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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
4th STAGE―ゲーム戦士魂大爆発・本当の正義は何処だ……!?―
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【OMNIBUS 5-4】一気集中・パーフェクトへの道!!

 ――甘酸っぱいゲームから一転、パーフェクト達成への兆しが見えたところで目標を定めたシャッフルガールズ三人組!


 喜怒哀楽から百合百合なお題を突破して、その後で4メートル以上のタワーのテッペンに、ブロックを乗せる作業を慎重に進めていく。

 どんどん積まれて高くなっていくジェンガタワーに合わせて、脚立やらハシゴとエスカレートしていき、最後にはテレビ局やら倉庫やらで見かける高所作業台でブロックを積んでいった。機材は全てゲームワールドが負担しております。


 作業台の中に斜めで組まれた階段を登り、最大5メートルの足場に座り込んで、上段のブロックを引き抜いて乗せていく。

 幸いにも三人は高い所は平気な方で、今はとにかくブロックを抜くことに集中したい所。


 ジェンガブロックが全て抜き終わるまであと三個。抜く方も、見守る方も手に汗握って、しとどに濡れた手から雫が落ちる。


「……あぁ、下の方がしなってる……」

「穂香ちゃん、抜くの待って待って!」


 上でブロックを引き抜く穂香に対し、下ではタワーの様子に不安がるみのりとレミ。

 何せタワーの状態は8割が抜き終わって、骨だけが残っている状態。最上段から一個下のブロックを少し抜こうとしても、反るようにタワーの向きが曲がる。


「でも仮に戻しても、またしなりますよ!?」

「ゆっくーーり抜ける?」

「ブロックそんなに硬くないんで、私勢い付けて抜いてみますね」

「大丈夫なの!?」


 最上段より一個下のブロックは若干緩い為あまり重力に影響されてない。抜けない事は無いけれども、その反動によって倒れないかが心配。だがここはシャッフルメンバーの中で、随一にゲームテクニックに長けた大森穂香。


 何せキスのセンスもばつ(咳払い)、もとい技巧に磨きが掛かる魔導師の両腕で、シュッと素早くレッドブロックを引き抜き、優しく真上に乗せていった。因みにお題はこちら。


【レッドブロック:最近恥ずかしかった事】



「「「今さっきポッ◯ーゲームで本気チューした事です」」」


 やっぱり三人共本心では恥ずかしかったんですね。


 ▶▶▶ NEXT▽


 次のターンはレミ。最上段から二つ下、作業台から一番近い位置のグリーンブロックに手を掛ける彼女は、穂香に習って勢いで抜こうと判断。

 ブロックの感覚としては、すっと抜ける軽さにレミも半ば安心しつつ、若気の至りに身を任せて抜こうとするが……


 ―――スッ、グラッッ……!


「ッ!」


 大きく前後に揺らいだジェンガタワー。この動きを前に一旦ブロックを抜く手を止めるレミ。

 一瞬動揺したが、既にブロックは数ミリで抜ける所。焦らず騒がずに顔はビビったまま、レミはグリーンブロックを丁重に引き抜いた。


「レミちゃんあっぶな〜〜い……」

「心臓飛び出ると思った……!」


 レミは抜く瞬間まで気が気じゃなかった事でしょう。これで倒したらトラウマものの修羅場をよくぞ耐えた。安全にブロックを置いた所でお題突入。


【グリーンブロック:自分が一番心が休まる時】


「“時空(とき)の広場”のガーデンスペースに行くときですね」


 居候している紗由理(さゆり)さんの影響でガーデニングに興味がある穂香。みのり達と行動するうちに大阪駅の“時空の広場”にある花畑スペースに行くと、心做しか気持ちが落ち着くんだとか。


「あたしはー、ギャラクシーんとこの『ゲーミングサンデー』を食べてる時かなー」


 スイーツが大好きなレミ。行き付けのアミューズメントパーク・ギャラクシーのフードコートで放課後によく頼むフルーツサンデーを食べるのが最高の憩いだという。“ゲーミング”とは、果物てんこ盛りで超カラフルな事から名付けられたらしい。


 そして最後はみのり。すると、二人と違って急にもじもじしながら小声で呟いた。


「………私は、剣くんと……ずーっと一緒に居るときかなぁ……」

「「みのりちゃん……?」」


 剣とみのりはずっとタッグ組んで行動している事など、我々はおろかレミ・穂香にも先刻承知。しかし何故に当のみのりが()じらっているのかまでは分からなかった。



 ▶▶▶ NEXT▽


 残すブロックはあと一個。引き抜くのはみのり。


 ルールとしては、最上段・二段以降のブロックが全て抜かれた時点でジェンガはパーフェクトゲームとなる。

 つまり、三段目に一つだけ残されたピンクブロックが最後の引き抜きとなる訳ですが……!


 ―――スッ、グラッ…………!


 そっとブロックを抜いただけでも、不安定な軸が揺らぐ骨だけのジェンガタワー。二人のように一瞬で引き抜くセンスは無いと悟ったみのりは、ジリジリ……っと徐々に引き抜く事に全集中する。


「これは力加減の問題じゃないよ。ブロックの抜く時に起きる揺れを、軸がどれだけ抑えられるか。それだけでパーフェクトか否かが決まるね」


「じゃあんまり余計な事考えないで、無心で抜いた方が良いかもね」

「みのりちゃん、落ち着いて……!」


 みのりのセコンド役に徹するレミと穂香も固唾(かたず)を飲む。

 ブロックを引き抜いた時に変わるタワーの重心が、如何に耐え切る事が出来るか。みのりは無意識にその自然現象に賭けていた。タワーの一部から切り離すその瞬間、その反動を抑えられるか……!?


 ――――ユラ…………ッッ


(…………!!)


 ジェンガタワーはゆっくりと後ろへと傾き始める。その傾向が今までよりも大きかった為、みのりも倒れる事を最悪のケースに置く。だが……!


 …………ピタッ


 その傾きの動きは止まった……!!


「…………はぁあぁぁ……!!」


 みのりの緊張から出た息が、小声でビブラートに震えながらのガタガタ状態。いつもは気丈な彼女も正念場は緊張の極地。そして慎重に手前の最上へとピンクブロックを置く……!



「――――――――――フィニッシュ!!!!」



 若干傾いたままのタワーが、ブロックを置かれた事によって安定を保ち、頭から下まで骨状態のタワーが完成した!!


「やったぁ……!!」

「ちょっとまだ思い切り喜べないよ〜! みのりちゃん早く降りて降りて!」


 今のジェンガタワーは音や風でも倒れそうなくらい不安定。急ぎつつも静かに作業台から降りたみのりは、レミと穂香のお出迎えでハグで祝福された。



「やったねぇ、パーフェクト!」

「こんなに達成感感じたの久々だわ!」

「やれば出来るんですね!」


 嬉々と素直な感想が飛び出る三人組。骨組みだけのカラフルなビッグジェンガは既に5メートルを超え、細々としていながらもエリア内を貫き聳え立つ。タワーを倒さずにやり通した者だけが感じるカタルシス、これは最早芸術の域に達する。………しかし。



「………………あれ、何にも起きないよ??」


 サプライズ演出もファンファーレも皆無なジェンガタワーにキョトンとする三人組。


 ……ひょっとしてこれで終わり? 呆気ない状態で締め括り? 冗談な事を!

 本当のサプライズは、次回までのお楽しみに! ――本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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