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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
4th STAGE―ゲーム戦士魂大爆発・本当の正義は何処だ……!?―
430/468

【GAME55-4】確率10億分の1枚・切り札を暴け!!

◎――――――――――――――――――◎

 ◐AMAZING MIDWAY RESULT◑ 


 ☆ゲーム戦士チーム HP2900

 〔畠田レミ 手札:2枚 EG:②〕

 ・カスタム・ツールカード【メテオロッド】

 〔大門史也 手札:2枚 EG:④〕

 ・ユニットカード【リフレクション・エスパー】

 ・パーマネント・ツールカード【サモナークリスタル】

  ※フィールドカード【ガードポジション】【超電磁力空間】


 ★サザンクロス幹部チーム HP3500

 〔イプシロンのジーナ 手札:4枚 EG:①〕

  ・パーマネント・ツールカード【蓄電システム装置】

 〔ガンマのガクルックス 手札:1枚 EG:⑤〕

  ・パーマネント・ツールカード【ブロックドーム】

 ◎――――――――――――――――――◎

「《策略式トラウマ切除》の墓地効果。フィールド上のユニット、《リフレクション・エスパー》を墓地に送り、[リターンバック]能力を発動する」


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈ツールカード〉

【策略式トラウマ切除】

 ・属性:黒 EG:②

 ・効果:カード名を1つ指名する。

 自分は相手プレイヤーを選び、そのプレイヤー

 の手札を公開して、指名した名のカードを

 全て墓地に送る。

[リターンバック]:自分フィールド上のユニット

 を1体墓地に送る。

 ◎――――――――――――――――――◎


 いよいよ勝負の時が来た。《策略式トラウマ切除》の墓地効果[リターンバック]により、相手プレイヤーの手札の中に隠された切り札、その()()()()を当てる大一番。

 立海遊戯戦団・参謀長、大門史也の智力の見せ所だ!


「カードの発動から、カードの対象を選択するまでの思考時間は1分。その間に私は、お前達が隠し持つ切り札を当てる……!」


 アメイジングのルールでは、カードの効果発動から対象を選択するまでの思考時間を1分設けられている。

 それまで対戦相手・味方はカウンター・レスポンスによる横入りや攻撃は出来ないが、それまでに対象選択が出来なければ効果発動は無効となってしまう。


 つまり、史也が切り札を当てるシンキングタイムはたったの1分、秒換算で60秒。この短い時間で無数のアメイジングカードの中から、1枚を選ばねばならない。


 史也の《リフレクション・エスパー》が墓地にリリース。この瞬間、対象選択の60秒のカウントダウンが始まる……!!



(まず、現在の時点で発行されたアメイジングカードの総枚数は1248962468枚。だがこの場における戦状況、対戦相手のデッキスタイル、そして私やレミを一網打尽にさせる事が可能なカード。ここから絞り込めば推測は容易いこと。


 ――――もう決して、中途半端な使命は果たさん。立海に名を馳せる智謀のゲーム戦士として、その真実を暴く!!!)



 ……大門史也の脳内、幾千の知識が詰まった頭脳図書館の索引が始まった。


 アメイジングカードの総枚数が十桁を行ったという事は、一、十、百、千……からの十億枚。コスパも安いことから日本人口以上の枚数を誇るカードゲームから一枚を探す事は、我々としては無謀かと思われた。

 だが史也は、それを超越する覚悟で、思考時間に右脳回路フル稼働。他者からの介入も許さぬ無我の極地に入る。


 答えを索引する為に、史也は先ず周囲における状況からカードを絞り込む。


 史也たちが戦う対戦相手、サザンクロス幹部・イプシロンのジーナが繰り出すデッキのタイプは機械系ユニット、黄属性を主とする。

 そのパートナーであるガンマのガクルックスも機械系、だがメインアタッカーのジーナをサポートする為、打ち消し・妨害をメインとした青属性を多く採用されている。


 ここから成るキーワードだけでも、総枚数から3/10までカードを減らせる。


 残すはそのワードから更に細かい類に分けること。黄属性、機械系ユニットから関連するカード。

 ファイティングスタイルや相性からして加えられるだろうカードも補足として絞り、更にコンボとして2枚以上の連携に繫がるカード。

 3枚以上のカードを発動して『超越必殺技(エクシードストライク)』に繫がる組み合わせ等も推測しながら更に奥を深める。


 まさに人間の個性が、50枚のデッキからして成り、敵を陷れる為に小賢しい知恵を使って投入した一枚のカードを、極僅かしか出ない稀少な部分を史也は必死に探ろうとした。


(何て凄い気迫なの……!? でも相手の手札を当てるなんて、自分のデッキから思考して動く事よりも何十倍も難しいのに……!)


 レミですらも横入る事の出来ない、参謀長史也の極限熟考。仲間である彼女には彼を助ける事は出来ず、ただその智力に祈るしかない。


「……あんなの、無理に決まってるわ。確かにあたいのデッキには機械ユニットと黄属性しか無いけど、それでも何枚カードがあると思ってんのよ」

「仮に覚えていたとしても、VSX以外に大したカードを出してない盤上で切り札を当てるなど……とても為せるとは思えん」


 ジーナもガクルックスも、史也の行動は無謀と、頑なに有り得ない事を主張する。せっかく掴んだ好機をこんな無茶で潰えたくない気持ちの強さか、それとも己の力量の誇示故か……?


 膨大なカードから詮索する史也の脳内図書館。1分間のプレッシャーがあるにも関わらず、彼は焦燥する姿を一切見せずして僅か38秒。



「――――――分かったぞ。10億枚/(分の)1枚の答えが」


 隠し持った切り札の結論が、繋がった……!!!


「え、は、早い……ッ?!!」


 レミは驚愕した。まだ思考時間を半分少々しか使わずして導いた結論。期待とは裏腹に、不安も同時に湧き上がる。


「何よ、随分余裕に時間使わなかったじゃない。じゃあ当てれるもんなら当ててみなさいよ!」

「良いだろう。ならば()()()()()に見られないよう順序立てて説明してやる」


 お願いですから、御都合展開とかは言わないで下さい……(焦)



「まず第一に、アメイジングカード十億枚とはいえ、この場においては【一枚で勝利に直結するカード】が優先条件に挙げられる。


 数枚を連携させるエクシードストライクやコンボの可能性も考えたが、ジーナは《精神統一》で3枚カードをドローした時に強気になった。という事は、そのドローカードから1枚のみを待ち望んでいた事に繫がる。これだけでもカードはかなり絞られる」


「うっ……」


「第二に、その切り札が手中に収めたにも関わらず、長い時間溜めていたという事は、EGも相当重いカード。

 かと言って、コンバインカードのような中型では無いという事と、相方のガクルックスが打ち消しのカードを多く用いてる事から、相手の出方を挫いて強大な切り札を出せる事を目的にしてるとすれば、合点がいく」


 なる程〜と語りを忘れて感心する私、Mr.Gですが……史也が結論付けて語るうちに、徐々に隠し持つ切り札の核心へと近づいていく。


「第三に、黄属性カードは、主に相手の行動を束縛させる事が得意な電気系・機械系を多く採用されているタイプだ。


 先程のコンバインカードのように個々と連携してパワーを出すものが多い。そんな手間を掛けるような切り札とは到底思えない。大半は推定に外される。

 カスタムツールといった武器も3000近い我々のHPを一気に削ぐカードは、デッキの適性からして持っていない」


(やば、これ学校の勉強よりも聞きやすいわ。史也さん学校の先生に向いてるかも)

 レミちゃん、ゲーム講座は授業には出ませんよ。


「したがって、これらから結びつく結論からして……イプシロンのジーナが隠し持つ切り札の内容は【単体で協力かつ決定打となるカード】。即ち大型ユニットの可能性が一番高い事に繫がる」


「……………!!」


 ジーナの反応に手応えあり! という事はこの結論に疑いは無し。あとは大型ユニットの能力から、戦況を覆すカードが存在するかどうか……?


「だが、ただ単にパワーが大きければ良いものではない。レミが仕掛けたツールカードや、ユニットを潜り抜けられるような全体対象型の効果が必須。かといって、全体破壊で除去しても墓地から回収されれば、一時は戦況を取り返せる。


 たかが1000程のAPを持っていても、相手の手札が潤えば壁となるユニットや除去も容易い。

 PASまで覆せるとまではいかないが、戦況を立て直すのに時間を掛けさせる手段としては―――――“バウンス”。早い話が場のカードを戻す手段が無難だ」


 ……でもそれだと、手札に戻されたカードがまた場に出されたら早いうちに立て直されるんじゃ……?


「カードバウンスには()()()に戻すカードも存在する。これならサーチを使わない限り場に返すことはかなりの枚数と時間を費やす」


 こんな語り部の疑問も直ぐに論破してしまうとは、いやはや恐れ入ります!


「こうして一掃された場に巨大ユニットが一体。壁を出されようにも押し切る可能性のが高い。

 攻守共に申し分なく、オールマイティに備わった能力を持った黄属性・機械系ユニットは……存在する。

 それもお前の凝り固まった趣向に沿って、フィニッシュに相応しい切り札が……!!」


 さぁいよいよ、その切り札のベールが剥がれる瞬間が来た。カード名を唱える前に、そのカードの詳細も教えて頂ければ!


「勿論だ。その切り札の内容は、EGが10。APとDPが共に1000。

 そして能力は、そのカードがフィールドに出た時に全員の手札・フィールド内のカードを全て持ち主のデッキに戻す起動型効果。

 更にそのカードはブロックされないステルス機能を持った、磁場をモチーフにした巨大機械型ユニット。今の戦況下において最も覆す威力を持つ」


 ここまで来れば、あとはカード名を答えるだけ!


 さぁ大門史也さん、勝負の時ですよ。イプシロンのジーナが、4枚の手札の中で隠し持った切り札のカード名は…………何ですかッッッ!!?




「―――――【超電導最終兵器・マグネスターG1000】!!!!」




 ◎――――――――――――――――――◎

 〈ユニットカード〉

【超電導最終兵器・マグネスターG1000】EG:⑩

 ・属性:黄 ユニット/マシン

 AP:1000 DP:1000

 ・能力:①このカードがフィールドに出た時、

 フィールド上・全てのプレイヤーの手札を

 持ち主のデッキに戻し、シャッフルする。

 ②このカードはユニットやプレイヤーによって

 ブロックされない。

 ◎――――――――――――――――――◎



 イプシロンのジーナの手札に、そのカードは入っているのか!!?







「…………………嘘…………でしょ………!!!???」




 〔イプシロンのジーナ 手札:《超電導最終兵器・マグネスターG1000》確認〕



 正解だァァァァァーーーーッッッ!!!!!! うわぁ凄いッ!! 久々に私も興奮してますがな、どうしましょどないしょ(笑)



「史也さん、ほんとに当てちゃったぁ……!!」

「有り得ない……! どういう事だ、それこそ御都合主義では無いのか!?」


 えぇい、作者の作風にケチ付ける者の抗議は一切認めません!! ()()はキャンパスで行うものです!!


「これでも不安定要素はあったのだが……勝利の女神を崇拝するのも、悪くない」


 等と言いながらも、右脳フルスロットルに展開した故に疲労を見せつつ、《策略式トラウマ切除》の効果でジーナの切り札は墓地送り。実にお見事、もう一つオマケにお見事!!


「史也さん……よく考えたら、PASの力も使わずにやり遂げちゃうなんて……! どうして出来たんですか!?」


「私はただ………ゲームの知識を得ることが好きだった。それを実践してモノにしただけだ」

「………あたし、こんな人をライバルにしてたなんて。浅はか過ぎましたね」


「私を好敵手に思うのなら……もう少し学童に勤しみ給え。基礎の知識無くして応用は出来ん。課題をすっぽかすようでは論外だ」

「……………は〜〜〜〜い」


 レミちゃん、一本取られちゃいましたね。


 だいぶ話数稼いじゃって申し訳御座いませんでした! 切り札的中一発勝負はこれまで、いよいよゲームもクライマックスに突入します!!



 ――本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽


小説を読んで『面白かったぁ!』と思った皆様、是非とも下の「ブックマーク追加」や感想・レビュー等を何卒お願い致します!


更には後書きと広告より下の評価ボタンでちょちょいと『★★★★★』の5つ星を付けて、作者やこの物語を盛り上げて下さいませ!


次回もゲームウォーリアーをお楽しみに!!

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