【GAME53-6】湖上決闘! レミ&史也 出陣!!
――表のゲーム戦士には、地上の治安を守るべく戦う宿命がある。
対する裏プレイヤーにも、永くから平穏を保っていた地底空間の居場所を守る為の闘争本能がある。
どちらにも譲れない命の駆け引き、矜持のぶつかり合いがあるのは世の常か。やはり裏表のゲーム戦士は、戦う宿命しか残されていないのでしょうか……?
「仕方あるまい。裏ゲームを施行した以上、敵に背中を向けてはジーナの気も済まないだろう。それに水中の二人の酸素も残り25分を切った」
「ちょっと待ちなさいよ! だったらあたしと史也さん二人で戦って、穂香ちゃん達は戦わないって決めれば良い話でしょ!? わざわざ湖底に沈めることないでしょうに!!」
ガンマのガクルックスに対してレミちゃんの猛抗議。そりゃそうだ、二人の命に関わる問題は噛みつかなければ敵の為すがままだ。
「いーやーよ。そんなんじゃあたいは信用しないわよ。ましてやあたいに屈辱を味わわせた、あのおっぱい魔導師なんか譲渡する気皆無よ!」
まーたおっぱいの話されてる穂香さん。……っておや? ガクルックスは何処行ったんでしょうね。あ、いつの間にか湖から上がってきましたよ。
「今二人の酸素カプセルを交換してきた。最低でも一時間は持つ大容量型に替えてきたから安心したまえ」
「一時間? アメイジングはそんなに時間掛けるゲームじゃないわよ」
そうですよ、こないだの剣さんの決闘だって10分程で終わりましたよ?
「あの尺を滅茶苦茶かける作者の事だ。万一の気紛れに裏ゲームに支障出たら元も子もない」
「「納得」」
それでもストイックに2作品も同時執筆してるんですから、あんまり責めないようにしてくださいね。
「そして都合良く人数も2VS2だ。手早い方法で、『アメイジング・クロスデュエルモード』で片を付けるとしようか」
『アメイジング・クロスデュエルモード』。単刀直入に言うならカードゲームのタッグバトル!
実はこのルール、前作『極限遊戯戦記』以来2年8ヶ月ぶりなんです実のところ。
古参や新参の読者が聞いても当然なんのこっちゃなこのルール。簡単にそのルールの変更点を申しますと、
◇――――――――――――――――――――◇
①二人分のHPは共有してプレイする。つまり二人足した分のHPで戦い、ゼロになったらチームとして二人ともリタイアとなる。
②二人一緒に行動し、適正なタイミングで自由にカードを出すことが可能。勿論順番は無い。
③ただし手札やデッキ、フィールドにあるカードは個別として扱う。
◇――――――――――――――――――――◇
ここで特に重要なのは、HPの共有。つまり二人の最大HPの数値を足して、その合計数値を一つのHPとして慎重に扱わなければいけません。
二人の団結力がライフライン、両者を尊重しあい、そこから織りなすカードコンボが勝利の鍵を握ることでしょう。
「私はクロスデュエルモードは、倭刀と槍一郎とのゲームで経験済みだが……畠田レミ、君は私に付いて来れる自信はあるかね? 動揺して無意味なミスで足を引っ張る等は止めたまえ」
「馬鹿にしないでください! ……クロスデュエルはやったことないですけど」
おっと、開始前から雲行きが怪しい感じでありますレミと史也。そもそも2年以上前のアメイジング・ウォーズでも交流の機会が無かった二人。サバイバーモードでやっと取っ掛かりが出来た浅い仲であり、ゲームでの共同戦線は今回が初めて。衝突も危惧されるところか。
(……私の悪い癖だ。これから戦線を共有する彼女に試す口をしてしまうとは。こうなった時の為に畠田レミに合う戦略を決めるべきだったな)
等と言動に自ら反省を示す史也。何やらゲームに使うデッキの事も示唆していましたが……おおっ!?
―――史也のタンザナイトブルーの軍人服の内側からしまっていた、無数のカードデッキは何だ!!?
(相手方のデッキ情報はゼロ。そして畠田レミの実戦経験からしてユニットを用いないツールカード主要のデッキ。どちらとも相性に沿ったデッキとなると……【レベル99】なら本領発揮出来そうだ)
カードゲーム好きな皆様の中にも、沢山のデッキを創ってる人が居るでしょう。
史也はアメイジングというゲームに対し、徹底的にトップ環境やトレンドなデッキに対抗するデッキを日々是研究し、作製しているブレインの鑑。立海遊戯戦団の勝利の為に、数十ものカードデッキを創り、決して妥協しない強固なるスタンス。
2年8ヶ月前のアメイジングで戦った史也のデッキは、500枚のデッキで特殊勝利を目標とした個性的なデッキでした。
今回は通常枚数が50枚の何の変哲もないデッキ、これでレミと、サザンクロス幹部達と如何なるバトルを展開するのでしょうか?
「……準備は宜しいですかな? ならばフィールドに移動しましょうか」
ガンマのガクルックス、レミと史也がデッキの準備が完了したと見るや、決闘の戦地へと誘う。その指差す方向は……何と『黄泉の湖』だ。
「成程、地底湖の層に相応しく、湖に潜って決闘って訳ね――――」
「いえ、潜るのではありません。湖の上に立つのです」
「………はぁ!?」
何を血迷った事を言ってるのか困惑するレミ。有無も言わさずガクルックスとジーナが、湖の水面に足を踏み入れた途端、足場は水面に沈まず、まるで浮遊してるかのように着水していないではないか。
「湖の上に浮いてる……?」
「いや、裏ゲームによるVRフィールド生成の恩恵だ。仮想空間の立体実現によって、湖の上に見えない足場が固められている」
史也の分析から言えば確かであろう。恐る恐るレミは片足を湖の上に触れるならば、確かに足元には大理石のように滑らかな、見えない足場が確認出来た。
「なんか変な感じ……」
湖の上で歩くなんてファンタジーじゃあるまいしと、現実離れした体験に気が気じゃないレミ。ガクルックス達に誘われて、湖の中央まで二人が足を踏み入れた途端、暗い湖底に二箇所のカプセルのようなものが見えていた。
(苦しんでる倭刀くんと穂香ちゃんの上で、あたしは戦わなきゃいけないんだ…………!!)
沈められた仲間の上で、決死の思いで戦う決意を固めたレミ。信頼する友の為にも、無様な戦いは見せられない。
「安心なさい。ゲームに勝とうが負けようが、沈んだ二人は開放させてあげる。だけど負けたらあたい達の討伐は諦める事ね。それとあんた達の同胞の居場所も教えて、さっさとここから出てって頂戴」
中々にキツイアンティを持ちかけたジーナ。それでもレミは屈しなかった。
「だったらあたし達が勝ったら……今すぐに倭刀くんと穂香ちゃんを返して! そんでもって痛ぶった分だけ刑務所で反省しなさい!!」
さぁもうこれ以上茶番を持ちかけるのは終わりだ! どストレートに決闘へと進んでもらいましょう!!
――――では裏プレイヤー・ゲーム戦士の諸君、準備は出来たかッッッ!!!?
「「「「アメイジング・クロスデュエル! READY!!」」」」
『――――START UP!!!!』
――本日のゲーム、これまでッッ!!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽
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