【OMNIBUS 5-3】本心爆発・ハートフルは終わらない!!
「――みのりちゃん、レミさん。さぁ私の口元へ!」
((だから、何でそんなにノリノリなの!?))
魅惑のポッ◯ーゲーム・トライアングル発生!
ハートフルジェンガ経験者、かつポッ◯ーゲームでチューした事のあるみのりとレミも、まさかこんなにも張り切っている穂香を見たことが無かった。
いつもは誰に対しても心優しく、穏和で礼儀正しい女の子の穂香。
今の彼女はロングサイズのポッ◯ーを口の両端で二本加え、荒息立てながらみのりとレミのスタンバイを待ってる始末。『カモンマイハニー♡』状態だ。
『……みのりちゃん、分かってるだろうけど……』
『うん、マジキス回避で。穂香ちゃんに気付かれないように寸止め、ね』
ポッ◯ーゲームは別にキスする事が目的のゲームではない。寧ろそれから避けることは、正規ルールに乗っかってる事なんだと自己暗示をしつつ、みのりとレミは相槌で意思疎通を図る。やっぱり好きな子でもダイレクトキスは恥ずかしいのだ。
―――みのり、レミ、ポッ◯ーの端っこを口で加えてスタンバイオッケー。眼と眼が合って加えるはチョコの地平線、僅か30センチのレッドゾーン。どうなりますやら……!?
「―――――――いざッッ!!」
スタートの合図は二本加えの穂香。他の二人は慎重にカリカリとポッ◯ーを食べていく。程よいチョコの甘さを楽しみたいといえば建前になるが、とにかく口と口とが触れ合ってチューは避けたいと思うはみのりもレミ。ところが……
カリカリカリカリカリカリッッ
『『早ッッッ!!!?』』
恐るべし穂香の侵攻スピード! 気持ちいい程にポッ◯ーの橋を喰らい、迫りくる巨乳とターゲットロックした眼に翻弄される二人。この速度に最早逃れる事は不可能と悟った彼女ら、口には出さずとも覚悟を決めようと決意した所で、運命の刹那が来たる。
――――ぷっ、ちゅ〜〜〜〜〜☆☆☆
「「んっ?! ちゅ、んんっ……♡」」
かつて、みのりとレミが炸裂させたソフトタッチなキスとは訳が違った。穂香の超積極的なアタックをまともに受けた二人は、彼女の吸引力とそこから織り成す巧妙なテクを前にして、忽ちと魅了されていくのだった。
「「――――ぷはぁっ!! はぁっ、はあ……☆」」
ポッ◯ーよりも甘い感覚に、どうコメントしたら良いか答えを見いだせない二人。ただ彼女らの吐息がその全貌を物語る。
((穂香ちゃん、意外とキス上手い……!))
ここまで二人の心を奪いそうになったキスとは如何なるものか。男性読者には想像に任せるしか出来ませんが、思わずこの場に百合の花が咲き誇るような、そんな夢心地に酔った事でしょう。
「ちょっと穂香ちゃん、強引すぎ!」
「どうしちゃったのよ? そんなキャラじゃ無かったでしょ!?」
困惑転じて、御乱心でも起こしたのかと心配になったみのりとレミ。ところがどっこい彼女は正気。顔を赤らめながらも思いの丈をカミングアウトする。
「だって……、“大好き”を示すのに、むぎゅーだけじゃ物足りないんですもの!!」
「………穂香ちゃん」
彼女の抑えきれない欲求は、紛れもなく彼女自身の本心であった。
何しろ彼女の両親や兄弟は『超次元空間』の研究によって全員が犠牲になり、たった一人穂香だけが大森家の生き残りとなっている。しかもその事故は彼女が産まれて間もない頃で、当然家族の顔や面影を覚えていない。故に“触れ合う”事を知らずに生きてきた。
みのりやレミ、親友への愛情は信頼を超えて一線を超えた。そんな彼女の寂しさを、みのりがいち早く理解した。
「穂香ちゃん、お父さんやお母さんに甘えたかったんだね」
「……………はい。それだけが私にとって心残りなんです」
そんな穂香の目先、頬を伝って一雫。さっきまで二人に感じていた羞恥心もすっかり消えて、泣きべそかいていた穂香の両腕に抱き合った。
「恥ずかしがっちゃってゴメンね、穂香ちゃん。……私達じゃお母さん代わりになれないかも知れないけど、楽しい事なら分けあえるから。愛情もいっぱい!」
「あたし達メンバー全員は家族と思って良いんだから! 悲しがってたら、剣くんも皆も困っちゃうよ」
そして、寄り添う二人の間に挟まる穂香の両頬に二人が………
――――CHU♡♡
「「穂香ちゃん、だーいすきっ」」
その拍子に、穂香の零れかかった涙が溢れ出した。膝を付いてうずくまり、涙を両手で必死に抑える。
顔を隠す穂香の口からは『ありがとう……!』と、感謝の気持が確かに二人には伝わった。
▶▶▶ NEXT▽
―――ところで皆さん、忘れてませんか? ゲームはまだ始まったばかりだということを。
ピンクブロック縛りを終えた三人は、レインボールーレットによって次の色を決める。
二巡目は赤、三巡目は黄と、『最近ムカついた話、略して【むかばなー】』とかお昼バラエティ感覚でゲームは進み、バランスに長けたプレイで着々とブロックが上へと積まれていく。
どんなお題だったかは、読者の皆様のご想像にお任せします。ダイジェストですから。
ところが、余りにも順調にゲームが進んだことや、お題で盛り上がって気づかなかったのか。ジェンガタワーの様子にみのりが気付いた。
「ねぇ、私達結構ブロック抜いてない?」
「えっ」
「言われてみれば……」
そんなジェンガタワーの姿は、初期状態の2メートルの倍程に高さが伸び、下部分が食い尽くした焼き魚の骨のように、骨組みだけがピーンと積まれている。
気付けばブロックを上に乗せるためのハシゴも届かなくなってきた所。この状況から達するにジェンガの行く末から予想するものは……
「ありえるかも、パーフェクト!」
「「パーフェクト……!!」」
タワーを倒さずに、全てのブロックを積み終えた状態を迎えてゲームセットする事を【パーフェクト】と呼ぶ。これを達成すれば、おそらく報酬ボーナスやら追加の褒美が待っていることだろう。
「やろうよ! パーフェクトゲーム達成させようよ!!」
ハートフル転じて、使命感に駆られたシャッフルガールズ! 一年前に達成出来なかったパーフェクトゲームへ、心躍れ魂の限り! ――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽
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