【GAME59-1】ゲーム戦士・焦燥と暗雲!!
――さぁ、今回も長丁場間違いないでしょう。アメイジング・バトルロワイヤルモード。
あれだけ引っ張って、現時点でまだまだ前哨でしかないこの展開。恐らく何か一波乱起こす気でありましょう、地底空間の治安、ゲーム戦士達の平穏が掛かったビッグゲーム。
となれば、当然ゲーム外への影響も無くはない。早い話がもう一つ別件で、地底空間・B6層にて先程まで裏ゲームを行っていたゲーム戦士達。
立海の参謀長・大門史也と、シャッフルのレミ・穂香・倭刀。
そしてサザンクロスから二人の幹部、イプシロンのジーナと、ガンマのガクルックスが居た。
「…………やはり始めてしまったか」
プレイギアで銃司との会話が途絶え、片手で頭を抱える史也。何しろ銃司が無断で、デクルックスと鳳凰堂雲雀との決闘を始めていた事を知ったからである。
「デクルックスと決闘……!? 大丈夫でしょうか、銃司さん……」
「それどころか鳳凰堂孔雀の妹とも戦うって……どないな状況やねん?」
不安が高まる穂香と、話の状況が上手く飲み込めない倭刀。
「詳しくは分からん。大方、癪に障るような事をされて銃司の逆鱗が触れたのだろう」
いや、あの人沸点低いから何処触っても逆鱗になるんじゃ……。いやいやそれはさて置き。
あの血の気の多い銃司の行動は、薄々そうなるだろうなと史也は思っては居たが、鳳凰堂とも絡むとなると話がこんがらがる。物事は単純には進まない。
「だがまぁ……ゲームは始まったばかりだし、今の所被害も無いようで良しとしよう。銃司がそう容易くやられる事も無いだろうしな」
こんな過激派な城主でも、信頼はしている史也の冷静な判断。しかし……、
「………………良くないよ」
人一倍不安の色を隠せず、口篭りながら呟いたのはイプシロンのジーナ。この中で唯一デクルックスの安否を気にし、意味深な関係を抱いていた彼女が焦燥の意に駆られていた。
「このままじゃデクルックスが殺られちゃう……早く止めないと!」
「言っとくが、銃司は相手が煽り立てないうちは無益な殺生はしない。彼奴には彼奴なりの立場もあるからな」
第三者の立場でもクールにジーナを宥める史也。
「……分かってるわよ。アイツのした事は、幾ら償っても取り返しのつかない所まで来てることくらい……」
「そしてデクルックスは、他のゲーム戦士に殺される覚悟でゲームに挑んできた。と言うよりは、
――――彼自身が、それを望んでいるんじゃないのか?」
不安定な心境に揺らぐジーナに、無意識にも失言の多いガクルックスがしゃしゃり出る。
「っ……、そうだけど……!」
そんなガクルックスの言葉に、返す言葉が浮かばないジーナ。そんな彼女に対して、今度はレミが声掛ける。
「貴方とデクルックスの事情は分からないけど、ここで悩んで立ち止まっても始まらないわ。もう一度上層に戻って、複数分かれてデクルックス達を探してみない?」
レミも史也に倣って冷静な指示を発案する。ホントに、史也とのタッグゲームで心身強くなりましたなぁ……!
「……いや、レミさん。俺はその事情とやらを聞いてハッキリさせたいんです。でなきゃ、そっから先の対応の仕方も分からんでさ」
対して、レミの発案に待ったを掛けたのは倭刀。
彼が思うのは、ジーナとデクルックスの関係……もとい、サザンクロス全体で何が起こったのか。これらの情報有無次第で、他者の生死を分かつと思ったからである。
それらの事情を知らずして、デクルックスに殺されてハイそれまでヨ……じゃ、シャレになりませんからね。
「悪いが私も倭刀の意見には賛成だな。だが、先ずは上層に戻ってからだ。話したいことがあるなら、目的地に着くまでにしておけ。事は一刻を争う」
「……一番合理的な手段ね。行きましょう、ジーナ、ガクルックス」
レミの提案を無碍にせず、倭刀の案にも乗っかった史也の采配にゲーム戦士達は動く。レミはサザンクロス幹部二人の手を差し伸べ、デクルックス達の居るB2層へ同行させる。
アメイジングの決闘の影響で、満身創痍のジーナ。レミの手に導かれながら、彼女は覚悟の決まらないまま独り言を呟いていく。
「デクルックスが裏ゲームを続けるのに、事情も目的も無いよ。だってアイツは……貴方達ゲーム戦士に反旗を翻す。それだけが存在意義なんだから。
どうしようもない奴。WGCに狙われても仕方の無い奴。だけど――――アイツは、私の友達。心配する理由は、それだけで良いじゃないの……!」
――”友“という名の鎖。組織から、社会から、どれだけ突き放されても断ち切れない繋がり。
ジーナとガクルックス、彼女達の間柄とサザンクロスに一体何があったのか?
その答えを、ゲーム戦士達と我々が目の当たりにする時、皆はどう動いていくのだろうか。
――――本当の“正義”とは何か?
その答えをゲーム戦士と、物語を追い続ける皆様とで、一緒に考えていきましょう!!
――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽
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