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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
4th STAGE―ゲーム戦士魂大爆発・本当の正義は何処だ……!?―
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【GAME48-9】迷宮踏破・新たなる決闘へ!!

 ――桐山剣は、この迷宮踏破にPASは使わないと決めていた。


 GWクエストの最序盤、更に剣が極稀に二つも覚醒しているPASをこんな所で使うわけにはいかないと思ったからだ。

 しかし来るB14階到達直後、襲いかかる魔物連盟の大リンチ。そしてカード発動・行動不可の罠。万事休すとは言ったもの。それでも剣は切り札を使わないと決めていた。……ならば何故に桐山剣は、


 ◎――――――――――――――――――◎

 限界突破迷宮・B20階/最深部踏破!

 GAME CLEAR!!

 ◎――――――――――――――――――◎


 B14階から一気にすっ飛ばして、最深部へとワープしたからさ!! ……って何でぇ!!?

 これには当の剣も想定外の展開だったようで、呆気に取られてメガテン……じゃなくて()()()状態。彼に抱かれてるプニュはご満悦だ。


 そんな中で、剣の帰りを待っていたダブルヒロイン・みのりと桜はというと。


「う~ん、この編成じゃ厳しいわね。桜ちゃん、ここはリセマラしてやり直しましょ」

「リセマラ? マスカラの妹ですか?」

「まつ毛のお供に妹は居ないよ。『リセットマラソン』の略だよ。ソシャゲのスタートダッシュで編成が不十分だと思ったら、故意的にリセットしてやり直す繰り返し作業よ」

「せっかく長いチュートリアルをやったのに、またやり直すんですか!?」

「面倒だけど強いキャラを作るには時間も潰すくらい惜しまなきゃ。それでも納得いかないからって課金する人だっているもの」

「ソシャゲ、中々にシビアな世界ですね―――」



「オイ、俺差し置いて何をソシャゲ教室やっとんねんダブルヒロイン!」


「別に剣くんを除け者にしてないわよ、桜ちゃんがスマホゲームやった事無いから教えてるの!」

「申し訳御座いません剣さん。何せ銃司様が薦めてくれなかったものですから……………って」



「「アレェェェェェエエエエエ!!???」」

「剣くん!? いつの間に」

「何時から最深部まで来れたんですか!?」


 長らくのノリツッコミ、桜さんも参加の中で誠にご苦労様でした。

かくしてダブルヒロインさえも想定外の帰還に驚愕、しかもモニターも余所見でスマホに集中したものだから、彼女らもこの展開を知らなかった。


「“彼女らも”? じゃ剣くんもここまで来れたのか分からないって事?」

「何かチートプレイでもしたんですか?」


「とんでもない! 俺がチーターを死◯撃ちに一分費やす程大嫌いなの知ってるやろ」

 それは殺意満載なので止めましょうね。


『プニュニュ、プニュプニュ!』

 おや、プニュが剣に何かを訴えておりますな。


「剣くんどうしたの、まんまるキュートなマスコット抱いちゃって」

「俺が迷宮で契約したユニットウォーリアーだ。――んで何やプニュ? ……うんうん、何!? 成程やっぱりそうか!」


「何でまんまるさんと話通じてるんですか、剣さんは」

「創作って便利ね」


 そこは言わないであげてみのりさん。何やら剣は最深部までワープした理由を、例によって私Mr.Gが掻い摘んで申すならば。


 ▶▶▶ NEXT▽


 ―――あのときB14階に移動した直後、【呪縛の電磁波】によって階段付近から身動き出来ず、カードも発動出来ない拘束状態に陥った剣とプニュ。

そこに立ちはだかるは、B13階のモンスターハウスから命からがら逃げて告げ口報告し、B14階の魔物と手を組んで袋叩きにしようと企んだ狡猾な魔物軍勢。こうなったからには大ダメージ、大リンチは必須の状態。


 しかし、剣はB13階にてモンスターハウスの大量のカードを回収していた。嫌な予感も察しており、階段を降りる前にプニュを抱き抱えて決心も固めていた。そんな彼が何も構えずに次の階へ向かったとは到底思えない。


 それは即ち、剣は既に()()()を構えていたからだ。その切り札とは、剣のユニットウォーリアーの《ミラクルボール・プニュ》だ。


 ◎――――――――――――――――――◎

 ☆〈ユニットウォーリアー〉

【ミラクルボール・プニュ】LV15

  HP:500 AP:10


 [スペシャルコマンド]

 ・LV1:【くすぐる】

 ・LV10:【奇跡の贈り物】

 ・LV15:【奇跡の出来事】

 ◎――――――――――――――――――◎


 プニュはモンスターハウスにて剣が大量に魔物を討伐した事によって大幅レベルアップしていた。奇遇にも三つ目のスペシャルコマンドの習得に必要なLV15に到達した事も、剣は階段に入る前に感付いていたのだった。


 そこで剣は一つの賭けに出た。『もう一度、プニュの奇跡を信じてみよう』と。


 意を決してB14階に降りて魔物の罠は受けたものの、プニュのスペシャルコマンド発動の制限までは受けていなかった為、剣は魔物が襲いかかる前にスペシャルコマンドを起動させていたのだ。


 ◎――――――――――――――――――◎

 《ミラクルボール・プニュ》

 スペシャルコマンド【奇跡の贈り物】発動!

 ゲーム戦士に大いなる奇跡を!!

 ◎――――――――――――――――――◎


 四方八方周囲を囲むは無数の爪と牙、今にも剣達を喰らい尽くそうとする殺伐した魔物の群れが飛びかかったその時、――――不思議なことが起こった!!



『プーーーーーーニューーーーーーーーッッッ!!!!!!!』



 プニュの雄叫びが、剣や魔物がいる空間全体に閃光を迸らせ迷宮が白銀世界と化した。魔物達は眩んだ眼を擦り、獲物は何処だと改めて周囲を見渡したがそこには剣とプニュの姿は無かった。



 そして一人と一匹が辿り着いた先が、幸運な事に最深部。かくして桐山剣はプニュの奇跡を信じた事により窮地を脱出、アメイジング・ダンジョンモードもクリアと認定されたのでした!



 ▶▶▶ NEXT▽


 ――だがこんな結果には宜しくないと抗議を醸す者も居た。このGWクエストを管理しているゲームマスター・一文字蒼真だ。


「こ、こんな結末でクリアで良いんですか!? B19階の大ボスも倒さないで最深部踏破なんて、常識から逸脱しています!」

 等と冷静を装いながらもらしくないクリアの仕方に納得がいかない蒼真。それに対して本宮社長が申すなら、


「このダンジョンの目的は『最深部・B20階の踏破』なのだろう? あのワープはユニットウォーリアーの能力によるもの。何もルール違反や反則行為などしてはいないではないか。それの何が不満なのかね」

「しかし……、当の桐山剣が何も苦労せず試練を突破など――」


「苦労はしただろう。桐山剣の方向音痴も己の因果が手にしたアイテムで克服し、アクシデントとはいえあのユニットウォーリアーを最大限に使いこなした。それに彼はそれらのリスクも背負いつつも、カードを回収しながら次の戦いに備える為に、PASもプレイヤースキルも使わなかった。

 ―――難所は苦労して超えるものではない。己の知恵を振り絞り、如何に効率良く突破するかが大きな鍵なのだ」


 成程、流石社長の云うことには威厳と説得力がありますな。これには蒼真さんも他に抗う言葉無し。


「……それなら致し方ないですね。どうしてこうもゲーム戦士は想像を超えるのか……」

「ゲーム戦士は無限の可能性を秘めている。常識で縛られるほど窮屈な力は宿してないだけだ。……さぁグズグズしてる暇はないぞ、早く転送して次の試練の準備だ」

「かしこまりました」


 そう言って蒼真はゲームワールドに転送すべく、コントロールルームの席を離れた。そして代わりに本宮社長がコントロールルームの席に座り、蒼真の代わりに監視を始めた。社長自ら推薦したこの桐山剣のGWクエスト、いよいよここからは依頼人自らの手による試練が始まるのでありましょうか……!?



「―――ゲーム戦士の中で唯一、“剣”と“盾”の二つのPASを操る切り札騎士よ。この理不尽極まりない世の中を制すために、私の試練を受けてもらうぞ!!」



 WGC代表取締役社長・本宮マサトによるGWクエストの本格的な試練が始動される! それを知ってや知らずや、次のゲームに備えて剣はダンジョンで手に入れたご飯カードを発動して、みのりと桜とプニュも一緒にランチタイムだ。


「プニュプニュしててカワイイ〜♡」

「それにしても《ご飯カード》なんて初めて見ましたわ私。味付けも文句御座いません」

「現実世界にも出せばえぇのにな。ま、今日はプニュへの御馳走や。たんとお上がりプニュ〜☆」


『プニュニュニュ〜〜♡♡』


 ミラクルボール・プニュが導いたネクストゲーム、この賑やかで微笑ましい光景を観れるのもこれが最後になるのか。それとも勝利の美酒を再び嗜みあえるかゲーム戦士!


 ―――桐山剣・聖剣獲得GWクエスト、ラウンド2は次回【GAME49】に続きますッッ!!



 ▶▶▶ SEE YOU NEXT GAME...!!▽


▶▶▶▶ NEXT GAME WARRIORS ▽


桐山剣のGWクエスト、迷宮最深部の奥に待ち構えていたのは決闘の祭壇。一文字蒼真によって導かれた剣に待ち受ける対戦相手は、意外な人物だった!?



小説を読んで『面白かったぁ!』と思った皆様、是非とも下の「ブックマーク追加」や感想・レビュー等を何卒お願い致します!!


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