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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
4th STAGE―ゲーム戦士魂大爆発・本当の正義は何処だ……!?―
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【GAME58-2】正体不明の狂気、執念の男・デクルックス!!

 ――サザンクロスの反乱粒子、デルタのデクルックスが刑務所より脱獄。

 正体不明の狂気に駆られた不気味な男は何を考えたか、真っ先にアンダーグラウンドの門をぶち抜いて地底空間へ突入。


「あーーーっはっはっはっぁぁぁああぁあ!!!」


 流石に住み慣れた庭のような場所である故か、近道脇道ショートカットと足場の悪い地底を潜り抜けて、響き渡るは狂乱にも似た高笑い。

 真っ黒なタキシードに華奢な身体からは想像しがたい俊敏な躍動で、あっという間にB3層まで辿り着いた。


「WGCの警備員もカスばっかだなぁ。ちょっと遊んだだけなのに血飛沫上げてイッテんだもの。あんなザル警備で裏プレイヤーを制圧しようなんざ、50年早いんだよ」


 さり気なく語るは、いともたやすく行われたデクルックスの残虐行為。これを吐く息の如く平然としている所が、彼の狂気の象徴なのでしょうか。


「それにしてもむかっ腹立つなぁ、鳳凰堂の奴め。いつの間にあんな狂犬を飼い慣らすとは。あの躊躇いの無さ、敵を潰す事のに相当慣れてる感じだった」


 狂犬とは即ち、鳳凰堂孔雀が指揮するゲーミングチーム『PHOENIX(フェニックス)』のゲーム戦士・忍野龍牙のこと。正体不明の狂気に敢然と挑み、凶暴な狂気によってデクルックスを制圧させた彼に、本人も苦虫を噛み潰しながらも一目置いていた。


「……まぁ良いさ。ちゃんと()()は置いてきたんだ、次会ったら精神誠意を持ってブチ殺してやるよ☆」


 礼儀を持って殺される人の身を、彼は一度でも考えたか事があるのか……いや、言うだけ野暮なことでしょう。

 そんな中でも未だ欲求不満が隠せないか、もう一回決闘でも仕掛けようかと企むデクルックスだが――



 彼の眼前に立ちはだかるは、地底の暗闇に聳え立つ和の屋敷。即ち、あの大山杏美率いる『大山組』の本拠地にいた。

 その中には大山を始め、デクルックスに利用されていた小原恵美や、シャッフルの高橋豪樹、立海のシェイパー兄妹、更には格闘ゲーム戦士チーム・BHFの3人と集結している。

 丁度デクルックスが仕掛けた奈落道のチューブ・ラザーズ2人を懲らしめていた最中であった。


 こんな中で決闘を仕掛けようとする程デクルックスも愚か者ではない。散々道具として扱ってきた小原がいるなら尚更だ。


「そういう事。暫く大山組にちょっかい出すのはやめとこうかな。知らないうちに仲間も増えてる感じだし。せめて大山が孤立してくりゃあな、クソが」


 デクルックスは団体行動は勿論、人が和気藹々と群れている事が反吐が出る程嫌う男。孤立主義の彼に多人数の群を相手にするにも多勢に無勢と言ったものか。この劣等感が余計に腹が立つのだった。


「しょーがない。ここは素直にB2層にでも戻るか。もっとマシなゲーム戦士共がいるだろう」


 潔くB3層を撤退するデクルックス。その動きは蠢く影の如く、ゲーム戦士達を欺き、誰も気付かずに姿を隠す……とは行かなかったようだ。


 唯一人、大山だけがデクルックスの姿に勘付いていた様子だった。


「ん、どったの杏美? 後ろなんか眺めてさ」

 そんな大山に小原が尋ねる。


「いや、変な()()がウチの屋敷にチョロついてたみたいやった。もうどっかへ行ってもうたがな」

 デクルックスを害虫と転換しつつ、大山は咄嗟にプレイギアを取り出してネットニュースを開けば、その予感は的中していた。


【裏ゲーム主犯者・デルタのデクルックス、WGC特別留置刑務所より脱獄】


 現代以上にネット情報が発展しているこの時代。事件発生から10分も満たずに掲載された速報記事を観た大山は、合点が行った様子で鼻で笑っていた。


「今度は何や、大山? 何かおもろいニュースでもやってたんか」

 今度は横から旧友の豪樹が、プレイギアを覗いて大山を尋ねる。だがその内容を見るや否や、深刻な顔へと変わる。


「な、オイ!? 何でデクルックスが刑務所から脱獄しとんねん!!?」

「はぁ?! デクルックスだぁ!!?」


 等と大原を筆頭に続々と脱走ニュースに驚くゲーム戦士達。豪樹達もまた、デクルックスに仲間が危害に合わされた事もある故に他人事ではないからだ。


「そのデクルックスが、さっきウチの屋敷に隠れてたって訳らしい。愉快犯がゴキブリみたいに逃げてて無様なもんだったわ」


「へー……って、お前! わざわざ見て見ぬ振りしてデクルックスを逃がしたんか!?」

「アイツにあたいがどれだけ弄ばれたか、分かってやってたのか!?」

 猛抗議の豪樹と小原。だが大山はそれも理解しているていでデクルックスを逃がしていた。


「まぁまぁ、そう皆まで言いなさんな。脱獄したところで、既に奴に裏プレイヤーを惑わして裏ゲームを仕掛ける気力があるとは思えへん。他のゲーム戦士らも鳳凰堂からの情報で、奴への警戒心が強まって来てるしな」


 流石、裏プレイヤーを管轄する女将なだけあって、悪名を働いた者の限界を既に見計らっていた大山。

 幾ら狂気や欲に駆られたデクルックスとはいえ、統率力を失っては唯の小物と見たか。大山の判断は、彼への末路を示唆したものでもあった。


「B1もB2も、ウチらの管轄内でも散々惑わしよって。好き勝手遊んだ分のツケは、倍にして返したるわ……!」


 もしかしたら、デクルックスに一番怒りを覚えているのは他ならぬ、大山の女将さんなのかもしれません……!



(ゲーム戦士を甘く見るなよ、小僧。幾らお前さんが地上に恨みを抱えようとも、お前さんを討つ者は必ず目の前に現れる。強者か、討伐者か、それともお前を慕っていたサザンクロスの誰かか……!!)



 狂人の首元に向けられるは、刃か、銃口か……?

 デルタのデクルックスの運命に引鉄が引かれているとも知らず知らず、彼は己の本能のままに、ゲーム戦士達が待つB2層へと向かうのでした……!!


 ――本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽


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