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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
4th STAGE―ゲーム戦士魂大爆発・本当の正義は何処だ……!?―
433/468

【GAME55-7】ブラックボックスが解き明かされるとき!!

◎――――――――――――――――――◎

 ◐AMAZING MIDWAY RESULT◑ 


 ☆ゲーム戦士チーム HP2900

 〔畠田レミ 手札:0枚 EG:③〕

 ・ユニットカード【ジョロキア・スパイダー】

 ・カスタム・ツールカード【メテオロッド】

 〔大門史也 手札:3枚 EG:11〕

 ・パーマネント・ツールカード【サモナークリスタル】

  ※フィールドカード【ガードポジション】【超電磁力空間】


 ★サザンクロス幹部チーム HP3500

 〔イプシロンのジーナ 手札:4枚 EG:⑧〕

 ・カスタム・ツールカード【ホーミング・ランチャー】

【チャージレーザー】【オメガキャノン】

  ・パーマネント・ツールカード【蓄電システム装置】

 〔ガンマのガクルックス 手札:2枚 EG:⑨〕

  ・パーマネント・ツールカード

【フォートレス・フォーメーション】

 ◎――――――――――――――――――◎


※畠田レミ、PAS発動! だが、彼女の『ブラックボックス』に異変が……!?

 毎度おなじみ、いざとなったら魂を込めろ!と勢い強く、畠田レミのPAS【ブラックボックス】が解き放たれた。しかし……?


(……ん? 彼女のPASに()()が生まれている。彼女の心に、何か変化を起こそうとしているのか)


 史也はいち早く、レミの様子がPASを通じて違和が生じてる事に気付いた。

 レミの『ブラックボックス』というPASは、真っ黒なキューブの形をしている以外に特徴がない。それ故に箱の中の構造が全くの謎。つまり内部構造が明かされず、中身が分からない箱を意味するのですが……?


 そのブラックボックスPASの外層に亀裂が。これはレミのアイデンティティが確立する前兆なのでしょうか。いや違う。この昂ぶるその覇気は、通常のものよりも激しいものと化している。ということは?


(彼女も倭刀と同じく、PASの【極限進化】をしようとしてるのか……!?)


 皆さんは覚えているでしょうか? 【GAME38】で倭刀がギガント加賀との決闘によって、肉体・精神的に極限まで追い詰められた時、覚悟を決めた事によって倭刀のPASが覚醒強化しましたね。

 彼の龍刀が()()()に変化した【極限進化】。レミの心の内に秘めたPASもまた、そな進化を遂げようとしております。


 彼女の心の形である『ブラックボックス』。それは構造が全く不明だった未知の中身が、己の手によって明かされるという事。

つまりは彼女のヒラメキの元となる原理が、我々読者含め第三者にも明らかにされるという訳なのだ。


 自分の魅力を、自信を隠さない。レミが虐待の被害によって長い事閉ざされた本心を開くとき。

 ……だが、本心への開放まであと一つ。彼女の中に心理に眠る“真の覚悟”が残されていた!


(……あの時、剣くんがGWクエストに出る前に強引に相談に乗らせて貰ったけれど……今この状況になってみて初めて分かる。―――自分を信じて戦う事が、如何に()()が要ることが……!!)


 全神経を、呼吸とともに集中させてPASの力を高めようとするレミ。次第に実現している『ブラックボックス』の箱の亀裂が忽ち広がっていくと同時に、己を許せる自分へと進化(かわ)ろうとしている!


「……何よ。PASを出したかと思えば、すーはーすーはー深呼吸ばっかじゃない! やる気あんの小娘ッッ!!」


 対戦相手も見てばっかはいられない。PASの波動を研ぎ澄ますレミの妨害に、完全装備・イプシロンのジーナの一斉掃射が彼女を襲う!


『カウンター・レスポンス発動』


「待ちたまえ、彼女の進化にキャンセルは無粋だぞ」


 ここは空気を読む史也様、レミの覚醒を楽しみにしている分、妨害は赦さぬと反撃のカードスキャン!


『アクションカード、【リバーストンネル】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈アクションカード〉

【リバーストンネル】

 属性:黄 EG:③

[カウンター]相手の攻撃時

 ・効果:相手の攻撃ダメージを無効にして、

 AP分のダメージを攻撃

 プレイヤーに与えられる。

 ◎――――――――――――――――――◎


 キャノン砲、レーザー、ホーミングミサイルの三大兵器の攻撃をスッポリ入れた巨大な筒。異次元をくぐり抜けて出口の筒へ、逆方向のジーナ側に戻ってきた!!


「きゃあっ!!」


 強烈な衝撃と共に砂埃たち籠もる湖上フィールド。だがしかし、ジーナを覆うガクルックスのPAS印【フォートレス・フォーメーション】の城壁によって無傷で終わる。


「ゲーム戦士の進化は、第三者の妨害は許されていない。敵味方共に見届けるのが鉄則だ。さもなくば私が君達を徹底的に潰す」


「うっ……」

「要らぬ事をしたなジーナ。暗黙の了解は崩すものではない」


 触らぬ()()()()()に祟りなしか。殺気にも似た視線で睨みつける史也に、敵陣の介入は許さなかった。


 そんな意味で全員から注目されるレミ。彼女は今、無の境地に入りつつ今までの思い出を、剣やみのり達と過ごしたシャッフルオールスターズとの思い出を振り返っていた。


 テトリスで遊んだ時に初めて剣とみのりに会ったこと。G−1グランプリにてゲームを本気になって戦う決意を固めたこと。スマッシュ・ブレイカーズで立海に完膚なきまでに叩き潰されたこと。

 様々な達成と挫折を繰り返し、彼女も心の赴くままに強くなることを信じて戦い抜いてきた。



 ………だが、それでも迷いは払い切れていなかった。



 友達を守るために戦うことを決めた彼女にも、力量不足や剣のような常識破りの能力を持つ仲間内で、チームに貢献出来ているのか。

 そもそも剣とみのりは、何故自分を親友として迎えてくれたのか。


 ――宗教虐待や、地底空間に移住した事を今までずっと隠した自分を、今も尚彼らは親友として疑わなかったのか。


 畠田レミはその忌まわしき過去を全てを曝け出して桐山剣にカミングアウトした。彼が地底空間からGWクエストに向かう直前に、二人きりで。

 そして彼女が全てを明かしたとき、剣はこう言った。


 ■■■■■■■


『……そんなん、俺も、みのりも、槍ちゃんも倭刀も穂香も豪樹さんも。皆がレミの事を好きだからに決まってんじゃん』

『――――――!!』



 剣自らが代表して、レミを“好き”と断言したのはこれが初めて。それはみのりのような純粋な友情愛や恋愛とは全く異なった、清純な興味からなるものだった。


『初めてレミと出逢って、ゲームワールドでテトリスを殿堂入りした後に一旦別れて、翌日同じ高校でばったり会った事は覚えとるやろ? あれって俺的には偶然とかじゃなくて、()()だと思っとんねん』


『…………必然?』


『人の縁って不思議やで。心に刻まれた人と一度出会ったら、たとえ離れてもまた会えるように出来てるらしい。つまり――――俺もみのりも、お前が好きになったからこうして繋がれたんや』


 剣は嘘偽りを親友の前で言った事は一度もない。正真正銘、彼が本気で思った事を真剣な眼差しで、レミの前で口にした。それが余計に彼女の涙腺を狂わせた。


『何であんなパズル上手いんやろ、勉強嫌いなのにルービックキューブも20秒位で解けちゃうし、数枚カードを混ぜるだけでレアカードを創れる!

 そんな天才なお前を、俺が嫌いだなんて思うか? みのりも絶対そんなん思わんやろ?


 ―――皆がお前を好きだから、“頑張れ”って言ってくれるんだろうが!!』


『……………ぅ、すっ、ひぐぅぅ……』


 一度歪んだ涙腺から、大粒の涙が彼女の額から滴り落ち、止まらなくなる。大声で泣きたい。けれど今は0時近い深夜。宿舎で泣き叫べないのを必死で堪えつつ、手で涙を抑え込むレミ。

 それを剣は、彼女の背中を撫でるようにして慰めていく。


『レミは十分強いぜ。虐めてきた奴よりも自分らしく生きて来られた自分が一番強い。だから、もっと自信持っていけ。レミの発想力はスゲェんだって、俺や皆に胸を張れる自分になっちゃえよ!!』


 十年以上、地底や毒親の影響で泣き叫べなかったレミの本当の慟哭。剣の胸元がミュートの代わりとなり、その悲痛は親友の中で鎮められた。

 この後、剣は話を聞いてくれた礼にレミから《剣に名を馳せし覇者 アース・ペンデュラム》のレアカードを手に入れ、GWクエスト制覇の決定打となっていくが……それはまだ彼女には知らない事であった。


 ■■■■■■■


 ―――史也に鼓舞された、剣に信頼された、みのりに戦うことの勇気をくれた。

 敵味方問わず、ゲームで通じ和えた縁がレミを強くしてくれた。


 さぁ、己の過去に縛られる時間はもう終わりだ! ブラックボックスの黒い箱が本来の自分を隠すものならば、ぶち壊すのは今しかない!!



(もうあたしは迷わない。自分の強さを疑わない! 今あたしが持てるヒラメキを、知性を、全てこのゲームにぶつけてやるんだ!!


 ――――剣くん! みのりちゃん!! オールスターズの皆!!! あたしに力を貸してええええええええええええッッ!!!!)


 一点集中からカッと目を見開くレミ、悟りの刹那!!



『――――人ヲ信ズル心ハ、更ナル叡智ヲ育ム。ソノ先ニ待ツモノハ、不可能ヲ可能ニスル知恵ノ構造!!』


 PASの波動と共に響き渡る清き声。倭刀の時と同様に、意志を持ち始めたレミのPASが己に呼び掛けてくる。



『サァ、未知ノ箱ヲ破リナサイ。極限ノ知識ヲ授ケタマエ! 覚醒セヨ、【パーペチュアル・モーション・マシーン】!!』


 黄色いPASの波動が凄まじい波を発したと共に、黒い箱のブラックボックスが遂に崩壊した!!

 その中から現れた立体構造は………おおっ!?



 ギザギザの車輪のような円形の周囲に、不規則に位置する棒とおもりのような球体。

 というよりも、下側のおもり棒が重力に従って垂れ下がっているように見える。……だが待てよ、この形の立体は、何処かで見たことあるような……?



「…………なる程、畠田レミのPASの正体は、【永久機関】だったのか!!」



 好奇の目で、覚醒したレミのPASを見つめる史也。理系が興味を惹かれる程の不思議な構造をしたPAS。

 果たして、その効果はどのようなものなのか!? かなり引っ張ってしまってるが年内の決着は約束します! ――本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽


小説を読んで『面白かったぁ!』と思った皆様、是非とも下の「ブックマーク追加」や感想・レビュー等を何卒お願い致します!


更には後書きと広告より下の評価ボタンでちょちょいと『★★★★★』の5つ星を付けて、作者やこの物語を盛り上げて下さいませ!


次回もゲームウォーリアーをお楽しみに!!

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