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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
1st STAGE ―大冒険!8つの宝玉を求めて!!―
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【GAME6-6】平凡プレイヤーと非凡な純愛ハート!!

 ――アメイジング・レイドバトルモード。生き残りプレイヤーは12名。


 スピリットプレイヤー・ジンくんのアーケードゲーム同士の禁断のコラボレーションコンボによる挑戦者絶滅の危機を脱したのは、みのりの繰り出したアクションカード≪ハーフゲーム・ハーフライフ≫。

 これによりみのりとジンくん、膨大なHPの対等分配で戦況は大きく変えることとなった!


「スッゴいカード使っちゃったなぁみのりちゃん……」

「でもこれで、私達が全滅するリスクが明らかに減った事になる……!」


 槍一郎や穂香も呟くように現在群を抜いてHPが多く残っているのはHP10500のみのりただ一人。 謂わば彼女がプレイヤー達の最後のライフライン、大黒柱。……いや大黒柱ってのは大袈裟かな、父親じゃないんだから。


 とまぁこんな感じで他のプレイヤーからもそれなりの理解を得たようで、彼ら曰く『彼女を守り通して生き残れば俺らもオーブいただきだ☆』なんてちゃっかりした打算野郎もいたもんだが戦いの数は多い方がよし、余計な欲に走らずみのり達に加勢する形に入った。


 ――そしてジンくんはようやく気持ちを切り替えて再び戦闘態勢に入る。


「じゃ、僕の出すカード結構レトロゲームのアイテムカード出てくるけど、プリンセスのお姉さんついてこれる?」

「ついていってみせるわ! 私の()()()()にかけて!!」


 ▶▶▶ NEXT▽


 一方のフィールド外部のオーディエンス、つまり観客席ですね。剣達四人はみのりのファインプレイを見るや否や、彼女の事で話題は持ちきりに。


「……みのりちゃん、あんな凄いカード持ってたっけ?」

「うんにゃ、あの子はレア当てたら全部ワイらに報告して隠し立てしないタイプやが……、それでもあんなカード見たことあらへん」


「そりゃそうやろ、あのカード俺がみのりにあげたんやから」

「……剣が??」


 豪樹らは稀なものを見るように目を大きく開いた。

 何しろ剣が自分で手に入れたカードは必須的な交換条件がない限りは、他人にあげることはしない主義で通っているのはオールスターズの中でも暗黙の了解。それを条件抜きでカードをあげたとなれば、心変わりしたのか変なものを食ったのか仲間内でも心配になる。


「そうですぜ! 俺にだってカードはおろか金だって断固貸したことがない剣さんが、こりゃ雨あられ降りそうや……」

 やれやれ、またドケチの倭刀がしゃしゃり出たよ!


「アホか! むやみに金貸すバカがどこにいるんや!! ……これはみのりの()()の問題だ。自分から一番目指してゲーム頑張ってるってのに手助けしない訳にはいかないだろ」


「……前からそうやが、ホンマ剣はみのりちゃんの事が気になるんやな。いつの間にそんな惚れっぽくなったんやロマンチスト騎士が!」


「ブッッッ!!!! 何を言うてはるんすか豪樹さんは!!!!!」

「あー剣くん照れてる照れてる~♪」


 冗談半分でからかった豪樹に吹き出して赤裸々に慌てる剣。分かりやすい。しかし剣がみのりに対して抱いている想いは、並の信頼とは格段に格別なものであった。


「――――俺がお前らと出会えたのも、引っ込んでたゲームの情熱を取り戻したのも、みんなみのりのお陰やと思ってるから。

 ゲーム下手くそな癖してへこたれねぇし、ピュアで友達想いで一生懸命で、色んなゲームをやってみたいって好奇心もあって! そんなあいつが一番取りたいって真っ直ぐな眼で見つめられちゃ、応援したくなるだろッッ!!」


 剣にとって、みのりは唯一無二の親友。ゲームは強くないが心は誰よりも強い彼女はいつも剣や仲間達の支えとなっていた。

 ゲームワールドオンラインが閉鎖された一年、剣達はまた再び夢の舞台に立つまでゲームの腕を鍛え上げてきたがもちろんみのりも例外ではない。


 ――――しかし皆とは違う、()()()()()で。


 ▶▶▶ NEXT▽


「――なぁお嬢ちゃん、HP分け合ったは良いけど何か強そうなカードとか持ってないのか? あのスピリットプレイヤーにガツンと攻撃できるやつ」

「プレイヤースキルとか、魂の能力『PAS』とかもないの?」


 膨大なHPを得たと同時に、同胞のプレイヤーたちに期待の目を向けながら質問攻めされるみのり。しかしいくら質問されても返ってきたのは予想通りの答え。


「……ごめん! 私『PAS』は覚醒してないし、プレイヤースキルも持ってないの!!」


「「何ぃぃぃぃぃぃ!!?」」


 空白の一年、みのりは確かに剣達と共にゲーム修行に休むことなく励んでいた。

 ところが、己の心身の成長と共にアイデンティティが生まれ、同時に覚醒するはずのPASがどうしても解放されなかった。まるで心の中に()を掛けられたかのように。


「いや皆、ゲームの強い弱いで判断しちゃいけない。彼女には僕ら強いプレイヤーには薄れつつある()()()()()を持ってるんだ!」

「それを無くしてゲームの強さや成長への過程は語れません。私達プレイヤーとしてゲームに挑むための大前提な要素です!!」


 槍一郎と穂香の言う通り、みのりはそんなことで挫けたりはしなかった。地道に基本的な実力を堅め、オールスターズ7人の中で最も長けているものを見つけ極めた。それが……


「PASが覚醒してなくたって、スキルに頼らなくたって……私には【愛】がある!! ――大好きなゲームと大好きな友達に尽くす愛情で、オーブを手に入れてみせるッッ!!!!!」



 河合みのり、本気モード・オン!!! レイドバトルモードにその愛を貫き通せるか!!? 本日のゲーム、これまでッッ!!


 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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