【GAME52-2】廻る500年の因果・黒鎧に呪怨を持つ者!!
――本日は、この小説の作者・慶さんのお誕生日での更新です。
自分の事やら御祝やらで、とことん拘る性格の作者のことですから、さぞかし面白いバラエティを用意してるのかなと思った皆様。とんでもない!!
桐山剣のGWクエスト最後の対戦相手が、黒いビキニアーマーを身に纏ったヒロイン・みのりちゃんだなんて、どんな御冗談なんでしょうか!?
「私は結構面白いと思いますけどー?」
……でしょうねぇ、主催側の凪原さんからしてみれば闇堕ちヒロインとの戦いは性癖捻れそうな程に……って言ってる場合じゃ御座んせん!
禍々しくも漆黒に染まった鎧、甲冑から指すみのりの視線からは潤んだピュアな瞳が全く無く、黒ずんだ眼で無表情に剣を見つめるだけ。
そうです、これこそが洗脳状態というフェチをくすぐる闇堕ち状態なのです!
これを見せられたからには、さしもの剣さんでも大ショック間違いなしか。不屈の闘志に揺らぐ衝撃……
「何しとんねんな、みのり! お前そんなダークなコスプレする娘じゃないやろ、はよそれ脱いでこっち来い。俺最後の対戦相手と戦うんやから!」
いやいやいやいや!? 貴方の眼は節穴ですか!?
どう見たって闇堕ちみのりちゃんが、剣さんの前に立ち塞ぐ対戦相手でしょうに!!
「まーたGのおっちゃんも俺をからかってさぁ! 第一みのりは武器だって上手く扱えねぇんだぜ? ほら、読者の皆の性癖が変にならんうちに――――」
――――ジャキッ
「……………おっと」
あららら……言わんこっちゃない! フィルター掛かったみのりの黒眼から殺気立った視線。
それに伴って腰の長剣引き抜いて、剣の首に刃を向けてますよ!!
「無礼者め、この我に馴れ馴れしく近寄るとは失礼千万! その腐りきった性根を首ごと引き裂いてくれようか!!」
うわぁ〜物凄いギャップ!! いつも温和で明るい性格が特徴のみのりちゃんが、軍隊長みたいなドスの利いた声で剣を威圧してますよ!
「剣さん、駄目です! 今のみのりさんは何者かに意識を乗っ取られています!!」
「はよ戻ってこいや! 叩き斬られちまうぞ!!」
後ろの桜、服部のあんちゃん達に警告を促され、ようやく事の重大さと自分に課せられた最後の試練の意味を納得した剣。
己との戦いに重視したミッション故、何れはこうなるのかと予感はしていた剣。出来ることなら、このようなケースは極力避けたかったのが本心か。
「……それでみのりを攫ったんやな。洗脳するとしても、もっとマシなのは居なかったんか? 妙にエロい鎧をみのりに着けさせやがって」
「何を申すか! これ程にスリーサイズがフィットした憑依体を、有意義に使わずしていつ使うのだ!
この異世界で、我の朽ち果てた精魂をこの鎧に託してから500年! 我はこの時をずっと待っていたのだ!!」
何処の馬の骨かも知らない輩に、スリーサイズがピッタリ合うだけで気に入られたとあれば、さぞみのりさんの本体も大迷惑していると思われますが……
ちょっとお待ち。貴方、精魂果てて鎧に魂を託してから『500年』って言いました? ホントに貴方何者なんですか!?
「天が喚ぶ、地が喚ぶ、人が喚ぶ。聖剣の名において、真の悪を斬れと我を喚ぶ!
――――我こそは、ウルカーヌ・ヴァルカⅦ世。オリジンゲームワールドに仕えしゲーム戦士、そして我こそが真の聖剣使いなり!!」
……はりゃ〜、大々的に派手に自己紹介しちゃって。宝塚歌劇団出たら即スター行きじゃないすかねぇ?
「冗談はそれくらいして、オリジンゲームワールドって事は、お前もあの『マンドラ・チャンドレイユ』と同じ異世界のゲーム戦士なのか……!?」
「マンドラ……! その名を俗物が口にするな!!」
「うぉっと!?」
と、一体何が気に障ったのか、ウルカーヌの激昂から威嚇に長剣を振るわれて怯む剣。
「我は憎きマンドラと、エレメンタルナイツに任命する為の一対一の勝負で肉一片、紙一重の差で敗れたのだ……! 同じ火竜・サラマンドラのPASを持つ我が、剣武術に絶対の自信を持って挑んだ筈の我が、あんな若僧如きに……!!」
『エレメンタルナイツ』とは、オリジンゲームワールドにて四大精霊のPASを宿した者を選別し、その世界の治安を守る為に戦うゲーム戦士達の事。
『ゲームウォーリアー・外伝』にて、剣やシャッフルオールスターズ達と激闘を広げた四人のゲーム戦士。
もしそれを選ぶ試練で彼女が勝っていたのならば、マンドラではなくて、ウルカーヌが剣と戦うことになっていたのかもしれません。
「あんましマンドラを馬鹿にすんなよ。アイツは強かったぜ。それこそ下手すりゃ紙一重で俺が負けたかもしれないくらいにな」
実際にその聖地で、時を越えてマンドラと戦った桐山剣。結果は両者引き分けに終わったが、互いの刃を交えた者だけが、相手の本当の強さを知る。
故にそれを知らぬウルカーヌ如きに彼を軽視する事は許せなかった。
「……ふん。あんな若僧に勝ちを取れないお前なんぞに、この我に勝てると思っているのか」
「お前こそもう一遍、一敗地に塗れてみねぇと分かんねぇようだな。敗れても立ち上がれる根性が無い相手とやって、俺が満足出来ると思うなよ?」
おおっと、出ました桐山剣お得意の挑発スタイル。相手はみのりでも、洗脳された別人格ならお構いなし!
「なんだと……? この我の何処が根性無しと言うのだ」
「それは、お前の胸に聞いてみたらどうや?」
根性なしと言われて、心の中を振り返って確かめるウルカーヌ。『胸に聞く』とは本来そういう意味であるんですが。
剣の目線は心做しか、妙にサイズがハミ出てるビキニアーマーの胸部分をじーっと見つめながら一言物申した。……あんたもしかして。
「みのりのBカップ(推定)な胸よりちっちゃいビキニアーマーが、見栄張って色気路線で誤魔化すお前に根性なんて無いだろうが!!!」
そういう意味じゃなーーーーーい!!!!!
「テメー何処見て言っとんじゃゴラァ!!!」
「じゃかぁしいわAAカップ野郎、胸の平らさが甲府盆地がボケェ!!」
「偏見すぎますー、奈良盆地くらいは誇れますぅぅぅぅ!!」
剣は、親友のみのりを玩具のように操られた事に腹立っていたのだろうか。それともみのりのバストよりもちっちゃい女騎士に洗脳された事に腹立てたのだろうか。
どっちにしても煽り全開の剣、ウルカーヌ相手に口喧嘩転じて剣まで引き抜く始末。
「あれ、号令かけて無いのにもう決闘始めてるよ」
等と凪原さんが能天気に様子を伺うなら、八方に飛び掛かるツッコミの嵐。
「「いいえ、アホ共のス◯ブラです」」
………もう、これが最後の試練で良いんじゃないですか?
どうなる事やらラストクエスト、果たして桐山剣はこれを攻略し、みのりを取り戻すことが出来るのか!?
――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽
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