば遠慮は無用。読者の皆様に続きをお魅せして進ぜよう!!
……何か落語の口上みたいなあらすじになっちゃったけども。
話はこれくらいにして閑話休題、展開の答え合わせ!!
▶▶▶ NEXT▽
――――ドカァァァァァン!!!!
――《サイコロ・ダイナマイト》起爆!! 猛烈な熱風・爆風が剣を襲う。カード効果処理『カウンター・レスポンス』の発動に間に合うか、麻痺で痺れる指先を懸命に伸ばすが――!?
「……ッッ!!!」
おぉっと!? 剣、爆破による直撃と共に爆風が猛烈な火柱と化した!! カウンター・レスポンス、間に合わなかったか!!?
この惨劇を目の当たりにしたオーディエンス、剣の応援部隊は呆然に悲鳴。刈田の同胞は歓喜に狂乱。落胆と発奮の境界線。しかし……
「……いや、まだや――!!」
やはりインテリは周りを良く見ており、早とちりなリアクションは取らない。冷静に盤面を分析するや否や渋い顔。その理由は二つ連ねた空浮くウィンドウ表記に書かれていた。
〔エース HP1000→1〕
◎――――――――――――――――――◎
・エース(剣)のプレイヤースキル
【ど根性】発動!
致死ダメージを辛うじて生き延びた!
HP1を残して命取り!
◎――――――――――――――――――◎
ウィンドウに書かれた桐山剣の延命宣告! それでもバカなと言うなれば、爆破で曇った土煙が消えて仁王立ちで立つ剣の姿を見よ!
「……ひぇぇええ、危ねぇ所だった!!! 【ど根性】無かったら終わってたぜマジで……」
命からがらオーバーキルを乗り越えた剣、安堵してホッと胸を撫で降ろす。
そもそも剣が何時しか習得していたこのプレイヤースキルは、スコアサバイバルでの『ツイン◯ー』をクリアした際にレベルアップで手に入れたもの。
効果は『50%の確率で致死ダメージをHP1残して無効にする』という賭けのスキルを見事ものにしたのだった!
「クソッ、嫌な所で悪運使いやがって……!!」
剣を仕留めそこねた祐輔、唇噛み締め苦虫も噛む。
「お互い様や。お前も運で俺を麻痺させたように、俺も運に命を賭けて生き延びた。ならばこの拾った生命線を最後まで伸ばしてやらな勿体無いぜ! ――お前を倒して、勝ちを頂くまではな!!」
「チッ……こんな劣勢でも計算の狂う事ばかり抜かしやがって!! やれるものならやってみろ!!! 吹けば飛ぶようなHPで何が出来る!!!?」
「出来らぁ、三つ」
「……あ゛!?」
「お前に勝つために必要な三つの要素だよ。――5枚のカードと、ちょびっとのHPと、諦めの悪い性格がよ……!!!」
ゲームに関しては心底諦めが悪いのが剣の性分。それをまざまざと魅せつけるようにギラリと鋭い目付きで祐輔を睨みつける。
「ほんじゃ、反撃開始や!!! 俺の戦法の一つ『騎士大乱舞』、行くぞォォォォ!!!!」
剣、覚悟上等・気合上昇!! 溜まりに溜まったEGと鬱憤を晴らすべく、渾身のカードスキャン!!
『ツールカード、【スタンブラスト】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<ツール・カード>
【スタンブラスト】EG:②
属性:黄
・効果:相手プレイヤーまたはユニット一体に
黄属性50ダメージ。『麻痺』状態にさせる。
◎――――――――――――――――――◎
――バチュンッ!!
「あがッッ!!?」
〔ニノ HP1000→950〕
◎――――――――――――――――――◎
・ニノは『麻痺』状態になりました!
◎――――――――――――――――――◎
全身に電流が迸る祐輔、先程の剣にやった『麻痺』攻撃を今度は100%の確率で自分も浴びる羽目になった!!
「お前の痺れも効いたからな、これで痛み分けと行こうやないか。――だが痺れるのはお前だけだけどな!!」
何とも下衆い捨て台詞を吐きながら剣は2枚目のカードスキャン。
『ツールカード、【ヒーリングエンジェル】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<ツール・カード>
【ヒーリングエンジェル】EG:②
属性:桃
・効果:プレイヤーかユニット1体の
状態異常を回復させる。
◎――――――――――――――――――◎
すると現れたのは金髪カールのちびっ子天使(♀)、一応ロリコンは座ってなさい。
『癒やしの施しをどーぞ♡』
こいつ喋れるの!?と我々は天使に野暮なツッコミ残し、天使は癒やしの波動を剣に浴びさせて天に帰っていった。
「サンキューまたなー!」
剣、《ヒーリングエンジェル》に別れを告げてキレイさっぱり『麻痺』は全快した。
「……さーてと☆」
剣、不気味な笑みに目線は殺気がギラギラ。それ見て痺れる祐輔は唾を飲み込む。
『カスタム・ツールカード、【ファイティングブレード】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<カスタムツール・カード>
【ファイティングブレード】EG:③
AP(攻撃力):100 PP(使用回数):15
属性:赤 装備:プレイヤー
≪必殺技≫
『ソニックブレード』EG:③ AP:150
・弧状のソニックブームに似た
赤属性の斬撃を撃ち飛ばす。
◎――――――――――――――――――◎
やってきました騎士の魂宿る赤い剣は《ファイティングブレード》!! 梅にうぐいす合うならば、切り札騎士にファイティングブレードとさも似たり。
「ッ……ダメだ、身体が言う事を聞かん――!!」
既に祐輔の運は使い果たしたのか、『麻痺』による行動制限のデメリットと素早さ低減が大事な時に限ってしゃしゃり出て、逃げようにも痺れて動けない。
「痺れも忘れる程に俺の斬撃、とくと見やがれッッ!!!!」
――斬! 大斬ッ!! SLAAAAASH!!!
〔ニノ HP650→550→450〕
2連3連と、剣のファイティングブレード乱舞はHPが尽きるまで終わらない!! 気付けば祐輔のHPは150、最後の一撃は決めていかねば騎士が廃る!!
「こいつで止めだ!! 必殺技『ソニックブレード』!!!」
抜けば飛び散る弧状のソニックブーム、切り札騎士の起死回生・快進撃、ここで決まるか……?! 本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




