【GAME57-9】地底暗雲・南十字星の明日はどっちだ!?
――地底空間・B3層とB4層とで、何やら不穏な空気が漂っているようですが……
B3層ではシャッフル・高橋豪樹を筆頭に、大山女将と小原、更にはシェイパー兄妹が新たな真相を掴もうとしております。
というのも、地底空間の平穏を仇なす邪な武闘流派・奈落道のオケラ拳使いのケーラスが、何故に地底空間の裏プレイヤー達を襲ったのか?
豪樹はノビたケーラスの胸ぐらを掴みながら、気付けに往復平手打ちを繰り返し、意識を取り戻させる。
「……い、痛たたた! 鉄骨でぶっ叩かれてるみたいに痛ぇわ!!」
どんだけ硬いんですか、豪樹の拳は。
「ピヨってるとこスマンけどな、お前さんに聞いておきたい事があんねん。お前らチューブ・ラザーズが、何でデルタのデクルックスと繋がっとんのか。それと大山組の裏プレイヤー達の粛清と、逮捕された奴の釈放を促したのは一体何の目的があんのや?」
大山女将から聞いた話から、ケーラスに洗い浚い吐かそうとする豪樹。しかし奴はデクルックスを欺いて、電撃爆酒を飲み干して強くなろうとした偏屈なお方。当然返ってきた言葉は……
「ケラケラケラ……貴様みたいなゴリラに話すことなど無いわ、バカめ! あと酒臭ぇぞお前、ペッ!!」
罵詈雑言放ちに放った捨て台詞に加え、止せば良いのにツバまで顔に吐き散らかす始末。
しかし気が優しい人ほど、怒らせると怖いものはありません。故に豪樹さんの堪忍袋の緒は切れちゃった!
――――グワシッ
「みに゛ゅッッ」
先ほど酔仙遊拳で使われた月牙叉手の如く、指先でケーラスの喉元をえぐる豪樹。その面を拝めば、般若も真っ青の鬼の形相!
「テメ誰に口聞いとんのじゃ、あ゛ぁ!? 誰の顔見てゴリラ言うとんねん、酒臭ぇのはお前も一緒ちゃうんかワレェ!!!」
「ぐ、ぐるじいぃぃいいぃぃ」
「何や、性格丸ぅなった思ったら健在やったか」
「別名『豪鬼の高橋』、一度キレたら鬼神の如く拳が飛ぶ暴れん坊ゲーム戦士。怒らせたヤツが浅はかだったって訳」
旧友である大山と小原は懐かしみながら、昔の豪樹の一面が垣間見えて嬉しそうになる一方、シェイパー兄妹は優しい大男のイメージギャップの温度差で風邪引きそうになるほどにガチガチに震えていた。
で、本当に死にそうなのはケーラスの方。
「ほんなら吐くか!?」
「は、吐きます吐きます!! 吐きますから喉解いて下さいお願い!!!」
一片あの世に足を踏み入れそうになると、否が応でも服従ついでに敬語になってしまうのが人の性か。命乞いついでにケーラスの性根も叩き直した豪樹。
「ほんで? 何でサザンクロスの幹部のデクルックスと通じてるんや?」
「つ、通じてるも何も……俺とアスワムは、元々サザンクロスの信者なんだよ!!」
これは今までの繋がりから観て、合点がいく真相であった。
ミミズ拳使いのアスワム、オケラ拳使いのケーラスの『チューブ・ラザーズ』は、どちらも宗教団体であるサザンクロスの信者だったのです。
地底空間出身である彼らが、サザンクロスの信者になったのは数年前の事。団体の創始者であるシャーロット・ジョーンズが地底空間に降り来て、地底空間のゲーム戦士達に思想を拡げていったのですが……
「俺達がサザンクロスを信仰して間もない頃に、あの鳳凰堂孔雀って奴が、地底空間における宗教活動を一切禁止しやがった!!」
チューブ・ラザーズがサザンクロスに入信した頃、丁度同時期にWGCに加入した鳳凰堂孔雀の手によって、地底空間でのサザンクロス信仰及び宗教活動の禁止を宣言されてしまった。
この一件がチューブ・ラザーズにとって恨みの一つとなり、再びサザンクロス信仰の為に今に見てろと思っていた所である男に出会ったのでした。
「その男ってのが、デルタのデクルックスって訳か」
「デクルックスは地上の治安を潰そうとか、危険思考があるとか言われてるが、そうじゃねぇ。俺等に地底空間の者にとっちゃ、地上の奴らを見返す救世主でもあるんだ。テメェら地上もんなんざ何時でも地底に叩き潰してや―――」
―――メキッ
「調子乗んな」
「すみませんすみませんすみませんすみません」
懲りないですねぇ。
▶▶▶ NEXT▽
さて、場面変わって舞台は地底空間のB6層。
【黄泉の湖】の辺にて、決闘を終えて談話するのはシャッフルオールスターズの畠田レミ・池谷倭刀・大森穂香。立海遊戯戦団からは大門史也。
そしてサザンクロス幹部のイプシロンのジーナとガンマのガクルックス。謂わばサザンクロスの平和思考タイプのお二人。
デクルックスの傍若無人な行動に、ガクルックスは愛想を尽かし、ジーナは何やら真相を知っているかのように、彼のことを救って欲しいとレミ達に懇願する。
とは言いながらも、サザンクロスの行く末が全く分からず。色んな事がごっちゃになって、解決への糸口が掴めないままどちらこちらに往生しているなか、立海の参謀長である史也は思考に更けていた。
(ジーナとガクルックス。戦ってみて確かに脅威となる強さではあったが、実際にWGCから懸賞金を賭けて捕まえるほどのゲーム戦士なのか?)
ジーナは裏ゲームをゲームワールドにて仕掛けた事はあれど、無関係のガクルックスにも懸賞金を賭けられる程、というよりもサザンクロスに関わっていた人物を洗い浚い確保しようという考えのが近いか。
(彼女らが嘘を言っていない前提として、今問題と成り得るとすれば――――
ジーナ達以外のサザンクロス幹部か、その中でも危険因子と認識されているデクルックス。或いは……そのように告示している鳳凰堂孔雀の謀略か)
真実をどのように裏返してみても、本当に真理には伝わりづらい。リバーシのように白黒はっきり返すのとは決して安易な事ではないのだ。
これには史也が思う以上に、厄介な事に巻き込まれそうと考えたか。彼はプレイギアを取り出し、立海銃司に着信を掛けた。
因みに地底空間でも強い電波が飛び交って着信圏外になることは殆どない……………筈なのだが?
「――――? 銃司、返事をしろ。聞こえないのか?」
史也のプレイギアから何度か着信を掛けても、当の銃司からの受信は無かった。
「どうしたんですか? 急に独り言なんて」
等とレミも気になり、史也の様子を伺えば、
「………銃司からの応答が全く無い。着信が途絶えている」
まさに伏線情報渋滞か、アチラコチラで交錯するサザンクロスの謎と真実!
さて、これより果たしてどうなるか? デルタのデクルックスは何を企んでいるのか!? そして立海銃司の行方は如何に!!?
あぁ〜気になる多すぎて、作者は全部回収出来るか伏線タグ取り!
次回をお楽しみ致しまして、【GAME57】はこれにて読み終わり………なのですが。
―――Mr.F! たこ焼き食ってないで早く宣伝しなさい!!
『G兄さんだってたこ焼き食べて寛いでたでしょう!? いつの間にか前回と今回の語りを乗っ取ってさぁ!』
細かいことはぐじゅぐじゅ言わない! ほら、言いたい事があるんでしょ!?
『そうなんです! 実は『ゲームウォーリアー』『A.I.M.S』と続いてる【ゲームウォーリアーシリーズ】に新しい作品をやる予定なんですけど、その語りを私がやるんです!』
それ即ち、ゲームウォーリアーシリーズ第3弾! 本日のゲームで展開されました『拳華成闘』格闘ゲームをメインに繰り広げる、格ゲー小説を制作予定となっております!!
そしてその主役は、『ビーストハーツファイターズ』の三拳士、玲王・舞・龍青の三人!
先行登場した彼らの本場の活躍は、こちらで読むことが出来ます!!
来年2024年、近日公開予定です!!(言っとかないと作者が長引いてしまうから)
『皆さん、【ゲームウォーリアーシリーズ第3弾(仮)】にて、またお逢いしましょう〜!!』
はい、Mr.Fからの告知を終えました所で、今度こそ本日のゲーム、これまでッッ!! また次回!!!
▶▶▶ SEE YOU NEXT GAME...!!▽
今年2023年のゲームウォーリアーは、作者の転職に相まって極端に更新頻度が少なくなり、楽しみにしていた方には大変申し訳無い事をしてしまいました。
しかし作品の執筆に至りましては、本人は全然辞める気は無いとの事。そして必ずやゲームウォーリアーの完結を目標に書き続けると申していました。
ましてや今年、前作の『極限遊戯戦記 ゲーム・ウォーリアー』が、【第11回ネット小説大賞】の一次審査を突破していたとならば、尚の事やる気は残っていることでしょう。
来年は仕事との両立で、どれだけ書けるかは未知数ですが、それでも皆様の御期待に応えられるようなゲーム展開を魅せていこうと思います!
また次回お会い致しましょう、2024年・寅年!
2023年のゲームウォーリアー、これまでッッ!! 良いお年を〜☆ by Mr.G




