【GAME6-3】氷山フィールドの脅威!!
――TIPS――
【アメイジングルール②】
カードには『属性』の概念があり、それによる色の相性から威力の上下が発生する。
例:『赤属性』は『緑属性』に2倍ダメージ、『青属性』には半減。
属性の色の種類も10種類以上、実践で善し悪しを確認しよう!!
――スピリットプレイヤー・ジンが繰り出した氷山ブロック雪景色。知る人ぞ知るアーケードレトロゲーム『アイスクライ◯ー』をモチーフにしたフィールドカード≪アイスクライムステージ≫展開す!!
◎――――――――――――――――――◎
<フィールド・カード>
【アイスクライムステージ】EG:⑤
属性:青
・効果:このカードの発動後、
全フィールドは[行動制限:スリップ]と
[赤属性カードAP半減]
[黄属性AP2倍]の付加能力を得る
2階層のフィールドとなる。
◎――――――――――――――――――◎
その変貌に傍観するや否や、氷のステージに心なしか背筋から寒気が走る戦場のプレイヤー達、それと戦い見守る四人の後見人。
「ちょ……オイオイ構わんわ! こんな氷のフィールド見ただけでも身体冷えてまうがな!!」
「ホットココア飲みたくなっちゃうわ!!!」
何て呑気に感想を述べるはムード盛り上げボジションの豪樹とレミ。そしてそれに屈せず冷静に戦況を見分ける剣と倭刀は。
「……何か妙じゃないすか? スピリットプレイヤーのカードセレクトがレトロゲームに偏り過ぎてるっつーか……」
「偏見で判断するこたぁ無いぜ。ファンデッキにしちゃ洒落てる方や、それにあのちっこいのピュアな面してよく考えてやんの!」
剣のコメントに疑問を思った倭刀はもう一度フィールドを眺めていると、その訳が我々にも直ぐに理解できた。
「う、おぉぉ、結構滑るなオイ!」
「……ダメだ立ってるだけで精一杯だよ!!」
プレイヤー達の床にしかれた鮮度抜群・透明度お墨付きの透き通った氷が、その慣性に慣れないプレイヤー達の足を滑らせる。
これぞ付加能力[行動制限:スリップ]の恐ろしさ! スケート靴も履けず足の自由が効かないアイスリンク状態では思うようにカードも発動出来ない。
「あのスピリットプレイヤーくん、プレイヤー達の動きを止めて反撃をさせないようにしてやがる。それに皆さっきの≪POWブロック≫でHPギリギリの満身創痍……って事は」
「……お察しの通り、何か来そうですぜ」
倭刀が余裕をかますジンを指差す通り、更にカードを発動させるしぐさが確認された。
「もう僕は本気で行くから! 覚悟してよねー!!」
ジン、情け無用のカードスキャン!
『カスタム・ツールカード、【マカイランサー】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<カスタムツール・カード>
【マカイランサー】EG:③
AP(攻撃力):150 PP(使用回数):10
属性:黒 装備:プレイヤー
≪必殺技≫
『デビルスレイヤー』EG:③ AP:200
・ランサーを光の矢に変えて渾身の力で
敵1体に投げつける!
◎――――――――――――――――――◎
発動したカードでジンの手に槍が宿る。その切っ先は巨大なトゲのようで、今度は倭刀にそれに対する既視感がよぎった。
「あれまさか……『魔界◯』の槍じゃね?」
「嘘ぉ!? そいつまでカードになったんか!!」
倭刀の察しはまさにその通り。『魔界◯』の騎士が鎧姿或いはパンツ一丁で装備する槍そのもの! ジンはその≪マカイランサー≫で縦横無尽に振り回し攻撃する!!
「それそれそれッッ!!」
ジンは先ほどリンチにしてやられた特攻プレイヤーから真っ先に仕返しとばかりにランサーでザクザクと串指す。ちょっとえげつないぞ。
〔プレイヤー1 HP100→0 KNOCK OUT!〕
「ち……ちくしょうーーー!!!!」
特攻プレイヤー計4名、HPがゼロになった事でリタイア!! フィールド外部で強制転換された。
他のプレイヤー達も氷で自由に動けないなかで必死にジンの攻撃を避ける。それよりも一人だけ気になるプレイヤーが……
「……これは酷いよ、僕一人だけ氷山に閉じ込めてるんだから」
アイスクライマーのように段になっている為、ステージの空中にも氷の足場を全体に張り巡らした為に地上に降りれず、翼を授けられたまま立ち尽くす槍一郎。受難である。
「何か援護になりそうなカード……、来てくれ!!」
槍一郎は丁度ゲーム開始から30秒が経過したところでデッキからカードを1枚引く。
《CARD DRAW》
「…………少々無茶だけど、やるしかないか!」
槍一郎、立ち往生脱却なるかカードスキャン!
『アクションカード、【ブレードレイン】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<アクションカード>
【ブレードレイン】EG:①
属性:黄
・効果:相手フィールドのユニット及び
マテリアル全てに100ダメージを与える。
◎――――――――――――――――――◎
「皆、頭に気を付けろーーーー!!!」
槍一郎は上からプレイヤー達に大声で呼び掛けた。というのも、槍一郎が発動させた刃の雨が降り注ぐからである!!
ドガガガガガガッッ!!!
空から降った刃が空中の氷ブロックを貫通させ、フリーフォールで地上に突き刺さった。
「……成る程、段差になってる氷ブロックに穴開けたかったんだ!!」
ジンの予想は大当たり。槍一郎はカードの効果ではなく、上からの行動や他のプレイヤーの避難も兼ねて、閉じ込め敷き詰められたブロックの通過口を開けようとしたのだ!
「これなら上からの攻撃も出来る!!」
と得意気に槍一郎もう一度カードスキャン!!
『カスタム・ツールカード、【トライデント】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<カスタムツール・カード>
【トライデント】EG:②
AP:100 PP:10
属性:青 装備:プレイヤー
・効果:[貫通攻撃]
≪必殺技>
『突風丸』EG:③ AP:200
・フィールド隅まで一直線に
青属性の真空の竜巻を起こす。
◎――――――――――――――――――◎
出ました槍一郎お得意の三双槍! トライデントの刃が彼のカリスマ力をぐーーっと上げていく!!
「やっば! 逃げろ!!」
ジンは槍一郎の臨戦態勢に入ったのを確認して直ぐに怖じ気づいたか間合いを取るために逃げ回る。
「逃がさん!! プレイヤースキル発動!!!」
◎――――――――――――――――――◎
・ゲイル(槍一郎)のプレイヤースキル
【クイックシュート】発動!
5秒間自分の行動速度が加速します!!
◎――――――――――――――――――◎
プレイヤースキルから放たれた槍一郎のスピードから逃げられたプレイヤーは居ない。
ましてやスピリットプレイヤーをもロックオンした槍一郎が地上に降りてトライデントが唸る!!
〔S.PLAYER ジン HP29550→29450→29350〕
「よっしゃ、槍ちゃんのペースに入った!!」
槍一郎の槍が乱舞する様を見て剣が叫ぶ。 トライデントをバッタバタと連続攻撃を繰り出し、著しくジンのHPを削る。そしてフィニッシュは……!
「トライデント・必殺技! 突風丸!!」
相手を突き刺す真空竜巻!これがジンの身体にクリティカルヒット、通常の2倍・400ダメージ!!
〔CRITICAL HIT!! S.PLAYER ジン HP29350→29150〕
「アイツ、やるなぁ……」
「よし今のうちに俺達はフィールドを固めよう」
槍一郎のコンボが決まり、感動する者もいれば、その隙にカードを発動して盾となるユニットや武器を装備して次に備える。
「私も準備しておかなかれば……」
穂香も触発されてカードを発動。
『ユニットカード、【オーク・インカネーション】!!』
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<ユニットカード>
【オーク・インカネーション】EG:⑤
AP:? DP:? AS:15
属性 緑 ユニット/エレメンタル
・効果…このカードのAP/DPは
自分の手札の枚数×100として計算する。
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穂香のユニットは大樹の化身、自分の手札の数だけステータスが変貌するエースカード。 彼女の手札は5枚で攻守共に500となる。
一方のみのりは手札を温存して相手の出方を伺う。 その間にも微かな葛藤が彼女の心から覗き見えた。
(槍くんも穂香ちゃんも、自分の個性で逆境に抗っている。それに比べて普通で長けたものがない私は何をすれば良いんだろう……?)
「……!」
そんな心の迷いはスピリットプレイヤーのジンに見分けられない筈がなかった。――迷えるプリンセスみのりの心が、アメイジングに激動の予感を知らせる……! 本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




