【GAME54-5】参謀長は狼狽えない!!
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◐AMAZING MIDWAY RESULT◑
☆ゲーム戦士チーム HP3200
〔畠田レミ 手札:2枚 EG:③〕
・カスタム・ツールカード【先読みの松明】
〔大門史也 手札:0枚 EG:⑤〕
・ユニットカード【アンノウンカード】
・パーマネント・ツールカード【サモナークリスタル】
※フィールドカード【ガードポジション】【超電磁力空間】
★サザンクロス幹部チーム HP4000
〔イプシロンのジーナ 手札:3枚 EG:②〕
〔ガンマのガクルックス 手札:3枚 EG:⑤〕
※コンバイン・ユニット【トライフォートレスロイド・VSX】
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※哲学的な長い休止も終えて、ゲーム再開! 尚もサザンクロスの優勢は揺るがない!!
―――サザンクロス幹部によって、地底湖に沈められた親友を救う為に。
―――片やそのサザンクロス幹部が、教示者の意志を継ぐために、何としてでもゲーム戦士からの確保を逃れる為に。
先程の組織『サザンクロス』の正体。そのサザンクロスの創始者が超次元空間に幽閉されたまま、命を絶たれた末路を聞かされた幹部。そして畠田レミの想像しかねる黒い過去。それらがこのゲームで明らかにされたが、決してこの展開は茶番ではない!
「随分長い休止だったが、我々にとっては有益な情報が聞けた。道標を決めるには丁度良い」
「史也さん、そんな呑気な事言ってる場合ですか!? 揉め合ってるうちに10分も時間使ってるのに!」
「だが彼らは史也と穂香を殺す気は無いと言っている。それに気を取られて、みすみす捕獲する機会を逃すのかね」
「そ、そういう訳じゃ……」
何やらレミと穂香のゲーム戦士チームに、不協和音が生じてるようですが―――兎にも角にも、この決闘ゲームに挑む四人全員が、負けられない強固なる意地を証明したのだった!!
▶▶▶ NEXT▽
《CARD DRAW》
導入挟まずして早速ゲームを続行させた四人。何気にやってなかったカードドローのエフェクトに乗せて、追撃或いは抵抗の術を構えるか。
「……ここで言い合いしたら元も子もない。我々の目的を見失えばそれこそ大怪我を起こす。奴らが仕掛けて来る」
「―――!!」
そんな史也の予感は的中する。変幻自在の変形合体能力[コンバイン]を持ち合わせた《トライフォートレスロイド・VSX》が場に出てるにも関わらず、追撃を繰り出すのはイプシロンのジーナ!
『パーマネント・ツールカード、【蓄電システム装置】!!』
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〈パーマネント・ツールカード〉
【蓄電システム装置】
・属性:無 EG:③
・効果:このカードをフィールドにセットした
周辺の黄属性ユニット・ツールカードは
10秒毎にDPを100回復させる。
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ジーナが召喚させたツールカード、停電時にも便利なポータブル電源のボックスを等身大に巨大化させたような電導ボックスを、コンバインユニットの付近にセットさせた。
「用意周到だな、戦闘ダメージを緩和させる回復装置を使うとは」
「嘘でしょ……完全にVSXを生かす気満々じゃない」
等と申しておるレミと史也。それに対して勝てば良かろうなジーナとガクルックスのカード展開は止まらない!
『ユニットカード、【異次元サポーターマシン・UT】!!』
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〈ユニットカード〉
【異次元サポーターマシン・UT】EG:③
AP:200 DP:200 AS:10
属性:黄 ユニット/フォートレス
・能力:このカードがフィールドに出た時、
フィールド上のカードを1枚除外する。
その1分後にそのカードをフィールドに戻す。
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ガクルックスが召喚した機械ユニット、異次元空間への追放・機関をサポートさせる球体型転送機。
これにより一分間だけ、場のカードを除外空間に追放させる事が出来るのだが……?
「対象プレイヤーは、大門史也さん。貴方のパーマネントツールであるEG拡大カードの《サモナークリスタル》を除外させれば、フィールドに戻った時の手札を1枚捨てるコストを払う事が出来るが……
ここはジーナの言葉を信じよう。―――その正体を隠した《アンノウンカード》を除外させる!」
そういえば肝心な事を忘れてました! 史也が仕掛けたアンノウンカードの正体。
ジーナにその詳細を予想された所で止まってましたが、除外とかされる場合って、アンノウンカードはどうなるのでしょう?
「除外空間に送られるアンノウンカードは、効果対象となって場から離れる直前にアンノウン状態が解除するルールとなっている。そして場に戻る際も解除状態のまま。アンノウン能力の起動効果も不発になる事を狙った訳だ」
早い話が、裏側表示のカードが墓地に送られた時に正体が分かる的なルールですな。
前回ジーナが予想していたアンノウンカードは《リフレクション・エスパー》というユニットでしたが……はてさて、その予想は吉と出るか?
「ではアンノウン状態を解除してから除外するとしよう。このアンノウンカードの正体は――――【リフレクション・エスパー】。大当たりだ」
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<ユニットカード>
【リフレクション・エスパー】EG:②
AP:100 DP:100 AS:5
属性:青 ユニット/エスパー
効果:[アンノウン]解除/EG②
このカードの[アンノウン]状態が解除された時
他のカードの効果対象を変更させる。
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ジーナが予想した際に史也が、冷静沈着ながらも微かに見せた動揺。あれはブラフではなく、本当にカードを当てられた故の反応だったのだ。
解除時の起動効果を魅せることなく、ユニットカードは除外された。
「これでコンバインユニットを阻むものは無くなった! ――――このまま襲撃せよ、VSX!!」
再び繰り出される鋼鉄の電磁鉄人。電磁力のエネルギーをチャージしたレーザービームが、史也に直撃した!!
「くっ……」
〔ゲーム戦士チーム HP3200→2400〕
2VS2のタッグマッチ、HP共有ルールとはいえ800ダメージは痛恨の一撃。それを2発も喰らったレミと史也。サザンクロス幹部のHPを更に引き離される。
「まだ終わりじゃないわよ、もう一体ユニットを召喚するわ!」
ジーナ、追撃のカードスキャン!
『ユニットカード、【機械荒らしの調査兵】!』
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<ユニットカード>
【機械荒らしの調査兵】EG:③
AP:100 DP:100 AS:5
属性:黄 ユニット/ヒューマン
効果:このユニットがプレイヤーに
戦闘ダメージを与えた時、
自分はそのプレイヤーのツールカードを
1枚デッキから選び、それを除外する。
自分はそのカードをこのユニットが
場にいる間まで発動できる。
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機械いじりが三度の飯よりも好きな青年が、組織のスパイとして抜擢された設定を持つ手癖の悪い人間ユニットを召喚したジーナ。
だが手癖の悪さは恐ろしい能力を持つ。このユニットがプレイヤーに戦闘ダメージを与えた時に、そのプレイヤーのデッキからツールカードを除外空間へ掻っ攫い、自分のものとして使う事が出来る。ということは。
(不味いわ……! あたしのデッキの殆どがツールカード仕様になってる! これで下手に悪用されれば確実にやられる!!)
知らず知らずのうちに、レミの首元がキュッと引き締まる思いが強くなっていき、それが彼女の心臓に伝わって息も荒くなる。完全に敵のペースに押されて、冷静さを失っているようだ。
「あ、あの、史也さん……! 大丈夫なんですか!?」
「何の事がかね。……アンノウンカードが無力化された事と、一分間追放されたから丸腰という事ならば……次の手は既に用意済だ。焦るのはまだ早い。巻き返せるか余地など私には幾らでもあるのだ」
おぉ、劣勢に立たされようとも揺るがないクール思考。それに二手三手と先読みした構えを取るスタンスは、読んでいる我々をも安心させる。頼もしい限り、立海の参謀は伊達じゃない!
「…………やっぱり……悔しいけど、史也さんは本当に凄いゲーム戦士ですね。不利になろうがピンチになろうが冷静さを失う所を見せない。これが、経験と力量の差なんですか……」
ここに来て弱気になっていた自分が、どれ程浅はかだったのか。史也の感情に流されず理論でゲームを進める姿勢に、レミは改めてレベルの差を思い知らされた。
「あたしってば、何でこんなに駄目なんだろう。変な疑問ばかり出てく癖して、自分は道具を出すことしか出来ない。なのにどうしても、今そこにある疑問に対して考えたくなっちゃう。
本当に彼女らは悪い人なのか、そのまま鳳凰堂やWGCに従って戦うのが良いのか。
―――――あたし、ずっと考えちゃうんです。正義なんて、誰が決め付けたものなんですか………!?」
パズル好きの少女が問う、疑問から浮かび上がった正義の概念。
その答えのない課題を突き詰めた先に、レミの未来には何が待ち受けるのでしょうか……? 本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽
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