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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
2ndSTAGE―リアル&VR・2つの世界に揺らぐ魂!!―
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【GAME7-1】世は超次元ゲーム時代!!

 さぁ、第1のオーブを手に入れてゲームワールドをログアウトした剣達に次なるステージが待っている!


 2ndSTAGEは現実世界での出来事をメインに展開し、第2のオーブを手にするまでの物語だ。

 現実世界になっても私Mr.Gが案内役をお務め致します! では参りましょう!!


 オープン・ザ・ゲート!!!


▶▶▶ NOW LORDING...CONNECT!▽

 

 ――『ゲームワールドオンライン』復活のリリース初日、ゲームの激戦、激戦、また激戦と繰り返し丸一日ログインしていた桐山剣(きりやま つるぎ)

 同じゲーム仲間の河合(かわい)みのりが、玄の決闘場へ誘う8つのオーブの内の一つ『ハートフルオーブ』を手に入れた所で剣達のゲームワールド探索1日目は一旦終了となった。


 ▶▶▶ LOGOUT…▽


 ゲームワールドからログアウトしてGWギアを外したとき、剣の周りにはオープンワールドから一転して背景はヒノキの香る古臭い自宅の個室。


 ガチガチに硬くなった首の違和感を軽く解して、夢のような世界から抜けた時の虚無感を振り払い、自分が現実に戻ったことを徐々に認識していった。


 その後夕食はオーブ獲得祝いに仲間達含めて7人、行きつけの屋台で飯を奢られ、ラーメンをたらふく平らげた所で解散。再び自宅に着いた剣はサッとシャワーを浴びて倒れ込むように寝床に落ちてそのまま眠っていった。



 ――そして、夜が明けた!! ……何かこの感じドラク◯みたいね。



 ▶▶▶ NEXT DAY(翌日)▽


「ん……く、ふわぁぁぁぁ……!」



 窓の日の光に照らされ、目覚まし時計も無しにパチリと目を覚めた剣。うつらうつらとボヤける目先には、塗装された天井と古びたペンダントライト。


 それを見て無意識にVR空間での快感から解脱した虚しさが、身体全体に染み渡る。首から肩まで石のように硬くなった感覚がある。それを無理矢理鞭打つように上体を起こした。


「……あ、そうや今日月曜やったっけ……あぁ学校行きとうねぇ、またゲームワールドでゲームしてぇ……」


 学生なら誰もが受けるであろう『学校』という名の()()()()。ゲームなら人一倍やる気が出るくせに、学校となるとその反動か腑抜けみたいにやる気が出ないというだらしない剣。

 うわぁウルフヘアはボサボサ、鋭い目付きもダラーンとしちゃって! ゲームの時の格好良さは何処行ったのやら。コラッ剣さん、現実世界ぐらいしっかりしなさい!!


「うるせーなG()()()()()()、語り手がしゃしゃり出んなや! てかゲームワールドのナビゲーターが何で現実世界にいんだよ!?」


 人をゴキブリみたいな言い方すな!! 私はMr.G(ミスター・ジー)で名が通ってますからね!! それと私はナビゲーター兼この小説のストーリーテラーなんですから、2つの世界の行き来くらい容易い事のココロよ!!


「あーそーですかい!! じゃあんまし俺らの進行の邪魔すんなよ、やったら罰金プリペイドカード5000円分だかんな」


 うわそれ絶対ソーシャルゲームに使う気でしょう。全くこの物語の人物は血の気が多いことで。怒らせないようにしよーっと。


 ▶▶▶ NEXT▽


「おじいちゃん、おはよーさん」

「おはよう剣、一日中ゲームワールドで遊んでた割にはすんなり起きたじゃないか」


 彼こそ桐山剣の祖父、桐山矛玄(きりやま むげん)御年70歳だが老いても益々御元気。

 何を隠そう彼がゲームワールドオンライン創成期を支えたWGCの元幹部、あの世界の深層を知る数少ない証言者と言っても良い……が、まだそこまで知るのは時期尚早。一応こーゆー人だよってのは覚えて下さいませ。


「まぁ今日学校やし、それのGのオッサンに叩き起こされたから寝起きは良くないよ」

 悪かったですね剣さん!


「ともかく朝御飯食べんさい。ボーッとするならその後でもエェ、遅刻しなければな」


 時刻は7時半を回ったところ、徒歩15分で学校に着く計算でもいささか余裕は持てるくらいか。白飯に鮭の塩焼きに御御御付(おみおつけ)(味噌汁って意味よ)、矛玄の作った朝食を口一杯放り込む剣。


「……それでどうやったんか、一年ぶりのゲームワールドの様子は?」

 矛玄は新聞を片手に剣に問いかけた。


「それが結構洒落てきててさ! 俺が最強プレイヤーになるためにはゲームワールドに眠る8つのオーブを探せなんて、冒険活劇みたいな事やらせるようになっちゃって! で初日は何とか一つ目のオーブをゲット出来たぜ、みのりのお陰で!!」

「ほぅ! あのみのりちゃんがか!? あの娘も知らん間に強うなったもんやな!!」

「おじいちゃんも知ってるやろ? みのりは俺ら以上に真剣に特訓してたからな。それが実を結んだんだからこんな嬉しいことは無いぜ」


 剣はあの時の感動を思い出して、ご飯を喰らうペースが更に進んだ。


「……ワシもかじる程度にオーブの事とか調べたんやがな、あれは獲得するには並々ならぬ()()がいると睨んだ。おそらく単にゲームが強い、詳しいだけでは手に入れる事は出来んだろうな」


 祖父の話を聞くなり、既に朝食を食べ切った剣の食器を自分で洗いながらその耳を傾けて問う。


「そーいや、みのりがゲットしたオーブはゲームへの【愛】を示す象徴だって聞いたな。って事は、他のオーブもそれらに纏わるものなのかな?」


 そんな純粋な剣の問いに、祖父・矛玄は言い諭した。


「……剣。前にも言ったかもしれんが、ゲームであれ、芸術やスポーツであれ、本気で目指そうとするものを極限まで高めるには技術や能力を高めるだけじゃダメやで。人の心を感動させるハート、【魂】そのものも鍛えねばならん。

 ―――愛や勇気や友情といった『徳目』を持って、人の凍てついた心を溶かすのも同じ()()()だ。プレイヤーとしての強さの先に、己の魂の強さを超えた時に始めて真の強者となると……ワシは信じとるがな?」


「…………」


 この時、剣は無言のまま何を思ったのか――?

 同じ頑なな魂を持つ者の教えとして捉えるか、或いは年配の説法として受け流すのか。その些細な言葉の駆け引きが、剣の今後を占う事になるのかもしれない……



「……ぅわッ、ヤベ! もうこんな時間やんか!! おじいちゃん、行ってくるわ!!!」

「おぅ、気をつけてな」


 時間は既に8時になる前、忙しない素振りでパタパタと慌てながら剣は学校に向かうのだった。



 ――疾風のように騒がしい風景が過ぎ去り、リビングには矛玄ただ一人。新聞を広げながらプレイギアも開いて、無情に時勢を思い更ける。



(一年前に起こった、WGCの大改革で確かにゲームワールドは比べ物にならない程の変貌を遂げているようだ……

 あの8つのオーブの導きは、彼らが望んだ事なのか。或いは()()()()()()()か――?)


 そして、矛玄の読んでいる新聞の一面にはこんな記事が載っていた。



 《ゲームワールドオンライン・リリース初日に精神病院行きのプレイヤー続出 GWギアの不具合か、事故か?》




 ――時は『超次元ゲーム時代』。ゲームを中心として世界が回る、遠からずももしかしたら近い未来なのかもしれない時代。ゲームプレイヤー達にとっては理想郷のような時代の裏、今日も何処かでまた物騒な事件が起きているのかもしれない……!!



 一先ずは一旦下がってまた次回、本日のゲーム、これまでッッ!!


 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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