【GAME53-7】先手制圧! 立海参謀のコントロール戦術!!
――地底空間・B6層。
『黄泉の湖』のど真ん中に裏ゲームの効果で透明な足場を固めて、VRフィールドを創り、ゲーム戦士のレミと史也に決闘を申し込んだサザンクロス幹部『イプシロンのジーナ』と『ガンマのガクルックス』。
彼等幹部が決闘の交渉材料として、人質にと湖底に沈められた倭刀と穂香を救うためには、カプセルの酸素が無くなるまでの一時間までに決闘を終わらせるしかない。勝ち負け関係なく開放するというが、敗北した際のアンティによるリスクは大きい。
「アンタらだけじゃなくて、他のゲーム戦士も沢山居そうだしー。負けたら退場だけじゃなくて、その辺の情報も余すことなく教えて貰うわよ?」
「おっと、それは地味に痛いアンティだな」
ギャル色が強い割には意外と警戒心が強いジーナ。追加のアンティには、冷静沈着の史也にも堪えた。
▶▶▶ NEXT▽
――――さてここからが本題。スタートコールと同時にいよいよ展開されるアメイジングバトル、2VS2のタッグバトル『クロスデュエルモード』での決闘を繰り広げる訳なんですが、例によって先ずはステータス確認から!
〔ゲーム戦士チーム HP4000〕
〔サザンクロスチーム HP4200〕
今回はタッグバトルということで、両チーム二組のHPを共有する形で合計の数値が表記された。
ゲーム戦士チームはレミと史也。レミが1700と若干低めの数値を、史也の2300の高タフネスでカヴァーしてなんとか4000台ジャストの数値。
対するサザンクロスチームはジーナとガクルックス、息が合わない割にはHPは二人とも2100。ということで、ゲーム戦士よりも200のアドバンテージとなった。
さて、ここから展開されるアメイジングバトル。スタートを告げるコールは既に鳴り響き、四人には個々のスピードでカードを召喚するエネルギー『EG』が蓄積される。だがしかし、全員直ぐには動けない!
「ジーナとは前に戦った事があるけど、見た感じ二人とも倭刀くんみたいな速攻型では無さそうね」
「賢明な思考判断だな」
「ええ? まだ始まったばっかりですよ!?」
開始早々にレミの推察に評価を上げる史也。ライバルからこんな声をかけられた事のない彼女は戸惑った。さて、そこで先手を打ったのはイプシロンのジーナ!
「先ずはあたいから行くわ! EGを②支払ってツールカード!!」
『パーマネント・ツールカード、【電磁妨害装置】!』
◎――――――――――――――――――◎
〈パーマネント・ツールカード〉
【電磁妨害装置】
・属性:黄 EG:② DP:300
・効果:EG③:フィールド上のプレイヤー・
ユニットを対象にし、5秒間行動不能にする。
◎――――――――――――――――――◎
やはり彼女もツールカード主流のデッキか、パラボラアンテナを装飾させたオブジェを召喚し、ゲーム戦士対策に早速と布陣を立てに来たか。
「EG消費であたし達やユニットの動きを封じ込めるカードね。面倒くさそうだわ」
等とレミはツールカードに警戒してく中で、今度は史也が黙々とカードを発動させる。
『アクションカード、【ノーレッジ・ムーブメント】!』
◎――――――――――――――――――◎
〈アクションカード〉
【ノーレッジ・ムーブメント】
属性:青 EG:①
・効果:自分はカードを3枚引く。
その後自分の手札の2枚をデッキの上に順々に置く。
◎――――――――――――――――――◎
こちらは2年8ヶ月前のクロスデュエル戦でも、史也が使っていたデッキ操作カード。ドローカードよりも先に3枚のカードを引いて、その中から1枚を手札に加えられる点からすれば、これほど効率の良いデッキ回転は御座いません。
3枚のカードを確認、そこから1枚を掴み取った史也の感触に、手応えあり!
「……上出来だ。EGゼロのパーマネント・ツールカードだ」
『パーマネント・ツールカード、【サモナークリスタル】!!』
◎――――――――――――――――――◎
〈パーマネント・ツールカード〉
【サモナークリスタル】
・属性:無 EG:0
・効果:発動時、追加コストとして
ツールカードを手札から1枚捨てる。
①:自分は常時EGに③を加えた状態になる。
◎――――――――――――――――――◎
「ふぇええ! 何そのドデカイ宝石!?」
レミもこれにはびっくり仰天! 何しろダイヤに換算しても100どころか一万カラットにしても足りないような大型宝石がブリリアントカットの如く輝いてるではないか!!
「私はこのクリスタルを召喚した時、手札のツールカードを1枚捨てねばならないが、私のEGを加速させる魔力を持つ。これで召喚アドバンテージに優位に立てた」
「そ、そのカード強すぎぃ……!」
レミの舌を巻くリアクションを見せる暇なく、史也のカード展開は更に続く!
『ツールカード、【思考切除】!!』
◎――――――――――――――――――◎
〈ツールカード〉
【思考切除】
・属性:黒 EG:③
・効果:プレイヤー1人を対象にする。
自分はそのプレイヤーの手札を公開させ、
ツールカード以外のカードを1枚捨てる。
その後自分はHP300を支払う。
◎――――――――――――――――――◎
「このカードは対象プレイヤーの手札を確認して、ツールカード以外のカードを捨てさせる。要は手札破壊だな。対象はガンマのガクルックスだ」
『カウンター・レスポンス発動』
これは初手からガチな展開ですな……! と私が感心してる間もなく次なる展開が訪れる。史也の手札封じに対してカウンター・レスポンスを仕掛けたのは、対象者のガンマのガクルックス!
「私の戦術を封じ込めようと言うのですか? そうは問屋が卸しませんよ!」
『アクションカード、【カード・ネゲーション】!』
◎――――――――――――――――――◎
<アクションカード>
【カード・ネゲーション】
属性:青 EG:②
・効果:直前に出したカードの発動を打ち消す。
◎――――――――――――――――――◎
「……うむ、これは失敗した」
毎度おなじみ打ち消しカード、先に構えていたガクルックスによって史也の《思考切除》は打ち消されて無効となった。幸いにも発動コストでHP300を支払わなくてもよい事だけが救いか。
「あの軍人さん、開始早々からEG加速と手札破壊を仕掛けてくるなんて……貴方何者なの、名前を聞かせて貰おうじゃないの!」
「……それは、決闘前にやるのが礼儀というものではないのかね。宜しい、ならば地の底まで私の名を語り継がせておきたまえ」
ジーナの強気な名乗り申し出に渋々と対応する史也。
「―――私の名は、大門史也。………立海遊戯戦団のしがない参謀長とでも、覚えていただこう」
開始からまだドローカードタイムの30秒にも満たない時間に、圧倒的なコントロール戦術を魅せる史也。それに敵のみならず、味方のレミさえも一驚させるこの知力!
(……負けてられない。史也さんなんかに、あたしが遅れを取る訳には……!!)
さぁ畠田レミは、参謀長の智謀能力に付いてこれるのか!? ――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽
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