【GAME54-6】一般女子学生の主張、戸惑い悩む心!!
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◐AMAZING MIDWAY RESULT◑
☆ゲーム戦士チーム HP2400
〔畠田レミ 手札:3枚 EG:⑧〕
・カスタム・ツールカード【先読みの松明】
〔大門史也 手札:1枚 EG:⑩〕
・パーマネント・ツールカード【サモナークリスタル】
※フィールドカード【ガードポジション】【超電磁力空間】
★サザンクロス幹部チーム HP4000
〔イプシロンのジーナ 手札:2枚 EG:③〕
・ユニットカード【機械荒らしの調査兵】
・パーマネント・ツールカード【蓄電システム装置】
〔ガンマのガクルックス 手札:3枚 EG:⑥〕
・ユニットカード【異次元サポーターマシン・UT】
※コンバイン・ユニット【トライフォートレスロイド・VSX】
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※畠田レミの苦悩、揺らぐ精神の狭間に大門史也はどう動く……?
――畠田レミ。彼女もまた、己の置かれた状況や立場を踏まえずに考えている訳では無い。
サザンクロス幹部二人の心情、WGCの副管理者・鳳凰堂孔雀の指揮の元で彼らを確保せんと向かう、自分と史也。
果たして、レミにとっては何を行う事が“正義”なのか。17歳の女子高生らしき若き葛藤が、ゲームの行く手を妨げようとしていた。
「もう少し頭を整理したまえ、畠田レミ。我々地上の人の治安を握っているのは鳳凰堂孔雀。そして彼女らは、治安を仇なす者として鳳凰堂に指名手配された犯罪者だ」
「それは上辺だけの話じゃ……!」
「そもそもだ、彼女達が全てにおいて真実を話した保証は無い。あれだけの会話だけで白黒付けられるのは弁護士か裁判官くらいなものだ」
「…………ごもっとも」
グウの音も出ない史也の正論。これに圧されてはレミも煮え立つ頭を冷し、無意識のうちに深呼吸をして気持ちを抑えた。
「ごめんなさい……あたしはみのりちゃんみたいにメンタル強くないし、穂香ちゃんみたいにゲームに強くもない。だからその分、余計な事を考えちゃうんです」
「それは、以前の【スマッシュ・ブレイカーズ】の時も同じように葛藤していたのか?」
「…………はい」
懐かしいですね、【GAME18〜21】に渡るシャッフルと立海のチームゲーム『スマッシュ・ブレイカーズ』。あの時もレミの不甲斐なさで相当参ってましたが、みのりのフォローもあって克服してました。
ですが、今回のゲームに至っては少し難題であった。
「―――あたしも、宗教虐待とか地底空間出身だからというだけで仲間外れにもされたし、いじめも酷かった。そんな時に手を差し伸べてくれたのが、剣くんやみのりちゃんなんです。
そんな大切な人が突然居なくなったら悲しいし、その人達に教えてくれた事が全部悪いことだって言われたら、私に信じられるものが何も無くなっちゃう。死にものぐるいに逆らうと思う」
確証の見えない正義を翳し、それを大いに振るうことの恐ろしさは、戦争を知る者が思い知らされた事でしょう。
そして今日も、この小さな世界観の中で、世界の何処かで仮初めの正義を翳して愚かを晒す者達は大勢居る。
しかし、そんな中でも何かの為に、必死に戦い抗う者達は決して忘れてはいけない事がある。
―――――何のために戦うのか。
目的が見つからず、闇の中で徒に武器を振るう者は、何れ大事なものを失うことも知らずに自分も破滅するだろう。
気持ち悪い程に違和感を覚えていたレミの心境には、穂香や倭刀を救う事を第一としつつも、その為にサザンクロス幹部の身柄を鳳凰堂に送り出す事への躊躇いが。
非を認めつつ、他者には実力を凝視しつつその功績を認める懐の深い為政者と名が通る鳳凰堂孔雀。
何故に彼女が宗教団体であるサザンクロスや、元オフィシャルプレイヤーであり仲間の天野槍一郎を陥れようとしたのか……?
この世に純白の為政者など存在しないというが、それ以上に恐怖を感じさせる黒さが鳳凰堂にはあると、レミも心の中で感づいていたのだった。
このまま上層の言いなりになって、媚びへつらいながら放っておけば、良からぬ事が起きるだろうと……!!
「…………………………」
そんな彼女の本心を、淡々と傾聴していた史也。それより何より物凄いのは。
「あーーーもうっ! 何でユニットで攻撃しても当たんないのよ!!」
「これが空気を読めという威圧の回避力という訳か……!!」
レミと史也が口論してる中でも、ジーナとガクルックスはユニットに攻撃コマンドを繰り出すも、ノーダメージのまま。
早い話が、ゲームの最中でシリアスに話し合う中で奇襲してくる敵の攻撃を全部回避してる事!!
このゲームがノンストップのアクティブタイム制である故の性か、仲間同士の話し合いに待ったをかけない敵の攻撃を、風のように促している御二方。話の水を指すことがどれだけ野暮な事かを証明しているようだ。
「これだけは断言しておく。相手の情に流されてもろくなことにはならん。『戦わなければ生き残れない』を地で行くこの時代に、負けて得るものなど何も無いのだからな」
「…………弱い人は、ただ喰われておしまいって訳ですか」
「それだけ混沌してる時代だ。銃司や桐山剣のようなチート能力を持つ者は負けをも糧にするだろうが、我々はそこまで強くない。
―――ならば力のない分、己が蓄えたこの小賢しい知識・戦術・ヒラメキを持って勝ちを手に入れるしかない。それがブレインのみが為せる能力だ」
「じゃあ史也さんは、何であたしに力を貸してくれるんですか?」
「私はただ……君に対して純粋な好意で力を貸しているだけだ。押し付けをするつもりは無い。私はただの物好きなサポーターに過ぎないのだから」
「…………あたしの何処を気に入られたのやら……!」
自分よりも知能指数が優れ、博識に長けた大門史也に興味を引かれていたレミ。仲間意識とはまた別な妙な感覚にむず痒くはなったものの、彼女も純粋に、その史也の好意に応えたくなった。
「あたしみたいな一般JKが、必死に意見主張したって弱すぎる! だからもっと強くなりたい!!
そんなあたしに興味を持ってくれたのなら……あたしは勝ちたい。勝って、史也さんにもっとあたしを気に入られてみたくなった!!!」
知的好奇心にくすぐられたか、畠田レミ。燻った心に電気が迸るかのような、閃く眼が蘇る!
《CARD DRAW》
長話によって蓄積されたドロータイムによって、枯渇気味だったゲーム戦士チームの手札に宝札宿る!
(…………貴方もあたしに力を貸してくれるのね。ありがとう!!)
先手に出るはレミ! 満を持して引き当てたカード1枚を加えて、装填口にカードスキャン!!
『ユニットカード、【ジョロキア・スパイダー】!!』
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〈ユニットカード〉
【ジョロキア・スパイダー】EG:⑤
AP:400 DP:500 AS:10
属性:黒 ユニット/スパイダー
・能力:EG③:ユニットカード1体を対象にする。
対象カードは10秒間行動不能となり、
[毒]状態となる。
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出ましたっ、黄色いワンピースの蜘蛛女! 何の因果かレミのパートナーユニットとなった《ジョロキア・スパイダー》、アメイジングにて初出陣だ!!
「うわっ、何よ蜘蛛女とか出すとキモッ!!」
ジーナは虫嫌いか、ジョロキアを召喚するなり拒否反応を起こす。
「うるさーーい!! ジョロキアはあたしの大事なパートナーよ、侮辱した分だけ倍返しにしてやるから、覚悟しなさいッッ!!」
「……………そうこなくては」
レミの奮起に、史也の表情も綻ぶ。
魅せろヒラメキレミちゃんの底力! 《ジョロキア・スパイダー》をキーカードに、コンバインユニット打倒を狙う!! ――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽
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