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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
4th STAGE―ゲーム戦士魂大爆発・本当の正義は何処だ……!?―
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【GAME50-2】パーミッション・デッキスパイラル!!

 

 ――さて、ゲームの状況を説明致しますと。


 ゲームライター・早瀬ハルが起動させたドローカード地雷、《サモントラップ・エクスプロード》により痛恨の1000ダメージを受けてしまった桐山剣。そのカードが起動型効果を発動させた後は、役目を終えて墓地に送られる。

 つまり暫くはあの恐ろしい地雷は、再び場に出るまで暫くは安全でありますが……あの癖ありすぎて胃もたれを起こしそうな早瀬の事、きっとまた良からぬ事を企んでるに違いません!



「《サモントラップ・エクスプロード》が誘発した場合でも、引いたカードの影響は及ぼしませんよ。安心して手札に加えて、ゲームを続けましょうか。桐山剣さん」

「…………あ、はい」


 剣が引いたドローカードは《ビハインド・ムーブ》。背後にワープさせるカードで今の状況は打破出来ない。何故なら早瀬のプレイヤースキル【守護霊のカーテン】が、AP300以下の攻撃を無効にさせるからだ。


 そんな加護が盾になっている故の余裕か、穏やかな早瀬の笑みの裏では、痛快なダメージを与えたくて舌舐めずりしている想像が出来るのは私だけでしょうか。それでなくても、瞬時かつ驚愕のトラップ起動により動揺が隠せないのが桐山剣。



(慌てんなよ、落ち着けよ、シリーズ3年目を迎えた主人公。あのトラップに当たっちまったのは驚いたが、まだ俺のHPは半分残ってるし、ガードが硬いが武力はこっちのが上。回復だってちゃんとデッキに入れてらぁ!)


 メインキャラとしての立場を再確認しつつ、トラップによる動揺を暗示で抑える剣。

 しかしそれでも剣の残されたHPは1000。もし再び《サモントラップ・エクスプロード》が場に出て、起動させられればジャストで切り札騎士の体力は尽きる。


 そんな事など剣の思考回路は百も承知、だからこそ立ち止まってはいられない!


『ユニットカード、【エアリアルナイト】!』



 ◎――――――――――――――――――◎

 〈ユニットカード〉

【エアリアルナイト】EG:③

 AP:200 DP:100 AS:5

 属性:青 ユニット/ナイト


 ・能力:このカードはブロックされない。

 ◎――――――――――――――――――◎


 再びユニットを増やす剣、今度のナイトユニットは突然変異で質量が()()のように軽くなり、壁や物理攻撃をもすり抜ける力を持った“気体騎士”。それが《エアリアルナイト》だ!

 だが残念、これでも【守護霊のカーテン】の防御には届かない。


「防衛不可のユニットですか。しかしユニットの存在しない私の【パーミッション】デッキに対しては、そんな能力など無意味ですよ」


 今まで剣も戦った事が無かったタイプでしょう。何しろ早瀬が操るカードは全てツールカード、配下であるユニットは一切無く、道具のみで戦いを操作するデッキタイプ・パーミッション。

 相手の攻撃、カードの発動を無効にする妨害を重きに置いた早瀬のデッキ。幾ら剣がユニットを携えて人海戦術を立てようとも、早瀬に傷一つ入れられない事実がその強さを物語る。ここで再び早瀬が仕掛けた!


『ツールカード、【アンセスター・メモリー】!』


 《アンセスター・メモリー》、英訳すると『先祖の記憶』。早瀬のご先祖様の記憶がこの決闘を制圧するんでしょうか。そのカードの内容はこちら。


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈ツールカード〉

【アンセスター・メモリー】

 ・属性:青 EG:⑦

 ・効果:自分のデッキの上からカードを

 7枚確認する。自分はそのうち2枚を選んで

 手札に加え、残りのカードを全て墓地に送る。

 ◎――――――――――――――――――◎


 ……これはいけない。カードの束から7枚を確認した上で、早瀬は好きなカードを2枚選んで手札補充。残りのカードは墓地に送られるが、ゲームによってはこれ程効率良い墓地肥やしは無いとカードプレイヤーの作者も語ってました!


 早瀬はデッキの上のカード7枚は確認。一息置いて手札に加えるカードを決め、残りは墓地に置いた。だがまだ早瀬の手番は終わっていない。


『アクションカード、【今日のカード予報】!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈アクションカード〉

【今日のカード予報】

 ・属性:青 EG:②

 ・効果:自分はカード名と、対象プレイヤーを

 指定する。そのプレイヤーのデッキの一番上の

 カードを墓地に送る。そのカードが指定した

 カードであれば自分はカードを2枚ドローする。

 ◎――――――――――――――――――◎


 何処ぞの天気予報みたいな名前のカードですが、効果は何気にえげつない。

 早瀬がカード名とプレイヤーを指名して、その指名プレイヤーはデッキ上のカードを墓地に送らせる。


 それだけでもキツイですが、その時墓地に送ったカードが指名したカード名だったら、早瀬はカードを2枚ドロー出来るのだ。


「対象プレイヤーは桐山剣さん。指名するカード名は、【サラ・チャンドレイユ】でお願いします」

「何……!?」


 これには剣もその指名を疑った。それはサラが剣のエースカードの1枚であることと、デッキを見透かされたとはいえ、敢えてその切り札を選ぶ事に嫌らしさを感じたからだ。


「……デッキのたった1枚のカード、それに切り札を狙うとはとんだ大穴ギャンブラーすね。さっきデッキの中を見てたのに三積みされてるカードを選ばない理由でもあるんですか?」


 流石に剣も怪しいと思ったか。おとなしい口調で早瀬の思惑を探るべく少しだけ勘繰ってはみたが、


「その可能性の低さに賭けてみたかっただけです。……といっても、強運で勝負を無理矢理捻じ伏せた貴方が言う方が野暮でしょう」

「………御尤もで」


 筆を振るう者は口も達者なのでしょうか。言い負かそうとしたが、逆に早瀬に図星を突かれてしまった剣は苦笑い。

 そしてカード効果の処理により、剣のデッキの上のカード1枚が墓地に置かれる。



 ◎――――――――――――――――――◎

 <ユニットカード>

【サラ・チャンドレイユ】EG:⑥

 AP:500 DP:400 AS:15

 属性 赤 ユニット/ヒューマン/ヒーロー

 ・能力:このユニットが場に出た時

 相手のユニット全てに300ダメージを与える。

 ◎――――――――――――――――――◎


「…………嘘やろ……」


 サモントラップに引き続き二度目の大当たり。


「的中したので、私は2枚カードをドローしますね」


 たった2枚のカード発動で、手札2枚だった早瀬はあっという間に4枚まで増やしていった。

 これも相手を拘束しつつ、デッキの回転を加速させるパーミッションの特性なのでしょうか?


 …………いや、それにしては余りにも出来過ぎている。二度に渡るカード名の的中が、紛れだったにしても剣でも出来ない低い確率。更に二度ともデッキ内に1枚しか入らないカードの指名であることも彼は疑った。


 この公式なGWクエストの対戦相手に限って、こんな事は信じたくは無かったが……、剣は思い切って伺う。




「早瀬さん。あまり気に触ること言いたかないすけど、………何か仕掛けてません?」


「―――――仕掛けていませんよ。何も。平凡なゲームライターの勘です」



 …………いや、桐山剣は知らなくても、私と我々読者の皆様だけは知っています。


 前々回のゲームで、早瀬が指名カードを除外させる《記憶抹消》を発動させた際、桐山剣のカードデッキの全てを網羅していた。


 その後で剣がブレスによるカードデッキの自動シャッフルに徹していた際に、早瀬から迸った()()()()()


 “あれ”こそが早瀬ハルのPAS! あの波動がこの戦略の鍵を握っていた事を!!



 果たして剣は、このトリックに気付くことは出来るのでしょうか。そして読者の皆様は早瀬ハルのPASの能力がどんなものか、明らかになる前に是非ご想像下さいませ!


 明かせて頂戴、あんちくしょうの鼻! ――本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽


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