【GAME56-3】獣の魂を持つ格闘士!!
――新たなゲーム戦士どんどん出して、友達百人できるかな!?
なんて変なこと言ってないで、前回登場しました新たなゲーム戦士【ビーストハーツファイターズ】、略して『BHF』の三人が何者なのか。それを順々に紐解いていきましょ――――
「うんめェ〜〜〜ッッ!!」
……って言ってる側から肉まん食ってるし。
こんな感じで心の底から嬉しそうに、ガツガツと地底肉まんを頬張るたてがみのような赤毛の青年の名は、【赤城 玲王(20)】。パーソナルカラーは赤。
何でも彼は両親も出身地も全く知らないらしく、日本のとある名も無き島で、熊やライオン(!?)と喧嘩している所を偶然豪樹さんと出会って、飯を食わせてくれた事から意気投合したという滅茶苦茶な野生児だ。
おそらく彼が食事やら礼儀が壊滅的に乏しいのも、このような経歴があるからであろう。
「肉汁たっぷりの豚こまと、野菜を細かく刻んだ餡! それに皮も甘みがあって超おいちぃ〜♡」
こちらはグルレポ風ながらも、肉まんを味わい満面の笑みを浮かべるツインおだんごヘアの女子。彼女の名は【萌黄 舞(20)】。パーソナルカラーは黄色。
果てしなき大地の北海道で生まれた彼女は、米・野菜畑、酪農に至るまで数多の食を支える大農家の娘。とにかくご飯が大好きで、心優しくしっかり者。
「うむ、具材と皮の調和は完璧。特に皮は、最高の発酵状態を出さないとこの甘みには達せない。これを手作りで仕上げられる技術、わたしも伝授したい……!」
そして美食玄人的な感想を述べながら、思いに耽て肉まんを食す容姿端麗。長髪の青年の名は【武 龍青(20)】。パーソナルカラーは青。
日本と香港のハーフである彼は、両国の食文化に感化され至高の料理人になる為に、和洋問わず独学で料理の腕を上げていったという。
彼ら個性的な三人が、何故に格ゲー主流の武闘ゲーム戦士と名乗っているのか。そこもまた不思議と興味が湧いてくるがその話は後ほど。それよりも気になるのは、
「コイツぁ縁起がえぇやな! まさか玲王達と、こーしてまた飯を食えるなんて思いもせぇへんかった!!」
彼らを最初の教え子と称していた、豪樹さんの事が気になって仕方がない。おそらく剣たちシャッフルのメンバーと会う前である事だろうから、我々には知らない事が沢山ある事だろう。
BHFの話題ばっかりで、置いてけぼりのシェイパー兄妹二人が、思い切って質問をぶつけてみた。
「あの、豪樹さんも皆さんも、賑わってる所を割って申し訳ないのですが……我々も肉まんを御馳走になってる身として聞きたい事があります」
「一体貴方達の関係って何なんですのっ!? 長話にならない程度に教えるですの!!」
長くならない程に説明しろというのはちょっと厳しいですな。何しろあの作者の事ですしねぇ。
「ゲームワールドオンラインに『天翔道』って道場があるのは知っとるか?」
「え、えぇ……」
「確か、ゲームを勝利に導く108の武術【ゲーム拳】を直伝する道場だって、史也様から聞いたことがありますの」
「そのゲーム拳を師範する師匠に【マスター・金剛】という御方が居て、ワイはその門下生から成り上がって、同じくゲーム拳を指導するコーチになったんや。そんな初指導の時に来た門下生が、玲王・舞・龍青の3人だったんよ」
【GAME10】や、『極限遊戯戦記』にて名前が出てました道場・天翔道。
この物語から遡ること2年前。豪樹はその師匠であるマスター・金剛からゲーム拳の真髄を叩き込まれ、師も認める程の指導者に成長。晴れてコーチになった際に出逢ったのが玲王ら3人でした。
しかし、豪樹には自分だけのゲームジムを創る夢を持っており、その1年後にそれを叶える為に天翔道を去り、大阪・梅田にてジムを開業した。その後は剣とみのりに出会って以下省略。
――廻る因果の糸車、肉まんで再会して風車。各ゲーム戦士にそれぞれの歴史があり、それぞれ繫がる縁があるのです。
「なぁなぁ、青い目のふたり! お前らも結構強いのか? 試合とかやったりするのかぁ?」
「青い目!?」
「ちょ近っ、合って早々馴れ馴れしいですの!!」
肉まんを食べあった同士、早速玲王に懐かれたシェイパー兄妹はパーソナルスペースお構いなしの距離で質問攻めされてタジタジ。
「私たち、同じゲームワールドオンラインで【拳華成闘】っていうVR格闘ゲームで鍛錬を積んでるんです」
「もし貴方達も経験があれば、わたし達と一戦交えてみませんか?」
地球最大規模のオンラインネットワークで形成されるゲームワールド。別作品のFPSゲーム『A.I.M.S』も請け合っているように、最大級の格闘ゲームも同時にリリースされてる事など容易いこと。しかしシェイパー兄妹には敷居が高かった。
「いえ、僕たちは格闘系はちょっと……」
「フローレンも御兄様もフェンシング一筋ですので……」
「ふぇんしんぐ? それなんだ? ウマいのか?」
(もう、調子狂っちゃうですの〜〜!!)
立海の中でも個性的なフローレンでさえも勢いに喰ってしまう、野生児ファイター・玲王。
そんな彼にも、舞にも龍青にも、ゲーム戦士の魂であるPASが覚醒している。その詳細は同じPASの覚醒者であるシェイパー兄妹が見抜いていた。
(……それよりもフローレン、彼のPASを見たかい?)
(えぇ御兄様。あんな常識知らずの癖して、凄まじい闘気を感じますの。今にも闘いたくて仕方ない感じが……!)
そのPASの波動から成る形は、激しく躍動する生き物の形が見えていた。
(おそらく、あの玲王とか言う青年の赤いPASは――――獅子!!)
そして舞には黄色い九尾の狐、龍青には青い龍の加護が。
覚醒者には稀に見る、動物系のPASの持ち主であった!
(獣の魂を持つ格闘ゲーム戦士……成る程、“ビーストハーツ”とは言ったものだ。興味がある……!!)
兄・サーブルズの身体に感じ取った武者震い。彼も立海に選ばれし戦士として、彼らに得るべきものを悟ったのでしょうか?
地底空間の中で繰り広げる和気藹々の中で、またしても戦士達に迫りくる脅威が、BHFの真の力を垣間見る事になるのです。
鬼が出るか蛇が出るか、格闘バトルのゴングが鳴るのも近し……! ――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽
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