【GAME49-1】意外なる対戦相手!!
ネクストゲーム、前回に引き続きまして桐山剣の聖剣『GXキャリバー』獲得GWクエスト・ラウンド2!
ダンジョンに引き続いて挑むゲームは、アメイジング真っ向勝負!!
ゲーム戦士の魂が試される真剣勝負、しかし剣が一味違うなと思わせたのは、対戦相手の意外なセレクトでありました!
その真相や如何に!? それでは参りましょう!
―――『オープン・ザ・ゲート』!!
▶▶▶ NOW LORDING...CONNECT!▽
――ゲームワールドオンライン・所在地不明の未知なる迷宮『限界突破迷宮』。
B20階もなる地下空間の遺跡を超えた先に待つ到達点・最深部には、大理石のようなクリアーな床と松明の明かりに照らされた赤褐色の壁と天井。
そもそもこの迷宮にはどんな意味合いを込めて作られ、神聖なる最深部にはどんな謎があるのかは未だに判明されていない。
ゲームワールドオンラインではこのような意味不明なメッセージを込められた文字や場所が多数存在し、プレイヤー達がその謎を真正面に向き合うまでは、解き明かされていない秘密が沢山ある。
“謎”や“秘密”要素があるもの程、気持ちを引き締める魔力があるのでしょうか。この最深部が本来どんな場所かも知らないのに、心做しか厳かな気持ちにさせていく。
――――――ある三人を除いては。
「みのり、まだリセマラやってんのかよ!」
「仕方ないでしょう、あのSSR出なきゃ長期プレイは難しいんだから!」
「桜も草臥れるだろ、同じチュートリアル見せられてさ」
「いいえ剣さん、これもまた“忍耐”の一環ですわ。目標に達するまでは諦めず動作法を繰り返す。これもまたゲームだと思います」
「チュートリアルが目標かよ、やれやれ」
その御三方とは、GWクエストに絶賛参加中の剣・みのり・桜のゲーム戦士トリオ。第一の試練であるダンジョンを、ユニットウォーリアーの《ミラクルボール・プニュ》の力によって攻略した剣は、次のミッションが来るまでみのりと桜のソーシャルゲームに付き合っている様子。
しかしどんなソシャゲやってるか知りませんが、この神聖な最深部で呑気に寛いで、下手すれば2、3時間掛かるリセットマラソンで暇をつぶしちゃって。準備しなくて大丈夫ですかぁ?
「心配御無用。もうダンジョン終わってからは俺のカードデッキも使えるらしいし、彼処で獲得したカードは報酬にしてOKって書いてあったから改良したもんね」
それなら一安心。ゲームに関しては用意周到の剣。ちゃっかり《ミラクルボール・プニュ》もデッキに採用することが決まったようで、ユニットウォーリアーの契約解除してからはカードになったプニュもカード束の仲間入りを果たした。しかし良い加減次のゲームをやりたくてウズウズしている様子の剣。
「ねぇねぇ剣くん! ボーッとしてないで、剣くんもゲーム手伝ってよ!」
「手伝うも何も、まだチュートリアルやろ?」
「そのチュートリアルのガチャ! 私じゃツイてないみたいだから剣くんが回してよ、おねがいおねがい☆」
みのりが眼をキラキラさせてぶりっ子ぶって祈願される剣。たかがガチャ回しで大袈裟なと思いがちだが、そうさせる訳があった。
「まーた俺の強運頼りか! 俺の運を他人のゲームに、しかも桜のにやらせるってのはどーも気が引けるけどなぁ……」
自分の運の強さを悪用させる事に良心を痛める剣。自分のゲームこそ自分の運で強さを切り開くものだという信念に縋ってはみるが……
「帰ったら抹茶アイス三個奢るから」
「乗った」
剣の趣向を知り尽くしているみのりが一番上手であった。渋々と桜のプレイギアから、10連ガチャの確定ボタンを剣の指先でタップすれば……!
「………!! SSRが三つも!!!」
これには桜もビックリ、チュートリアルの10連ガチャを回せば3/10が激レア出現! マグレにしては出来すぎちゃいるが、これが桐山剣の強運の魔力なのだ。
「やっぱり剣くんの運は凄いよ! これだったらリセマラやる前に剣くんの足を掻けば良かったわ」
「俺は通天閣のビリケン様じゃねぇぞ! あんまり運頼ると勝利の女神に拗ねられそうで怖いから使いとうないねん」
運に関してはデリケートな迄に謙遜する剣。その様子を伺う桜の思う心の内は。
(……やはり剣さんの強さの元は、天性からなる強運も一つの理由だと思いですわ。“運も実力の内”とは言いますし、それを良しとしない者も当然ながら居るとして、果たして彼がその運を強さとして認めているのか。そこも試練の課題に指摘されてるのでしょうか……?)
ライバル関係のチームである立海遊戯戦団の桜だから語れる剣の評価。その思惑がWGCのGWクエストに的中するかどうかはさておき、待ちに待った展開がようやく訪れた。
「待たせたな桐山剣。ここからのクエストは俺が指揮を執る」
「―――――っ!??」
突如として転送され、馳せ参じた革ジャン姿に蒼い髪。そう彼こそがゲームマスター兼元オフィシャルプレイヤー千葉県代表ゲーム戦士の一文字蒼真(28)だ。
「一文字、どっかで聞いた名やな……いやそれはともかく、次の対戦相手はアンタなんすか?」
「いや、俺はこのGWクエストの案内役だ。桐山剣とそこの付き添いの者と、これからこの最深部の奥の部屋で戦うことになる対戦相手の護衛としてな」
蒼真自身が戦うのではなく『なんだ……』と落胆する剣。
すると、剣ではなく意外にも桜が、唇を噛み締めながら拳をワナワナと震えさせる様をみのりが気づいた。
「どうしたの、桜ちゃん? 全身震えてるけど……」
「……………………いえ、何でも御座いませんわみのりさん。お気遣い痛み入ります」
そんな桜の反応は、殺意をグッと堪えているようなリアクションだった。その様を見て剣は蒼真の正体にハッと気が付いた。対する蒼真も、この様子に何も思わない筈はない。
「……申し訳無いが、ここからのゲームは桐山剣以外の者はここで待って貰う。また放置させて申し訳ないが、そういうルールだ」
「……その方が良いっすね。またみのりのソシャゲ講座が出来るし。みのり、桜の事頼むわ」
「う、うん。剣くんも気を付けてね」
「……御健闘を御祈りしますわ」
桜は顔色優れない中でも最低限の礼儀を交わして、広間の奥にあるゲートを蒼真の案内で開き、突き進んでいった。
▶▶▶ NEXT▽
―――ゲートの奥は打って変わって薄暗がりの細道で繋がっていた。列になって壁に飾られた松明のみが、ゲーム戦士を誘う道標。突き進むは剣と蒼真の二人。
「……蒼真さん。もしかしてあの二人に気を利かせたんすか? 俺だけ先進むって話」
「何故そう思った?」
「アンタが、立海銃司の兄・丈を殺したんでしょ? 間接的だけど」
「……大方、一年前のアメイジング・ウォーズで立海銃司自身がそう話したのだろう。その通りだ」
――――そうなんです。今から遡ること四年前、精神病を患い、ゲームワールドオンラインにて暴走した銃司が殺傷事件を起こした事により出動した元オフィシャルプレイヤーの一文字蒼真。
過失であったとはいえ有り余る被害の罪状、故にWGCからも庇いきれない罪を犯した銃司は、この時蒼真によって処刑されるつもりだった。
そこで、立海の誇りに掛けてその処刑の運命を無理矢理に捻じ伏せて、銃司の代わりに犠牲となったのが今は亡き立海家第20代城主の立海丈。
結果的には銃司の身代わりとして自害という形で命を落とした為、蒼真自らがこれを下してはいない。
だがその結果を生み出したのは彼であり、桜や他の立海のゲーム戦士からは先代城主を殺した仇として蒼真を敵視するようになったのだ。※『極限遊戯戦記』第50話参照
「別に負い目にしちゃいないが、わざわざあの娘に不快にさせる必要も無いだろう」
「その件で俺は誰が悪いとか言いませんけど、結構辛いすね」
「戦うってのはそういう事だ。勝者だけが美に溺れるなどあり得ん。弱者から奪った分、汚れて恨まれる覚悟は持っておくことだ」
「……もう慣れましたよ、勝って相手に恨まれるなんざ」
銃司や龍牙、今や対等なライバルにも過去に敗北し、嫌になる程恨んだ事のある剣。結局は“同じ穴のムジナ”である己に多少ながら自虐した。
「ところで、次に戦う俺の対戦相手ってのは結構ヤバい奴なんですか?」
「いや……まるでだ。ゲームじゃ知識は豊富だが実戦に関しては完全に素人だ」
「素人………!??」
これには剣も呆気に取られた。いやいや決闘が疎いだけで戦略とかクレバーかと勘ぐってみたが、蒼真の言い分ではゲームの全範囲で素人と称すような言い方だった。
「役不足と思っているな。果たしてそれが本当かどうかは戦えば分かる」
そう言いながら細道の最終地点である扉を開き、新たな決闘の聖地を開放させる。そこはあの古代ヨーロッパのコロッセオとも見まごう円形の闘技場。
外側のギャラリーに観客は皆無の無観客試合になりそうな雰囲気に白けはするが、闘技場全体にただならぬ闘志を湧き上がらせる不思議な香りが醸し出していた。
「連れてきたぞ早瀬、お前の対戦相手だ」
そんなコロッセオの眼前に、洋風の風景とはまるで釣り合わぬ和服衣装アバターの女性ゲーム戦士が……!
「――――貴方が桐山剣さんですね。はじめまして、私ゲーム雑誌『週刊 G通』の担当ゲームライターを勤めさせて頂いてます、【早瀬ハル(26)】と申します」
「ゲ、ゲームライター???」
これはどういう組み合わせなのでしょうか? 桐山剣の対戦相手がゲームライターとは!? 何の因果か因縁か、御本人も理解に苦しむ謎マッチの真相はまた次回に御説明致します! ――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




