【GAME52-6】封じられたカード、それでも騎士は諦めない!!
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◐AMAZING MIDWAY RESULT◑
☆〔桐山剣 HP1000 手札4枚 EG:②〕
・カスタム・ツールカード:【ファイティングブレード】
★〔ウルカーヌ HP1550 手札2枚 EG:0〕
・ユニット:無し
・カスタム・ツールカード:【ファイティングブレード(黒刃)】
※ウルカーヌのツールカード《アースクエイク》によって、桐山剣に1000ダメージ!!
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――さぁ、間もなくこの小説もお陰様で400部分を次回に控えた所。今回のゲームは稀にもスムーズな決闘展開が広げられている訳であります。
ウルカーヌ・ヴァルカⅦ世(みのりちゃんに憑依中)の痛恨のツールカード、大地揺るがす地震攻撃を喰らった桐山剣。
我らが切り札騎士は大地の怒りに存分に振り回されたというのに、ウルカーヌは龍の翼なんか背中に生やしちゃって、揺れるフィールドを高みの見物という何ともズッコいプレイが見られた。
ウルカーヌのプレイヤースキル【黒炎龍の翼】によるデメリット回避であった!
「さぁ切り札騎士よ、我を倒したければ早くその刃を抜くがいい。その枯渇したEGで倒せる手立てがあればの話だがな!!」
……えーと、皆様はイメージできますか? みのりちゃんボイスでこんな煽り文句を言う印象が。
剣のユニットで多少はダメージを与えられるも、プレイヤースキルによって背中にドラゴンの翼生やしちゃったんですから。
洗脳状態とはいえ、ゲームウォーリアーのヒロインは丁重に扱ってほしいもの。それは剣が一番に気に掛けてる事でありました。
(あの野郎〜! みのりの身体を玩具のように使いやがって。……かと言うて俺も傷付けちまったし、早瀬さんの時といい、何でこうもやり辛い奴ばっか戦うねんな!)
戦術にも、心にもどうにもスッキリしない決闘が立て続けに起こる剣。
だけど葛藤した所で、勝たねば聖剣もヒロインもその手の内に入らなくなる。ならばこの辛さをぐっと抑えて、何としてでもこのゲームを収めたい所だ。
《CARD DRAW》
さぁここで、二回目のドロータイム。
剣には現在5枚の潤った手札が存在する。だが肝心のEGが少ない今では、どうにも召喚や複数のカードの連携が取れない。
「……どうした。掛かってこないのか」
「アホか、今のドロータイムですげぇ良いカード取ったんだぜ? ………でも出すのは今じゃねぇな」
苦し紛れに、展開出来ない状況を誤魔化す剣。
何とかしてユニットやツールカードで応戦はしたいが、その為に消費するEGが惜しくなる。硬直状態が続く。
「フン、戯けが。EGを無闇に使うことすら惜しくなったか、臆病者め!」
こうもみのりボイスで高圧的な煽りが続くと、読者のフェチに影響が及ぼしそうな予感がします。
それよりもウルカーヌさんこそ、貴方もEGが先程の《アースクエイク》の発動で空っぽじゃないですか! そんな挑発しちゃって良いんですかぁ?
「バカな。我に油断などはあり得ん。常に戦況の先を読んで戦略を立てる者こそ強者だ。EGなど幾らでも加速できる」
ならばそれを見せてみよ、と私が言うまでもなくウルカーヌのカードスキャン。
『ユニットカード、【魔力喰らいのサキュバス】!!』
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〈ユニットカード〉
【魔力喰らいのサキュバス】EG:③
AP:200 DP:50 AS:5
属性:黒 ユニット/サキュバス
・能力:[フライヤー]
①このユニットがフィールドに出たとき、
相手のEGを②奪い取り、それを自分に加える。
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ありゃりゃ、とうとうアメイジングにも出ちゃいましたか。男の欲望を糧に喰らう“婬魔”。つまり色気が武器のサキュバスユニット!
黒いビキニアーマーのみのりちゃんに、たわわに実ったボインが騎士をも悩殺する。ダークファンタジーは何ともエロスな要素か!?
「それは語り部の偏見だろうが! えぇい、さっさと切り札騎士のEGを吸い取ってしまえ!!」
等とウルカーヌが若干憤った所で、召喚された《魔力喰らいのサキュバス》の起動効果。
魅惑の眼差しに魅了された剣のEGが吸い取られ、その②の数値分をウルカーヌに奪われた!
「なんちゅーこっちゃ! カード発動を躊躇っとるからまた奪われたやんか!!」
「剣さん、何故にカードを発動しなかったのでしょうか……?」
あら桜さんに服部のあんちゃんの二人、中々良い実況・解説じゃないですか。このゲーム終わるまで任せちゃって良いですかね?
「えっ、それってギャラ入る?」
何言ってるんですかノーギャラですよ、服部あんちゃん。
「何でんなもんにボランティア実況せなアカンねや!」
「もう駄目です。この役からは逃れられませんよ」
桜さん、哀れみながら悟るのはちょっと……
「フフフフ、実に愉快だな。お前の戦意であるEGを削ぎながら戦うというのは。心做しか充実感が湧き上がるというもの」
そりゃそうでしょう。剣のEGを吸い取ったお陰で、ウルカーヌと彼のEG蓄積の差が既に⑤も拡げられているのですから。
しかし調子に乗った分、ちゃんとゲームのログとして確証されるもの。
ウルカーヌのカード展開が続いた事で、彼女の残り手札は2枚。対する剣は5枚ある分に逆転への機会は十二分にあり。
(そーゆーこっちゃ。騎士はピンチの時こそ焦っちゃいけない。もうすぐ400部分超える小説の主人公が、今更狼狽えてちゃカリスマ維持がうやもやになっちまう)
それは作者がそれを意識してるかの話でしょうに。
―――だが気合の保持から皮肉にも、その機会を更に奪い取るウルカーヌの追撃が始まった!!
「お前から奪い取ったEG、存分に使わせて貰うぞ。我が消費するEGは⑥!!」
そこからカードを装填、大型ユニットを召喚す!
『ユニットカード、【ドラゴナイト・ヴァルカン】!!』
決闘神殿の闇の帳、その天高き井に舞い降りし竜人間来たれり!
烈火の火龍、プラス人間。その魂と肉体が融合されて一心同体となったその姿は背中に翼龍の翼、それに両手には龍の頭部を用いたガントレットが装着されている。
「すっげぇ……!」
龍と人間の筋骨隆々な肉体が、切り札騎士の眼前に立ち上がる。龍と人間のハーフが生み出した竜人。【ドラゴナイト】の降臨だ!!
刻一刻と追い詰められていく桐山剣! 枯れ行くEGの状態から、竜人ユニットを相手にどう立ち向かうのか!? ――本日のゲーム、これま……………
〚…………て……ゃ、て、止めて………っ!!〛
!? この声は一体? それもウルカーヌの魂の中から聞こえ出ている! これはもしかして……!?
次回、ゲームウォーリアー第400部分で何かが起きる!!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽
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次回もゲームウォーリアーをお楽しみに!!




