【GAME7-4】アメイジングはIQで勝負!!
――TIPS――
ゲームワールドオンラインを利用しているプレイヤーの割合は、全人口の8割を占めるという。
特に多いのは小学〜高校のティーンエイジャー達。
5人に1人は利用している計算になっている。
もしかしたら、勉強に明け暮れてゲームに縁のない友達も利用していたりして……?
――時は戦乱、戦国時代……とは程遠く離れたゲームの天下・超次元ゲーム時代。
最先端行き交うデータ管理の近未来で、またもやゲームバトルが繰り広げられようとしていた。
ゲームの素質で勝負する『プレイヤー族』と知性・学問でこれでもかと言わせる『インテリ族』、高校生の二つのタイプが交わる時平穏な学校生活に厄介な出来事巻き起こる。
早い話が『アイツらが気に入らねぇからゲームで片を付けちゃおうぜ!!』って全く幼稚と言いますか程度の低いと言いますか。意地の張り合い、どんぐりの背比べ。
――とは言っても現時刻からして朝のHR、ホームランじゃないよ。流石にここで決闘をやろうものなら担任の鉄槌食らわし無効試合のコールドゲーム。今暫くはスクールライフをとくと見てみよう。
「単に字数稼ぎたいだけなんちゃう?」
剣さんシャラップ。
▶▶▶ NEXT▽
祐輔を代表とするインテリ族にとっては授業もキャリアアップの一環、千里の道も一歩からとは大袈裟ですが、コツコツと単語やら計算式やら覚えて秋の期末テストに備えてる。まぁ典型的な学生らしい姿ですな。
ところが剣を代表するプレイヤー族、授業の度にわざとらしい欠伸なんかしちゃって、先生の話もそっちのけ。
暇さえあればノートに単語か何かを書き殴るかと思いきや、ゲームの攻略法を模索しては自作戦略を開発中! 要は授業が退屈で、先生に向かって早くゲームがしたいのよっと訴える目をしてるんですよこれが!!
インテリ族はプレイヤー族のだらしなさ、プレイヤー族はインテリ族の生真面目さにどーにも癪に触るようだ。
昼食・休み時間になろうものなら睨んでちょっかい出して口喧嘩。『犬猿の仲』って言いますけども、どっちが犬だか猿なんだか。
「はぁ〜あ。剣くんも良くここまで意地張れるわね……」
そんな彼らのミニマムな戦争風景を見ていたみのり達平和組にとっては、『馬鹿馬鹿しい』『良くやるわ』の一言に尽きる。がしかし口に出さないのが大人なところ。
そこへ別クラスの4組だがメンバーの畠田レミがポニーテールをなびかせて連れお弁当しようとみのりの元へ駆け寄る。
「やっほ〜みのりちゃん♪ ……ねぇ剣くんどうしちゃったの、ずっとイライラしっぱなしで」
「毎度の風物詩よレミちゃん、勉強組とゲーム組の戦争!」
「ありゃー、剣くんまた喧嘩吹っ掛けちゃったのね」
どうやらプレイヤーVSインテリの掛け合いは天童学苑のイベントかの如く見慣れてしまったようで……、ところでレミはどっちが正しいとか意見は無いんですか?
「別に誰が悪いとか思ってないよ? でもあたし的にはインテリ側が課題がスムーズに出来て羨ましいなーって思うくらいかな」
レミはパズルや謎解きが得意な故に頭は悪くないんですが、いつも課題そっちのけでゲームする癖があるのが玉に瑕だ。そんなこんなで戦争の様子とレミを見ながら考え事をしていたみのりはある事を閃いた。
「……ねぇレミちゃん、今日は私達と穂香ちゃん誘って女子三人でゲームワールドオンライン行かない? 多分剣くんの決闘終わるの時間掛かりそうだし!」
「男子水入らずって訳ね! 賛成〜!! じゃ授業終わったら穂香ちゃんさそおーよー!!」
「その代わりレミちゃんが課題終わった後でね!!」
「…………はい」
レミの課題忘却癖に釘を指しながらも、何やらシャッフルガールズらで別々のストーリーが生まれる予感。
それはどんなものかは、戦争が終わってからのお楽しみ。もうちょっと待って下さいね。
▶▶▶ NEXT▽
――はてさておいて、閑話休題。
午後の授業に最後のHR、なんやかんやで本日の学業が終了したらば、やってきたのは放課後。
やってきましたプレイヤーVSインテリの意地っ張りゲーム戦争!!
「……ちゃんと逃げないで僕の挑戦を受けに来たんですね、桐山剣!!」
「言われんでも、俺はゲームの相手なら喜んで受けるつもりだぜ? 刈田!!」
「早速だが君のその生意気な天狗鼻を僕がゲームでへし折らせて貰いますよ……!」
「そう簡単にへし折れるかなぁ? 頭でっかちが!」
決闘が始まってもいないのに、減らず口を閉ざすことなく煽りを打っては返すラリー状態。
しかし舞台は高校の土煙が舞う広いグラウンド。荒野のガンマンじゃあるまいし、このフィールドで挑むゲームはこれ如何に?
「剣、これが目に入らぬかぁ!!!」
「なッ……?! それは……!!」
印籠か!? んな事ぁないでしょ黄門様じゃないんだから。その魅せたるものはなんと、『アメイジング』プレイヤーの必需品、カードスキャンブレスではないか!!
「お前……アメイジングやってるのか!?」
「ただのガリ勉と見縊らないでくださいよ! 流行のトレンドをかじりながら情勢の動きを知り常識を知る!! ゲームが上手いだけでは世の中は渡れないんですよ!!」
流行するゲームを知ることもビジネスでは意外と話の話題になったり、IT・デザイナー等はどうしてもゲームの話が付き纏う。無知であることが罪ならば、祐輔の毛嫌いするゲームをも嗜んでいかねばならないのだ。これには剣も脱帽した。
「……頭でっかちにしては考えは柔軟って訳やな。そこは正直に認めるぜ」
「別に君に認められても嬉しくはありませんけどね。さぁ能書きはこれくらいにして、始めましょうか!!」
「あぁそうかい!! 行くぜッッ!!!」
「「『決闘の境界』展開ッッ!!!!!」」
カードゲームバトル『アメイジング』は、カードスキャンブレスを作動させればゲームワールドオンラインのみならず、現実世界でもVRの仮想空間を発生させる事で戦うことが出来る――!!
二人の掛け声と共に、カードスキャンブレスの電源を作動させて一筋の光を放つ。互いに向けた闘志の放出した光が中間点に交わったと同時に、それがドーム状に広がってVRビジョンのフィールドを作り出した!
現実世界で展開するフィールドは、ゲームワールドオンラインと同様に放出した周囲の地形を反映させて挑む。
展開したフィールドはグラウンド故に全体が砂の荒地となっている。これがアメイジングにどのような展開を予測させるのか……と、思いきや!!
◎――――――――――――――――――◎
・ニノ(祐輔)のプレイヤースキル
【計算領域】発動!
スタート時にフィールド全体に
《カルキュラボックス》を展開します!!
◎――――――――――――――――――◎
「んぁ!!!?」
するとどうだ。先程まで何もないグラウンドの荒野が一転、祐輔が持参していたプレイヤースキルによって、数字や計算記号が空中間で散らばり、それらが合わさったかと思えば自動的に計算される集積回路のようなフィールドカード《カルキュラボックス》に変換された!!
「僕が挑むのはただのアメイジングではない!! 計算力がこのゲームを制するIQ勝負、これで君に挑戦するよ剣!!!」
なんと、計算で戦う!? HPの計算ならともかくとしてそれをゲームで活かそうとは、インテリの発想は恐ろしいものなり。
「計算だろうが精算だろうが関係ねぇ!! ここでビビってたら切り札騎士の名が廃るぜ、かかってこいやッッ!!!!」
かくして、剣VS祐輔の学力IQアメイジングテストの幕が上がる!!
――さぁ二人とも、準備は出来たか!!?
「「アメイジングバトル! READY!!」」
『――――START UP!!!!』
――本日のゲームはこれまでッッ、また次回!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




