【GAME58-6】対峙する正体不明と悪魔の使者!!………そして!?
「た……立海銃司!? 何でこんな所にいるんだ!?」
九死に一生、休止に更新再開といった所か……いやそりゃ、この作品の話。
なにはともあれ間一髪、デルタのデクルックスによる大殺戮による餌食になる所でした、親の七光り黄金虫、綾小路優。
その危機を救ってくれたゲーム戦士こそ、この作品のヒールにして気高きダークヒーローか! 遊戯貴族・立海銃司、参上仕った!!
「何をグズグズしている小僧。修羅に巻き込まれたくなければ、さっさと逃げろ」
歳の差は二つ三つ変わらぬ輩に、小僧呼ばわれとはこれ如何に。
「こぞ……?! 僕は最強の大阪の代表チャンピオン、綾小路優だ! 僕がお前をサバイバーモードで倒してやった……」
「知るか。つまらん自慢話は逃げてから言え。奴は貴様のような三流プレイヤーの手に負える相手ではない」
これぞ凡人と天才の格の違いか。ちっぽけな名誉に縋らず、たとえ敗れても結果に振り向かず、より強い自分を目指すべく前へと進んでいく。
これぞ、立海銃司の最強たる矜持なのであります。
「っ……、あー。そーいやお前も地底空間に居たんだったなぁ、立海銃司。何だよ、悪魔の使者が弱い者を助けて、正義の味方気取りかぁ?」
等と皮肉たっぷりに、矛盾に銃司を煽り立てるデクルックス。
「愚問だな。俺の進む道には常に、俺自身の正義と信念によって築かれている。俺が悪魔だろうが、死神だろうがどうでも良い。分かりきった事を抜かすな」
流石、圧倒的カリスマ!! 正体不明の狂気に屈する男では無い。紅蓮の貴族は誇りのために道を切り拓く!
しかし、己の道を孤高に切り抜ける銃司は、何故デクルックスの存在に気づいたのか? それはある者からの導き手があったからである。
「あー、良かった! 何とか間に合ったみたいね」
その導き手、なんと【GAME52】にて剣とみのりのGWクエストの案内役をしていたWGCの治安防衛管理長。そう、凪原茜ではないか!
「WGC!? どうしてアンタもそこに……?」
「どうしてってお仕事だよ。GWクエストが終わってから丁度、緊急要請が入ったからね。まぁゲームワールドから現実の地底まで、結構交通費使っちゃったけど」
ショートボブスタイルの髪から覗かせるドライな会話。そしたら、クエストを終えた剣とみのり達は何処へ?と思った方は、後ほど解明しますのでお待ちを。
「とにかく、君だけでも無事で良かった! 勇気振り絞って、立海さんに応援求めて正解だったよ」
「じ、じゃあ、立海を呼んだのはアンタか……?」
優のお察しの通り。前々回の話で、暇していた銃司を見ていて彼に『用があるなら出て来い!』と脅されたのは、茜さんだったのです。
「丁度暇していた所だ。貴様は運が良いな。これでデクルックスの首を討ち取れば、史也兄も文句は言わぬだろう」
暇つぶしついでに、やる気満々の銃司。同胞の史也に対して十分な口実が出来ると躍起になっていますが……?
「暇してたんだ。良いねぇ。それで殺し合うのもゲーム戦士らしくていーじゃん」
それに対し、勝手にゲーム戦士を人殺し扱いするデクルックス。
「ちょっと僕も遊びが過ぎてた所さ。丁度マジな殺し合いとかしてみたいと思ってたんだ。勿論、アンタは死ぬ覚悟を持ってここに来てるんだよね?」
「卑劣に地を逃げ回る貴様が覚悟を問うのか? 地底ジョークにしては、矛盾が絡み付くではないか」
地底ジョークって何ですか? 暗くて湿っぽくなるのですか?
「だが俺に対して憶せず向かうのならば、全力で相手をしてやる。無様に硬い地を顔で填める覚悟が出来てるなら、の話だがな」
圧倒的カリスマに加えて容赦なき煽り文句。誠に銃司らしさが垣間見える。
「……さて、犠牲は最低限まで抑えられたようね。この層じゃ立海さんが最大戦力だもの。何としてでもここでデルタのデクルックスを討伐して欲しいところだわ」
現在B2層では殆どのゲーム戦士が、デクルックスによって戦意喪失・不能に持ち込まれ、同胞だった筈の裏プレイヤーも彼によって惨殺される始末。
この惨劇を止めるには、最強格のゲーム戦士である立海銃司に頼むしかない。という上司の指令により、茜は現実に送還して、銃司をスカウトしたのだ。
だが、この判断は小物のプライドを多少傷つける事になった。
「…………フン、僕が弱っちくて悪かったな。僕らはWGCの役人からすれば戦力外に等しいって?」
弱腰で半泣きになってた彼が、何故態度がデカイのかはさておき。不満タラタラの優に対して茜が諭す。
「そんなヒネた事言うもんじゃないよ。ゲームの実力で上なのは優くんでしょう? 私だってあんな化け物と相手に何も出来ないよ。それに、私が立海さんを指名した理由もあるしね。――――目には目を、狂気には、狂気……ってね!」
様々な意味でB2層の池にて、利害が一致し、今にも壮絶になるだろう闘いが始まろうとしていた。
銃司VSデルタのデクルックス、まさに我々常人には理解出来そうにも無いゲーム。そして久々のアメイジング、カードバトルが展開され……………え???
ちょ、ちょちょ……ちょっと待ってください!!?
あと一人、気配を消しながらも突如姿を現し、凄まじい狂気を携えた新たなゲーム戦士が、デクルックスの前に!!!!
「…………………え」
――――ズバッッッ
「ぐぅぅぅうう?!!」
無垢な笑みを浮かべて、羽根帽子を携えた緑髪の女子。その朗らかさと裏腹に、両腕にはPASの能力で鳥の翼に似せた太刀を掲げて、デクルックスの胸元をバツ印で掻っ捌いていく!!
「!!?」
これには強者の銃司も愕然! 彼の悪魔の眼を持ってしても、彼女の気配に気づかなかった!!
「………な、何が起きて――――」
「きゃはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっっ」
「あ゛あ゛あ゛あアアアアアアッッッ?!!!!」
これは無惨だ!! ◯滅以上に無惨だ!!!
尚も追撃を止めない白翼の刃には鮮血が飛び散り、地に伏してデクルックスはズタズタに引き裂かれて、地面には濃赤の血溜まりが彼の背面から染まっていく!
「わーいわーい! 見つかっちゃった―☆」
デクルックス以上の残虐行為を、まるで子供の遊びかのように無邪気に笑い、血染めの太刀を振るう13歳の女子。狂気の更に格上を行く狂気! 彼女の名を、凪原茜が啞然としながら語る。
「【鳳凰堂雲雀】さん……?! 孔雀さんの妹が、どうしてここに……!!?」
何と!! 新ゲーム戦士は鳳凰堂孔雀の妹!!!
やはりサディストの血は争えないのか……あ、いやいやそれ以前の問題か!?
血祭りマンボに雲雀が舞うか、どうなっちゃうんだこの勝負! ――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽
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