【GAME49-4】ゲームライターデッキの心軸!!
――TIPS――
【カードの永続起動効果】
パーマネント・ツールカード、或いはユニットカードの能力には、フィールドに留まっている限りはEGを支払う事で発動できる効果がある。
これらをEGを支払って発動した後は、次の同じ効果の発動まで30秒のクールダウンを行わねばならない。
ドロータイムと同じペースで計画的に発動させよう。
例):《書籍棚》効果:EG:①.自分の手札から好きな
カードを選び、それを除外フィールドに置く。
自分は除外フィールドに置いたカードの
枚数分デッキから手札に加える。
その後除外フィールドに置いたカードを
好きな順番でデッキの一番上に置く。
――決闘の中で探り合う、対戦相手の思考回路・暗中模索!
GWクエストに挑む桐山剣に立ちはだかるエネミープレイヤーは、ゲームの実力に関しては素人と称するゲームライターの早瀬ハル。それ故か、彼女の決闘の立ち回りは余りにも常識を覆すものだった!
(早瀬さん、一体どんなプレイを望んでるんや……? ユニットも武器も出す素振りなんか全く無いし、カードを発動してもデッキの中を混ぜたりするだけ。全然デッキの趣旨が見えへん……!)
アメイジングのカードデッキ。50枚のカードの束で紡がれる濃縮戦略を創るからには、必ず立たせるべきであろう勝利への目的というものがあります。
例えば、桐山剣のように“騎士”の立ち振舞をリスペクトしてソード系武器や騎士ユニットを駆使して戦い、様々なサポートカードを加えつつ戦場を制するタイプ。
銃司のガンマンのように破天荒で弩級のパワーを持って圧倒させる者、龍牙の忍者のように俊敏でテクニックで翻弄させる者。ゲーム戦士の個性の数だけデッキの種類も千差万別・多種多様。
―――では、序盤ながらに不穏な動きを見せる早瀬ハルのデッキはどんな動きで勝利を目指すのでしょうか? 決闘が進む内に自ずと答えが見つかる筈。そうと決まれば長話はこれまでにして続きを読もう!
「……語りは終わったようですね。ちょっとは反撃してみたらどうでしょうか、剣さん?」
「言ってくれますね。そっちは硬ーいカーテン敷かれてるから余裕じゃないですか、早瀬さん」
剣もこれには苦笑い。何しろ早瀬にはプレイヤースキルで覆われた【守護霊のカーテン】が付いている。これによりAP300以下の攻撃は全く聞かない、人間セキュリティコード状態だ。
剣のフィールドには武器の《ファイティングブレード》と、召喚した《カウンターナイト》のユニットのみ。どちらもAP300以下の為、攻撃しても無駄。
「でも、そのカーテンを打破するためのカードはちゃんとあるんやで!」
ここで剣、デッキからカードを引いてブレスへとスキャン!
『カスタム・ツールカード、【聖天の覚醒】!』
◎――――――――――――――――――◎
〈カスタム・ツールカード〉
【聖天の覚醒】
属性:黄 EG:④ 装備:ユニット
・効果:装備したユニットは
AP/DP300アップする。
◎――――――――――――――――――◎
力が足りないなら装備で強化。『極限遊戯戦記』以来久々に登場、攻守大強化の《聖天の覚醒》だ!
「コイツの装備対象は《カウンターナイト》! これでAP100の騎士もパワーアップで400に……」
『カウンター・レスポンス発動』
「……おっと?」
ここで“待った”の掛け声と共に、早瀬のカウンターレスポンス。この間時間は止まり、早瀬は剣のカードの発動に対して妨害が出来るが……?
「それはお待ち下さい。そのカード発動に対応して《書籍棚》の効果を発動します」
早瀬はパーマネント・ツールカードの《書籍棚》の起動効果をEG①払って発動。永続起動効果は30秒に一度発動できる。カードの効果に従い、早瀬は4枚の手札のうち3枚を除外フィールドに一旦置いて、その後でデッキから同じ3枚を引いた。
「……これなら大丈夫ですね」
早瀬は安心した表情で除外した3枚のカードをデッキの上に好きな順番で戻した。
《書籍棚》の効果処理を終えて、手札を一部刷新した早瀬。まだ剣の《聖天の覚醒》の装備処理が終えてないタイミングを計らって、早瀬は新たに加えたカードをそのままスキャンした。
『アクションカード、【メモリー・ミッシング】!』
◎――――――――――――――――――◎
〈アクションカード〉
【メモリー・ミッシング】
属性:青 EG:②
・効果:発動前のカードを対象にし、
それを無効にする。その後そのカードを
持ち主のデッキに戻してシャッフルする。
◎――――――――――――――――――◎
「発動途中の《聖天の覚醒》を無効にして、剣さんのデッキの中に戻します」
「地味にキツイですね……」
これまた再び苦笑いの剣。しかもこのカード、無効にして破壊で墓地に送るのではなく、再びカードデッキの中に戻すという所も嫌な効果だ。
「しゃーない、これで行くぜ!」
一度の妨害なんのその、挫けません勝つまでは! 剣の連続カードスキャン!
『アクションカード、【タイタンの力】!』
◎――――――――――――――――――◎
〈アクションカード〉
【タイタンの力】
・属性:赤 EG:①
・効果:自分、またはフィールド上の
ユニット1体対象にする。
対象のAPを10秒間300アップする。
◎――――――――――――――――――◎
〔《カウンターナイト》AP100→400〕
まだまだ手中には筋力アップのカードが残されていた剣! 再び《カウンターナイト》を強化させて【守護霊のカーテン】のボーダーラインを超えた!
「今度こそ行けぇ《カウンターナイト》!」
上段に構えた刃を前に構えて特攻体制、ナイトの一太刀なるかどうか!?
「させませんっ!」
それに阻むは早瀬のカード!!
『アクションカード、【聖なる盾】!!』
◎――――――――――――――――――◎
〈アクションカード〉
【聖なる盾】
・属性:黄 EG:①
・効果:相手ユニット1体の攻撃を無効にする。
◎――――――――――――――――――◎
早瀬の眼前に現れた光のシールド、これによってナイトの攻撃に鈍い音を立てて無に帰した。
〔早瀬 HP2000〕
「危ないところでした! 危うく400ダメージを受けるところに盾、それに剣さんの手札も2枚消費出来たので戦果は悪くないですね」
戦いは素人だが、分析に関しては玄人級の早瀬。あまりにも硬い防御に剣の思案も変化が出始めた。
(やっぱり自分から攻撃してこんで、守ってばっか。……もしかしたらこれって初心者的なデッキじゃなくて、妨害特化、って事か……?)
剣のゲームに対する年季が徐々に早瀬のデッキの趣向を明らかにさせていく。彼は妨害タイプではないかと考えているようですが、実際の所どうなんでしょうかねぇ蒼真さん。
「俺にも振るのか? 語り部」
そりゃそうですよ、第三者側は半強制的に解説をやって貰うシステムなんですから、このゲームウォーリアーって物語は。
「仕方ない。少しだけ説明しよう」
あら、意外と受け入れましたね。流石真面目な蒼真お兄さん!
「確かに早瀬はアメイジングに関してはド素人の枠だが、選んだデッキはかなり高度な戦術。何せ彼女はユニットや武器を1枚も入れていないのだからな」
え!? ということは、ツールカードとかアクションカードしか入れてないんですか?
「攻撃手段が少ない分、デッキの中に防御や妨害カードを大量に詰め込んでいる。さっきの《聖なる盾》や《メモリー・ミッシング》がそうだ。そうやって桐山剣の出鼻を挫かせるカード戦術を【パーミッション】という」
成程、【パーミッション】! カウンターを軸にした罠カードを大量に入れて相手のカード効果を無効にさせたりして戦況をコントロールする戦術。高度ですがしぶとさはウルトラ級、長期戦必須。
……だとしたら、作者のモチベーション維持はかなり長引くことになりますが!?
『とにかく書けって事だろ!? by 慶』
プレッシャー掛けさせてごめんなさいね。
(何で物語の垣根外して、語り部と作者が掛け合い漫才してるのだ……?)
これもゲームウォーリアーの風物詩ですよ、蒼真さん。
デッキとスキルに仕掛けられた盾、早瀬の手番で展開するカードの数々。これらが繋がりゆく先に待ち受けるのは深淵の闇か地獄の炎か? あぁ廻る因果は糸車、世界はまさに火の車! ――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




