【GAME54-9】大門史也、脅威前兆・第六感!!
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◐AMAZING MIDWAY RESULT◑
☆ゲーム戦士チーム HP2900
〔畠田レミ 手札:2枚 EG:⑤〕
・カスタム・ツールカード【メテオロッド】
〔大門史也 手札:0枚 EG:⑥〕
・ユニットカード【リフレクション・エスパー】
・パーマネント・ツールカード【サモナークリスタル】【刺毒の極意】
※フィールドカード【ガードポジション】【超電磁力空間】
★サザンクロス幹部チーム HP3500
〔イプシロンのジーナ 手札:5枚 EG:④〕
・パーマネント・ツールカード【蓄電システム装置】
〔ガンマのガクルックス 手札:2枚 EG:⑥〕
・パーマネント・ツールカード【ブロックドーム】
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※丸腰のサザンクロスチーム、しかしジーナの《精神統一》によるドロー促進によって潤う手札。そこから史也の第六感が働き始める……!
――遂にサザンクロス幹部チームのHPを減らしたレミ・史也。
しかし丸腰状態から逆転へのプロセスを作るかのように、ジーナが手札の増加を図り、また戦いの雲行きが怪しくなってきたところだ。
「よし、それなら私も防御に費やせる。ユニットを出しておくぞ」
ジーナのしたり笑いに反応し、陣地を固める方が吉と睨んだガクルックス。カードスキャン!
『ユニットカード、【旋風の大鷲】!!』
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<ユニットカード>
【旋風の大鷲】EG:③
AP:200 DP:200 AS:5
属性:白 ユニット/バード
効果:[フライヤー]
①このカードがフィールドに出たとき、
フィールド上のツールカードを1枚破壊する。
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「《旋風の大鷲》の召喚効果、パーマネント・ツールカードの《刺毒の極意》を破壊する!」
雲をもつんざく巨大な翼を持つ鷲ユニット。大きく羽ばたいたかと思えばそこから旋風を呼び起こし、史也のパーマネント・ツールカードを吹き飛ばそうとするが。
「カウンター・レスポンス。破壊前に《刺毒の極意》の効果で、《旋風の大鷲》を【毒】状態にさせる」
破壊されるなら、先に使ってしまえ起動効果。史也の抜かりない智略プレイは最大限にカードを使いこなす利点にあり。
《旋風の大鷲》はこれで毒に侵され、《刺毒の極意》はそのまま破壊。
(……最後まで牙を向けさせる所は流石立海の参謀と言った所か。だが無駄なことだ。ジーナの切り札と、私が温存したカードを使えば、例え参謀と一般JKとて無事では済むまい!)
史也さんとレミちゃんとで、エライ差を付けられた言い方をされてますが……やはりサザンクロス幹部の二人には、決定打となる切り札が各自手札に揃えていた!
「どうしたの、もう反撃はおしまい? 早くしないとコンバイン以上にやばいカードが来ちゃうかもよ~?」
等と故意的に煽りに立てるギャルっ娘のジーナ。ただでさえ手札豊富で警戒せざるを得ない状況で、止せばいいのにニヤケが止まらない小娘。
「不気味ね……一体何を企んでるのよ!」
もし彼女らがこの切り札の存在に気づかなければ、手遅れの詰みにもなりかねない。
そうでなくてもレミの武器も《メテオロッド》のみ、更に史也の手札も0という不安要素があった。
(どうしよう……史也さんの手札は無いし、あたしの武器も牽制くらいしか役に立てない。もうそろそろ、PASとか使うべきかしら……?)
このアメイジングバトル、時間と共にゲームが進むルールから、躊躇が長引くとどんどん不利に押されていく。となれば、自分の持てる能力は出せるうちに出す方が得策だ。
いざとなったら魂を込めろ!でPASを使うも宜し、プレイヤースキルを使うも宜し。そろそろアメイジングも奥の手を使う所まで来たか?
「レミ。私はまだ、君にPASとプレイヤースキルを使わせるつもりは無い。今持てる手札でやれることを全力投入しろ。サポートは私に任せるのだ」
なんて頼もしいパートナーなんでしょう! 焦燥に走りかけたレミにブレーキを掛け、やるべきことを再確認させた史也。伊達に立海の参謀長を名乗ってはいない!
「………分かりました! だったらこれ!!」
『ツールカード、【リサイクル】!!』
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〈アクションカード〉
【リサイクル】
・属性:白 EG:④
・効果:自分の墓地に置かれたカードを1枚
持ち主の手札に戻す。
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「破壊された《ジョロキア・スパイダー》を手札に!!」
おそらくレミは、《リサイクル》を使う前に史也のサポートをしようと思ったことでしょう。だが史也自身がそれを拒否し、レミ自身に出来る事を最大限活かすことを促された事で、このカードの発動へと導いた。
それがエースカード、《ジョロキア・スパイダー》の再利用だ!!
「今あたしに出来るのはこれしかありません。EGが溜まるまでは温存させるつもりで! 史也さん、後はお願いします!」
「タイミングは不十分だが、上出来だ。ではその期待に応えるとしよう!」
史也もレミの為した事を若干指摘しつつも、それに応じてサポートに徹する。
その内容は―――今回のゲームで初の起動、プレイヤースキルだ!!
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・大門史也のプレイヤースキル
【知識蓄積】発動!
EGを⑤消費して、デッキから
カードを3枚ドロー!!
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「プレイヤースキルでカードが引けるスキルだと!?」
「そんなのずるーい!!」
等と文句と一驚が木霊するサザンクロスチームの捨て台詞!
「“用意周到”と言いたまえ。手札は知識の象徴。ネタ切れを起こす参謀など三下にも劣る」
それに言い返す台詞も知的なオーラが漂う史也。枯渇していた手札が一気に3枚も増加された。
「……ふっ、どうやら私のデッキはごきげんらしい。これでお前達の出鼻を挫かせてもらおう!」
もう既に史也の知性回路には、サザンクロス幹部の隠し持つ切り札の存在に気付いていた! それを証明するかのように発動させるツールカード!!
『ツールカード、【カラーズ・パニック】!』
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<ツール・カード>
【カラーズ・パニック】EG:②
属性:無
効果:プレイヤーを1人対象し、
属性を1色選択する。対象プレイヤーは
手札を公開し、その中から選んだ属性と
同じカードを1枚墓地に送る。
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「「ッッ!!?」」
切り札を温存してると読んだ史也の対処法はズバリ、“手札破壊”!!
そこから属性を選択し、ピンポイントでその切り札を撃てばこの脅威は無くなるという訳だ。
「対象はイプシロンのジーナ。君が手にした切り札とやらを排除させてもらおう」
「そっか、手札から破壊すれば召喚効果も無いまま打つ手を潰せる!」
レミちゃんの言う通り! これでジーナが隠し持っている切り札を使わずして――――
『カウンター・レスポンス発動』
……え、ちょっとぉ!? 語る前にレスポンスは卑怯でしょう!!
「うっさいバーカ!! そんなのとっくに読んでんだよ!」
何とレスポンスしたのはクソ生意気……失礼。反抗盛のジーナ! ガクルックスではなく彼女が繰り出すカウンターカード!
『アクションカード、【対象消去バリアー】!!』
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〈アクションカード〉
【対象消去バリアー】
・属性:黄 EG:②
・効果:ユニットカード以外のカードの
発動を打ち消し、破壊する。
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ジーナの前に展開される見えない電磁バリアーによって、史也の《カラーズ・パニック》の発動は空中消滅。そのまま打ち消し破壊されてしまった!
「…………!」
「そんな……!!」
このレスポンスによって、レミにも危機的状況が理解してきた所。ジーナがここまで抵抗するほどに、手札の中に眠る切り札を護ろうとした事により、追い詰められているのは自分達だと認識されたのだ。
「舐めるなはこっちの台詞よ、ゲーム戦士共。伊達にゲームワールドのエリアを服従させたり、WGCの雑魚を倒した訳じゃないわよ!」
確かに、【GAME15】にてパズルファクトリーエリアの人々を拘束し、混乱を引き起こしただけの事はあるイプシロンのジーナ。攻守共に凡人とは引けを取らない。
さぞ緻密な構成で、脳内に戦略を練ってきた史也ではあるが、打ち消しを遭った事によって予定は崩されたが、未だに冷静のままだ。
「……だが今のは、かなりの予想外だったな」
「史也さん……!」
レミの不安の色が濃くなる。何しろ得体の知れない敵の切り札が控えているというだけで、彼女の喉がはち切れそうな気分だからだ。
「……泣きそうな眼で私を見つめるんじゃない、レミ」
「でも今のは相当……」
「手札破壊なら……まだ私の手の内にある」
という事は、まさかの2枚連続とか……
「違う。私は桐山剣のような、切り札を100%引けるようなアホチートな極運持ちではない」
(アホチートって……まぁ気持ちは分かるけど)
駄目ですよレミちゃん、剣さんの前じゃお口チャック!
「じゃ他に何を……?」
「私の墓地を見たまえ。前に《サモナークリスタル》で捨てたツールカードがあるだろう?」
史也の墓地と、決闘のログから照らし合わせてレミがカードを確認するならば。
「………もしかして、【策略式トラウマ切除】?」
何か物騒なカード名ですが、内容はこちら。
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〈ツールカード〉
【策略式トラウマ切除】
・属性:黒 EG:②
・効果:カード名を1つ指名する。
自分は相手プレイヤーを選び、そのプレイヤー
の手札を公開して、指名した名のカードを
全て墓地に送る。
[リターンバック]:自分フィールド上のユニット
を1体墓地に送る。
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「そのカードが墓地にあり、私のユニットを墓地に送る事で[リターンバック]が発動できる。これは墓地からこのカードを発動できる能力だ」
「それじゃ、それを墓地から発動させれば……」
「カード名を指定して、それが当たれば手札破壊達成という訳だ」
早速にして史也は、墓地内の【策略式トラウマ切除】の[リターンバック]能力を発動させるために、フィールド上の《リフレクション・エスパー》を墓地に送る。コストを満たした所で、改めてカード発動。
しかし……このカードで手札破壊をさせるのは、余りにもリスキーな行為だ。
「そうよ! 厳しすぎるわ!! 《カラーズ・パニック》みたいに属性を選ぶんじゃなくて、カードの名前を当てなきゃいけないんでしょう!?」
レミが狼狽えるのも無理はない。現在の時点でアメイジングカードは何百、何千万枚ものカードが生産され、その中から1枚を搾り取って、そのカード名を当てるというのはウルトラクイズでも出さない問題だ。……古すぎるかな?
「何故厳しいと判断できる?」
「いや、え?? だって、何のカードか分からないのに………………
―――――まさか史也さん、本気で当てる気なんですか???」
「私は立海遊戯戦団の指揮を任された参謀長だ。今置かれている戦況と、論理から見いだせれば不可能ではない」
どうやら本気で、幾多のカードから1枚のカード名を当てるつもりらしい……!!
「そこの小娘と同感よ。アタイ達そこまで舐められてるのかしら?」
ジーナの言い分も分かるが、史也の性分から侮辱するほどではないだろう。
「……では逆に問うが、そのジーナが持っているという“切り札”を出された後で、本気で勝てると思っているのかね?」
「でも………」
「君の性分を逆撫でする程に煽る輩だ。それほど自信有りげにさせる“切り札”が近いうちに投入してくる。
『今なら何とかなる』『奇跡が起きれば』なんて夢物語みたいな事をほざいて、いざ出されてもまたやり直せるなんて思っているのか。日本列島に弾道ミサイルが落とされても、Jアラートで何とかなると本当に思ってるのかね?」
誰もそんな事言ってませんよ!!!!?
「後者は冗談として。レミ、君の信頼している仲間が、どうして銃司と張り合えるまでに強くなったか。身近にいて何か気付いた事でもあるか?」
「…………!」
「私は倭刀と一戦交え、銃司と桐山剣の激戦も観てきたからこそ辿り着いた結論がある。―――――【決して後悔を残すな】。それが今の畠田レミの魂に響いてはこないのかね?」
――――大門史也は何故、この何気ない状況下で一世一代の大博打に挑もうとするのか?
そして畠田レミに問いた、【後悔を残すな】という意味は。
それは史也自身の過去、それも立海先代城主・立海丈との間柄で起きた後悔が物語っていたのでした……!!
この続きは、次回の【GAME55】の決闘後半戦にて詳しくご説明すると同時に、本日の【GAME54】はこれにて読み終わりで御座いますッッ!!
▶▶▶ SEE YOU NEXT GAME...!!▽
▶▶▶▶ NEXT GAME WARRIORS ▽
立海遊戯戦団先代城主・立海丈の死に直結した原因を造ったのは自分だと主張した史也。
その取り返せない“後悔”が、立海遊戯戦団・参謀としての意地を炸裂させる!!
小説を読んで『面白かったぁ!』と思った皆様、是非とも下の「ブックマーク追加」や感想・レビュー等を何卒お願い致します!
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次回もゲームウォーリアーをお楽しみに!!




