【STARTING】ステータス極振りと旅立ちのゲート!!
――ネーム入力から変わって今度は『JOB SELECT』と書かれた表示が出て、その直後にずらーりとファッションカタログのようにジョブの詳細付きのパターンが表示された。
「……ジョブっての決めるとゲームにも影響するんか?」
『勿論ですとも、影響アリアリ! ゲームの有利不利を左右する【プレイヤーステータス】の成長にも大きく関わりますし、ゲームのプレイを助ける能力【プレイヤースキル】もジョブによって習得するスキルが異なりますからね!』
へぇ~、本格的にRPG仕様になったんだな。……とは言うものの、ジョブの種類多すぎ!!
『戦士』に『魔法使い』に、『錬金術師』『技師』『モンク』『クリエイター』……色々あるなぁって、オイオイ!『たまねぎ剣士』って何だよ!? クソ弱いけど結果的には最強でした的なアレか!!?
考え出したら切りがないプレイヤー就活だが、どんな能力であれ俺の決めたジョブは一択のみ!!
「俺のジョブは【ナイト】! これしかねぇだろ!!」
『ふふふ……でしょうねぇ。切り札騎士が【忍者】選んだら様にはならないでしょうし!』
オイ何ニヤニヤしてんだオッサン。
「私も決~まった!!」
みのりも丁度ジョブが決まったところだ、そのジョブは【プリンセス】! 今のみのりにピッタリだ。
『了解しました! ――では最後は【ステータス割り振り】ですよ!』
今度は俺とみのりのプレイヤーステータスの表示が大きく提示された。
『アクション』『シューティング』等々の9つのゲームに必要な要素からプレイヤーステータスは構成されていて、その数値に合わせてゲームの得意不得意が決まるんだとか。
そしてその中からスタートボーナスとして100ポイント、自分でステータスの数値を割り振れるのだという。だが俺はどれに割り振るか、もう決めてあるんだ!
「じゃ俺は『ラック』に全部振り込んで!!」
『…………はい???』
どうだ、運要素である『ラック』にVRMMO名物必殺ステータス極振りの威力は!! みのりもオッサンもビックリして声も出てねぇぜ……あれ、もしかして呆れてる?
『……あのー、極振りはプレイヤーの自由なんで止めはしないですけど、これリスクが高いのと、この世界は別に主人公補正とか無いですからね、一応忠告しますけど』
オッサン、遠回しに『極振りは無謀』だって言いたいんだろ? んなことは承知で決めてんだよ俺は!
「いーの! 俺はこの極運で勝負するんだから!! それにゲームやって経験値貯めてレベルアップすれば他のステータスも上がってくるんだろ?」
『そりゃそうですけど……まぁいっか』
俺的には論破した筈なのにオッサンは困り果ててしまったようだ。常識を覆すやり方ってどうしてこうも変な扱いされるんだろうな?
(剣くん、相変わらず無茶苦茶だなぁ……)
みのりは俺の性格を分かりきっているため、何も言わずに淡々とステータスを割り振った。
――――そして、最終的なステータスがこれだ!!
☆――――――――――――――――――☆
・ネーム:ACE(桐山剣) ♂
・プレイヤーレベル:1
・ジョブ:『ナイト』
・PAS:『ロングソード』
[プレイヤーステータス]
・アクション:10・シューティング:10
・ロールプレイ:10・タクティクス:10
・スピード:10・ブレイン:10
・ハート:10・ミュージック:10
・ラック:110
[プレイヤースキル]
・【精神統一】
※『ナイト』はアクション、ロールプレイ、タクティクス、ラックにステータス上昇傾向あり。
☆――――――――――――――――――☆
☆――――――――――――――――――☆
・ネーム:フルル(河合みのり) ♀
・プレイヤーレベル:1
・ジョブ:『プリンセス』
・PAS:なし
[プレイヤーステータス]
・アクション:20・シューティング:20
・ロールプレイ:20・タクティクス:20
・スピード:20・ブレイン:20
・ハート:30・ミュージック:20
・ラック:20
[プレイヤースキル]
・【お近づきの印】
※『プリンセス』はロールプレイ、ハートに大幅なステータス上昇傾向あり。
☆――――――――――――――――――☆
これだけでも個性が分かるんだからステータスも侮れない。
なんでもこのステータスの数値ってのは、上昇次第ではゲームワールドにおける幾多のゲームの難易度を緩和させるギミックがあるんだって。
例えば『アクション』が高ければアクションゲームに強かったり、弱ければ運動不足扱いされるようなされないような。
とにかく1にゲーム、2にゲーム! ゲーセンで培ってきたセンスをこのゲームワールドで存分に活かすチャンスだ。
『はい、長らくの作業お疲れ様でした。これで貴方達の旅立つ準備は全て整いましたよ! さぁ二人ともこのゲートの前までどうぞ……!』
Mr.Gは俺達をエスコートして巨大ゲートの前に案内した。
『ゲートを開いた先は貴方達の前には様々なゲーム、冒険が待っていますが……、心の準備は宜しいでしょうか?』
「勿論、いつでも飛び立てるぜ!!」
俺もみのりも既に準備は万端。
きっと俺の残り5人の仲間も、熱い意志を抱いてこの世界に飛び込んでいるはず!!
「そんじゃ、飛び込むぞみの……いや、フルル!!」
「いつでも良いよエースくん!!」
ここから先はアバターの姿でゲームワールドへ突き進む!
新たに進化したゲームワールドオンライン、どんな世界が待っているのか!? いざ……!!
「「『ゲート・オープン』ッッ!!!!!」」
ゲートが開いたと同時に、二人は扉の先に飛び込み光の彼方へと消えていった。
『行ってらっしゃ~い☆』
Mr.Gのオッサンの見送りと共に、俺達の新たな冒険が始まった――!!!
▶▶▶ NEXT▽
――いやはや、剣とみのりが空白の一年でどれだけ成長してきたか、期待で胸が弾みますなぁ!
…………おや? なんですか貴方、まだゲートに入ってなかったんですか?
誰って、この小説を読んでいるそこのゲームが大好きそうな読者の貴方ですよ!!
私にとってゲームが大好きな方は皆大切なお客様なんですから! ささ、ずずいっとゲートの前まで……
……さて、このゲートを開いて中に入った瞬間進化したゲームワールドを舞台に、魂の能力を持つゲーム戦士『ゲーム・ウォーリアー』達の新たなゲームサーガの開幕となります。
読者の皆様を迫力満点の世界へ誘う案内役は、私Mr.Gがご担当させて頂きます。
携帯型釈台肩から下げて、張り扇の代わりにステッキ持ってカツンと調子合わせ……って、まるで講談みたいですけどね。こんな感じで地の文語りをしていきますので、暫くの間はお付き合いの程を……!
――それでは、準備は出来たでしょうか!?
大丈夫、何も恐れる心配はありません! 貴方に必要なのは未知のゲームを求める好奇心だけあれば良いのです!! ゲートを開き、壮大なるゲームの世界へと旅立ちましょう!!!
――――『ゲート・オープン』!!!!!
▶▶▶ LET'S GO! GAMEWORLD ONLINE!!▽




