【GAME53-3】B6層潜入、地底湖に潜む罠!!
――シャッフルオールスターズ・畠田レミに思わぬ再会。
何の因果か彼女と親しい関係にあった、地底空間・B2層の総取締にして女将の大山と、裏プレイヤー暴走族総長の小原と出会った。
そこで、極悪な裏プレイヤー討伐の為にB6層へ向かうゲーム戦士達に小原から有力な情報を得た。
「その話はデクルックスからチラッと聞いた話だから、信憑性があるかはグレーだが、多分お前達にとっては重要な情報になるぜ」
“信憑性”というのは、まぁなんと言いますか。その話が本当なのか、信じていいものなんでしょうかとその度合いを表す言葉ですな。
「レミちゃんの言うB9層の連中はもとより、アンタ達が狙うB6層にゃ鳳凰堂に指名手配を食らった裏プレイヤーが沢山居るのは確かだ。だがな、少なくともデクルックスとつるんでる様子は殆ど無いって話よ」
そう言われてみれば、そうかもと納得せざるを得ない私Mr.G。
何しろあのデクルックスの事ですから、裏プレイヤーとてサイコパスと絡むのは勘弁なのでしょうか?
「ただアイツも、同じくサザンクロスの幹部とやらとは多少なりとも交流はあったらしい。その幹部の一人がこのB6層の地底湖に会ったって言ってた」
過激派組織『サザンクロス』の幹部と呼ばれたプレイヤー。デルタのデクルックスと、もう一人居ましたよね。シャッフルの穂香姉ちゃんがそれを知っていた。
(もしかして、『イプシロンのジーナ』!?)
皆さんは覚えてますか? 【GAME15】のパズルファクトリーで穂香とレミとで初めて相対したサザンクロスの幹部『イプシロンのジーナ』。
テトリス砲を撃つ合体ツールカードを使って彼女達を翻弄したが、二人の友情を前に敗退。その後姿を隠していたのですが……もしやもしや、地底空間のB6層に篭っていたりして。
「まぁ十人も勇敢なゲーム戦士様がいるんだ、一点集中で殴り込みに向かうよりは、手分けして探す方が良いかもな。主役級が大勢いても読者が混乱するだけだぜ」
小原さん、PASが蘇っただけでなくメタいネタも覚えましたか。
▶▶▶ NEXT▽
―――確かに、幾度もゲームを突破した主役級のゲーム戦士が束になっても、ビッグゲーム以外では話が纏まらない。……まぁそれは冗談として。
裏プレイヤー探索の効率アップを図るべく、シャッフル・立海の連合軍は、分割して別行動を取ることに決定した。
そもそもB6層だけに限った話ではないが、地底空間は日本列島の下に構築された広い土地。当然出入り口も一つ二つな訳が無い。ならば大人数で束になるより分散する方が良いという結論に立った。
―――まず一つ目のチームはシャッフルは豪樹、立海はシェイパー兄妹の三人。
―――二つ目は地底空間関連に強いエレメント◇トリガーズからツッチー、豪樹の職場の後輩の水谷さん。
―――そして三つ目はシャッフル固めで倭刀・穂香・レミ。プラスで今回のダークホース、立海参謀の史也の四人。
三組は大まかな探索区域や集合場所を決めて、危険を察知したら直様そこへ集結するよう指示し、各々で健闘を祈りつつ、三方向へと散らばっていった。
中でも豪樹さんは、最後までレミの事が気掛かりだったそうな。
…………あれ、ちょっと待った。誰か一人呼んでないゲーム戦士が居たような。そんなに空気の薄い人って居ましたっけ?
「誰が空気の薄い人だ、馬鹿者」
すみません一旦訂正しますね。
――――皆さーん、めっちゃ空気が血よりも濃い人が残ってますよーーー!! 最強クラスのゲーム戦士・立海銃司を残すとか何考えとんのじゃ!!!
「何も彼らがミソッカスにした訳ではない。俺自身がB6層に行くのを止めたんだ」
止めた!? 銃司様ともあろう御方が?
「我が21代を誇る立海家の城主が、わざわざ水に濡れた地底湖に向かうほど堕ちてはおらん。故に俺は行くのを拒否した」
拒否したって……ははーん、さては銃司さん。貴方ひょっとして泳げないんですかぁ? “立海”って名が付いてる癖してカナヅチって!
「この俺を侮辱する気か? ……そうだ、お察しの通り俺は泳げんのだ。だが俺はゲーム戦士である以前に人間なのだ。誰しも欠点を携えているのは生きとし生けるものの宿命だ。
――――その欠点を嘲笑う筋合いが何処にある? 何か文句でもあるのか!?(超威圧)」
…………いや、あの、笑った事に関しては土下座します。でもあんまり威張れる話じゃないですよ!!
▶▶▶ NEXT▽
地底に湖。それは地表下に出来た湖の事を表すのですが、このような湖は洞窟から出来た鍾乳洞やら帯水層、または泉に関連している可能性があると言われているそうな。
地球の地面の下には、我々には想像も付かないような秘境やら隠された名所がまだ何処かにあるのかもしれません。
そしてこの地底1,200m下の地底空間・B6層にも、地球活動によって溜まった水が、クリアブルーな湖となってこの層の名所と化していた。
――――位置的にもあの世に一番近そうな場所にある事から、【黄泉の湖】と呼ばれていたのだった。
「確かに、黄泉って地下にあるし1キロ以上も地上に離れてりゃ、そりゃ黄泉の湖って呼ばれるわな」
「それにしても綺麗な湖ね。海じゃないかってくらいブルーに透き通ってる」
地底空間の洞窟の天井部分が陥没し、雨水、地下水が貯まることによって、水中に沈んだ鍾乳洞が地底湖の元。故に地上の湖とは水の質がまるで違う。
未知の空間にこのような秘境があったとは、倭刀も穂香も感動の溜息が溢れる。
「ここは地底空間に住む人にとっては憩いの場と呼ばれてるの。あたしも大山さんに誘われて夏休みに泳ぎに行ったことがあるわ。泳いでるとたまに土左衛門が浮かんでたって話も聞いたことがあるけど」
「レミさん……そのジョーク、黒すぎますって……」
レミのさり気ないブラックジョークに若干引き気味の倭刀。そして何事にもリアクションを示さず、自家製のドローンを飛ばしては警戒を怠らないのは、立海の史也だ。
(小原が言っていた、鳳凰堂孔雀の部下と一頓着あったって話も耳に挟んでおいたが……裏ゲームの片棒担いだとはいえ、どうも引っかかるな。
権力の欲望に煽られてB2層を狙った、と考えても我々には関係の無い話だが)
鳳凰堂の部下とは、ほら小原やエンヴィー達を執拗に狙った忍野龍牙の事ですよ。【GAME45】参照。
この事を史也は第三者の視点で考察し、その行動に対する矛盾点・疑問なども頭に計算しながら己の世界に入り込む史也。その仮想空間を土足で踏み込んだのは、今回のストーリー要のレミちゃん。
「さっきから何を考えてるんですか? 小原さん達の話で、何か気掛かりな事でもあるんですか」
史也に対して半ば強気な態度のレミ。気分を害されたかと思えばとんでもない、彼女のリアクションに待ってましたと言わんばかりのしたり笑いだ。
「……私の思考に興味を惹かれたのかね? ならば是非ともその答えを探ってみたいものだ。私の頭脳を超えれるものなら―――」
「そんな事一言も言ってません。ボーッと突っ立って、何もしないで倭刀くんや穂香ちゃんに危険を晒したらあたし承知しませんから!」
「……レミちゃん、本当に何があったのかしら」
「さぁ……?」
サバイバーモード以来、何やら史也にライバル意識を持つようになったレミ。急激に変わりゆく心模様に倭刀と穂香は困惑するばかり。
「君が気にする必要は無い。興味に関する容量が増えたところで警戒に支障を来すものか。気配察知はこの通り、私のドローン達が四方八方血眼で見張ってるところだ。安心して進みたまえ、畠田レミよ」
「…………感じ悪いの」
お転婆なレミちゃんが、インテリな史也にしかめっ面で捨て台詞を吐くなんて今まであったでしょうか……?
未曾有な展開に、我々もこの先どう進んでいくのか興味が湧いてきたその矢先……!
―――――地底湖・黄泉の湖に微小な水泡が二箇所。
ドローンの死角を潜り抜けて、レミ達にターゲットロックしている裏プレイヤーの影!
一体奴らは何者なのか。次回よりは明らかにされるエネミーな存在、伊賀者もビックリな忍んだプレイヤーが牙を剥く!!
――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽
小説を読んで『面白かったぁ!』と思った皆様、是非とも下の「ブックマーク追加」や感想・レビュー等を何卒お願い致します!
更には後書きと広告より下の評価ボタンでちょちょいと『★★★★★』の5つ星を付けて、作者やこの物語を盛り上げて下さいませ!
次回もゲームウォーリアーをお楽しみに!!




