【GAME54-2】アンノウンから導かれた疑心!!
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◐AMAZING MIDWAY RESULT◑
☆ゲーム戦士チーム HP3200
〔畠田レミ 手札:2枚 EG:③〕
・カスタム・ツールカード【先読みの松明】
〔大門史也 手札:0枚 EG:⑤〕
・ユニットカード【アンノウンカード】
※フィールドカード【ガードポジション】【超電磁力空間】
★サザンクロス幹部チーム HP4000
〔イプシロンのジーナ 手札:3枚 EG:②〕
〔ガンマのガクルックス 手札:3枚 EG:⑤〕
※コンバイン・ユニット【トライフォートレスロイド・VSX】
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史也、奥手の【アンノウンカード】を召喚。……あれ、このカード、何処かで聞いたことあるような……?
――立海遊戯戦団のブレイン・大門史也が、チームのピンチに繰り出した正体不明のカード。又の名を【アンノウンカード】を召喚した。
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<アンノウンカード>
AP:100 DP:100 AS:10
属性:???
効果:???
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「な、何これ……!? 真っ黒くろすけなカードなんて見たこと無いわよ!」
レミちゃんが驚くのも無理は無い。何しろこのカード、あるプレイヤーを除いて、誰もこのカードジャンルの詳細を知らないんですから。史也も無論例外として。
「これは【アンノウン】と呼ばれるカードの特殊能力の一つだ。今のカード真っ黒な状態を[アンノウン]と呼び、何らかのコストを払う事でその真の正体を明らかにさせるトリッキーなカードだ」
「本当の正体を隠すカードなのね。ホントに物好きな感じがしますね、史也さんって!」
それは褒めてるのか貶してるのかはさておき。これら[アンノウンカード]の詳細を知らないガンマのガクルックスは困惑の色を隠せない。
「ぬぅ……正体を隠したカードか。このまま妨害に走っても火傷をしそうだ。迂闊に触れることも出来ない」
何しろガクルックスのカードの本質は、カウンター・レスポンスからなる打ち消し・妨害カードを主としたサポート型デッキ。
言うなれば、戦意バリバリのイプシロンのジーナのコンバインユニットの補助に徹しているガクルックスにとって、フェイクを掛けたアンノウンカードに手を出すことは、大きな判断ミスに繋がる危険性があるからだ。
「これなら、少しはアイツらの勢いは鈍りそうね。何者かは解んないけど、これ程頼もしいカードは無いわ!」
このアンノウンカードは、ゲーム戦士にとっては大きな盾になる。レミはそう確信し希望を持ちつつあった。実際にアンノウンカードを目の前にして、どう対処すれば良いか戸惑うガクルックスが良い例だ。
「………………」
唯一人―――――イプシロンのジーナを除いては。
(まだ序盤だけれど、今まで軍人兄さんの出したカードから見て、魔法使いやらサポートに徹した多属性型デッキっぽい。それに青属性も多かったから……)
ゲーム開始から一分弱、数少ないカードの発動・召喚から、ジーナはジーナなりにアンノウンカードの正体を推察する。
SFマニア系のギャルっ娘にアンノウンを当てられるのかと疑惑を持つ者も居るでしょう。だが何度も申すように、人は趣味趣向も多種多様。そして考え方も同じく選り取り見取り。
早い話が………人は外見では判断出来ないもの、なり。
「そのアンノウンカード――――多分、【リフレクション・エスパー】でしょう?」
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<ユニットカード>
【リフレクション・エスパー】EG:②
AP:100 DP:100 AS:5
属性:青 ユニット/エスパー
効果:[アンノウン]解除/EG②
このカードの[アンノウン]状態が解除された時
他のカードの効果対象を変更させる。
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「ッッ………!!?」
おおっと……?! 史也の無表情な顔が一瞬引き攣った!! まさかのそのまさか、なんてことになったのか!?
「え、あれ? 史也さん、いきなりカード名予測されちゃったけど、大丈夫なの? そのアンノウンか安納芋か解んないの」
そんな焼き芋が食べたくなる洒落言ってる場合じゃないでしょうレミさん!!
「……………」
当然史也にはその推察が嘘か本当かなど、今ここで言えるはずがありません。ポーカーフェイスは一瞬の歪みが一気に策略を崩すことになるのです。
「だがお前が言い当てたお陰で、大門史也の顔色が変わった。ということは当たったようだ。凄いな、女の癖してミリタリーマニアのジーナが、いつの間にカードの知識を増やしたんだ?」
ちょっとガクルックスさん、今のは失礼ですよ。女の子だってミリタリー好きな人も沢山居るでしょう。ねぇジーナさん?
「あ、いや、その……たまたまよ! たまたま見かけたから思い付いちゃっただけ」
おや? ジーナさんの方が顔色曇っているような気がしますが……?
「アンノウンカードはちょっとかじっただけよ。だって―――――デクルックスの奴が、得意げに見せてくれたんだから…………」
▶▶▶ PAUSE▽
―――はい、ちょっとだけ物語を一時停止しますよ。
先程ジーナが繋がりを示唆していました、同じくサザンクロス幹部の一人、【デルタのデクルックス】の存在。ゲームウォーリアーじゃ稀に見るサイコパスな輩でしたね、龍牙さんと互角に戦っていました。
読者の皆様の中にも、[アンノウン]カードの復習に【GAME46】を読んでくれた方がいるでしょう。そうなんです、本来アンノウンカードを主としたデッキの持ち主はデクルックスだったのです。
となれば、ジーナとデクルックスが交流が僅かながらあったという繋がりには合点がいきますし、先程言い当てたアンノウンカード《リフレクション・エスパー》だと推察すれば、あの史也の戦略と照らし合わせても一理ある。
しかし、そんなサザンクロス幹部の三人なんですが……何やら仲的には思わしくない空気が漂っているようです。その辺も良く読んで、物語を楽しんでみてくださいね。―――そうと決まれば、閑話休題!
▶▶▶ NEXT▽
「確か、デルタのデクルックスは【正体不明】のPASを持っていると聞いたな」
「だったら、仲間の一人がそれを知ってても不思議じゃないわね。あたし達は誤算は生じたけれど」
等とレミと史也も納得の域だが、一人だけ納得のいかない者がここに。
「待て、我々はデクルックスの仲間では無いと言った筈だ。そこを勘違いされては迷惑だ」
「ガクルックス、そんなに悪し様に言う事ないでしょ!?」
「サザンクロスが引き起こした無差別裏ゲームの主犯は全部奴のせいなのは知ってるだろう? あんな反社会的行動を起こす奴を止めなければ、何時までも我々に罪を着せられるだけだ!」
サザンクロス幹部による三度の仲間割れ。このままでは埒があかないと、レミは焦れったいとばかりに物申す。
「貴方達いい加減にしなさいよ! もうこの際ハッキリさせて。貴方達二人は、サザンクロスの中でデクルックスを仲間と認めてるの? そうでないの!?」
「待てレミ。君こそそんな事を聞いて何になるのだ。個人主義者の仲間割れなど珍しくない事だろう。どの道指名手配されてる事に変わり無いと、私がさっき言った筈だ」
仲裁に入る筈のレミが、逆に幹部二人の真意を訊こうとした事に釘を刺す史也。だが彼女には引っ掛かる所があった。
「……あたしだって、デクルックスは倭刀くんや小原さん達に酷い目に遭わせたから、許す気なんて毛頭ないわ。でもそれをジーナとガクルックスも一緒くたにさせて良いのか、どうしても引っ掛かるんです。
――――【サザンクロス】って、本当にテロ集団なんですか? アイツらの本質を、あたし達は視えてないんじゃ無いんですか………!?」
「………………」
畠田レミが問う、【サザンクロス】という本当の正体。南十字星の名を語る者共が、何故に地上・地底にて無差別破壊を繰り返すのか……?
そもそも、その組織の頂点なる存在は何なのか?
謎が謎を呼び、グレーのままに隠していたベール。このレミの疑問を発端に、いよいよ次回は【サザンクロス】の本質を本邦初公開、幹部の口から明らかにされます――! 本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽
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次回もゲームウォーリアーをお楽しみに!!




