【GAME6-5】ゲーム戦士一掃!? 禁断のアーケードコンボ!!
――TIPS――
【アメイジング・テクニック①】
2枚以上のカードの組み合わせで単体カード以上の力を出すコンビネーション戦法を『コンボ』と呼ぶ。
1枚のカード効果で出てくるメリットとデメリット、それらを有効活用して相手を翻弄させる自分だけのコンボを作ってみよう!!
『ユニットカード、【ホワイトベア】!!』
――スピリットプレイヤー・ジンのアーケードコンボプロローグ、始めに出したのは『アイスクライ◯ー』を象徴するサングラス・海パン姿のお気楽熊≪ホワイトベア≫だ!
◎――――――――――――――――――◎
<ユニットカード>
【ホワイトベア】EG:⑥
AP:400 DP:400 AS:10
属性 青 ユニット/ベアー
・能力:このユニットが攻撃する代わりに
3秒間相手プレイヤー・ユニットを
行動不能にさせる。
◎――――――――――――――――――◎
「ちょ、ヤベーの出てきたぞオイ……」
プレイヤーの中にも経験者が居たようで、それらが口々にこのユニットに警戒している。
『アメイジングバトル・一時停止』
すると、急にアメイジングの時間進行がアナウンスと共にいきなり停止された。止めたのはスピリットプレイヤー・ジンくん。
「お姉さん! お姉さんならこのユニットは元はどんなキャラだったか分かるでしょ?」
ジンくんはまたもやみのりに遠くから話掛けてきた。
「え、えぇ……その熊さんに接触してもミスにならないけど、跳び跳ねた衝撃で氷山の1フロアを強制スクロールする……だったような?」
「ピンポーン♪ 流石お姉さんは物知りだなぁ! ――じゃ『アイスクライ◯ー』で足りないものと言えばなーんだ?」
……ちょっと待った、ちょっと待った! アメイジングそっちのけでクイズやってないですか御二人さん!?
「おじちゃんうるさい! 今お姉さんとお話し中!!」
す、すいません……参ったなぁこりゃ。
「……えーっと、頂上登ってコンドルにタッチするボーナスステージでもないし、氷柱でもないし……あ、もしかして木槌?」
「あったり~! あれが無いと氷山登れないもんね。でもさ、それを他のゲームのアイテムを使って登れたらもっと面白いことになると思わない!?」
「他のゲーム――?」
ジンくんはこのアーケードタウンのゲームをやり尽くし、シンプルなシステムから他のゲームを引っ張り出して更に工夫したらもっと楽しくなるんじゃないかと、想像力を働かせて作りあげたのがレトロゲームアイテムのアメイジングデッキ。
故にみのり達の想像を遥かに越えたカードコンボが既に彼の手札の1枚に握っていた……!
「――――ねぇお姉さん、もしアイスクライマーの木槌が『ドン◯ーコング』のハンマーに変わったら、どうなると思う?」
「…………えっ???」
「それを今教えてあげるよ!!!!」
ジンくんはカードスキャンブレスのボタンで再びアメイジングの時を動かしゲーム再開その刹那。
『カスタム・ツールカード、【コングハンマー】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<カスタムツール・カード>
【コングハンマー】EG:⑥
AP:500
属性:赤 装備:プレイヤー
効果:①このカードの攻撃は軽減されない。
②このカードは発動から15秒間その他の
攻撃が出来ず、他のカードの発動は出来ない。
15秒経過でこのカードは墓地に送られる。
◎――――――――――――――――――◎
~~♪♪
軽快な電子音を奏でると同時に、《コングハンマー》を装備したジンくんは頭上まで高く上げてテントンテントン大げさにハンマーを振りかぶる。
ドン◯ーコングのハンマー装備はある意味呪縛の振りかぶりアクション。そしてそのまま……突っ込んできた~!!
「皆逃げろォォォォ!!!!」
プレイヤーの叫喚一発、フィールドが一気にパニックに陥り大騒ぎ。しかし騒げど叫べど調子に乗るのがジン少年の悪い癖、情け無用にプレイヤーにガツンとハンマー直撃!!
――ビィィョョョョョン!!!
直撃エフェクト甲高く鳴ったなら、一撃必殺プレイヤー昇天、はいそれま〜で〜よ。
〔HP400→0 KNOCKOUT!〕
急いで槍一郎のように飛行カードで避難する者もいれば、逃げ遅れてハンマーの二の舞リタイア送りの者もいる。ゲームも天災も即座の決断一つで命を別つ、アメイジングはその典型的見本と言うべきか。 そんな天災ハンマーが今度はみのりと穂香に襲い掛かる!
(――!!)
この時いざというときに温存した手札とドローカードを引いたみのりの表情は期待に隆起していた。
「みのりちゃん早く離れてください! ここは私が――」
「大丈夫よ穂香ちゃん! このカードが来るの待ってたの!!」
満を持したような高揚と解放感、その加えたカードが行動をしなかったみのりを変える切り札となり得るのか?
「ほらほら! お姉さんにやたらおっぱいの大きい魔法使いさん!! ハンマー当てちゃうぞ~~!!!」
みのりと穂香を名指して無邪気にハンマーを振りかぶるジンくん。純粋を通り越して狂気を感じるのは気のせいか。
「行くよ、穂香ちゃん!」
「えぇ! 何時でも!!」
「「1、2、の……、3ッッ!!!」」
2人はみのりの合図で左右に素早くハンマーの攻撃を回避し、咄嗟にジンくんの背後に回る。そこからカウンターの、カードスキャン!!
『アクションカード……【ハーフゲーム・ハーフライフ】!!!』
――――ピトッ☆
「……ッッ!!!!?」
みのりの右手が優しくジンの背中に触れた時、手先からジンの体内の精気のようなものがみるみると吸収され、2人のステータスで予想だにもしない事が起こった!!
――発動前までのジンのHPは20600。
――ハンドルネーム『フルル』ことみのりのHPは400。
そんなみのりとジンくんのHPが……
〔S.PLAYER ジン HP10500〕
〔フルル HP10500〕
両者半分に分けられているぅぅぅぅぅ!!!!???
「えぇぇ!!? お姉さん一体何をやったの!!!?」
ジンくんハンマーの攻撃終了後に起きたいきなりの事に混乱している。その答えはみのりの切り札にあった!!
◎――――――――――――――――――◎
<アクション・カード>
【ハーフゲーム・ハーフライフ】EG:⑧
属性:桃
・効果:自分がタッチしたプレイヤーまたは
ユニットのHPと自分のHPを、
互いに合計した数値のHPに分ける。
◎――――――――――――――――――◎
何と!? 自分と相手のHPを分けあって仲良く半分こするという対価調整カード。HPが極端に多いレイドバトルモードではかなり重宝されるカードをみのりが持っていたとは……!!
「私が動かなかったのはこのカードが来るのを待っていたから! ジンくんから近づいてくるのをずーっと構えていたの!!」
「え、それだけの為に……!?」
……いや、それだけじゃないみたいですよ?
「――――ジンくんは私と遊びたいんでしょ? 自分だけHP独り占めしてないで、もっと私と遊びましょ!!」
「…………プリンセスのお姉さんってやっぱり面白いや、気に入ったよ!!!!」
みのりとジンくん、二人の間で交錯するアメイジング・レイドバトルモード。ゲームはまだまだ終わらない……!! でもやり過ぎは目と身体に毒ですよ。ここは一旦引き下がって本日のゲームは、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




