【GAME48-6】迷宮ダンジョン・最大の壁!!
――桐山剣&まんまるボールのプニュのアメイジング・ダンジョンモード、順風満帆順調社長といった所であっという間にB10階。ダンジョンは半分まで無事に踏破、体力もご飯カードやら回復カードを分け合いながらステータスをキープ。
ゲームのシステム上剣のプレイヤーレベルも上がる仕組みとなっており、これを良い機会に魔物は一掃、魔物も一層ゲーム戦士の恐怖に慄くばかり。
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☆〔桐山剣 HP1900 Pレベル:55〕
・装備:【天龍の兜】【クリスタルシールドメイル】
・カスタム・ツールカード:
【ストリームライフル】【プロテクトウォール】
・アイテムカード:【弟切リーフ】×3
【呪縛パッド】【ワープボム】など
・ご飯カード:【海鮮丼】
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ダンジョンを生き抜くためにファイティングスタイルもFPS感覚で長・中距離銃を装備しつつ、ちゃっかり大好物の【海鮮丼】はとっといてますよ剣さん。
そんなこんなで魔物討伐で剣のプレイヤーレベルは55に到達。更にこのルールでは契約されているユニットウォーリアーのレベルも上がる仕組みとなっており、レベルの数値に合わせてスペシャルコマンドも発動出来るのだが……プニュの場合は異例なものであった。
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☆〈ユニットウォーリアー〉
【ミラクルボール・プニュ】LV10
HP:500 AP:10
[スペシャルコマンド]
・LV1:【くすぐる】
・LV10:【奇跡の贈り物】
・LV15:【奇跡の出来事】
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全くと言っていいほど戦闘に不向きなプニュ。契約している以上は、この子も護らなければいけない剣ではありますが、一緒に居ると心做しか母性が溢れて癒やしの元となっている故に、プニュを見捨てるなんて事は絶対にしなかった。……しかしなんですか、契約時から使えるスペシャルコマンドの【くすぐる】って技は。
「見せたろか? プニュ、俺に【くすぐる】」
『プニュ〜♡ プニュニュニュニュニュ……』
丸っこいおててを機敏に動かして剣の身体をこちょこちょするプニュ。剣はくすぐったい感覚は若干持ちつつもあざとさ故に終始穏やかな顔。従って効果としては、
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しかし、何も起こらない。
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……と、『はねる』同然の効果なり。
(確かにプニュは戦闘には向いてないけど、何とかこれを有効活用しようとLV10まで上げてやったぜ。このレベル到達時に使える【奇跡の贈り物】ってのが何なのか、試してみないとな)
などと剣も少なからずプニュに期待を持っている様子。何しろこの子のまんまるボディにピュアな仕草が剣の心を刺激して、何やかんやで気に入られたのだから。“可愛いは正義”なり。
『プニュ?』
▶▶▶ NEXT▽
――代わって舞台は現実世界・超高層ビル【ディメンション・ターミナルビル】。ゲームワールドの管理機関WGCの本拠地であるビルの真ん中辺りの層では、ゲームマスターである一文字蒼真なる人物が剣のダンジョンクエストを管理しつつ、その激闘を見守っている。
「……どうだ? 桐山剣の状況は」
と、代表取締役社長の本宮マサト若社長が横に入って蒼真に尋ねるならば。
「中々適してますね。コントラクトリングを手にしてユニットウォーリアーも契約しつつ、着々とレベルも上げて階層も半分踏破。ゲームセンスに至っては噂通りの実力です。………まぁ契約したユニットは弾みで手にしてしまった下級者ですが」
間接的にもプニュの契約には見下していた蒼真。対して本宮若社長は関心な目でモニターを見つめつつ、こう問う。
「そのユニットが下級かどうかは、桐山剣の力量が全てを物語る。雑魚と称すのは凡人の固定観念に縛られてるせいだ。ゲームマスターならそこは観改めるべきだ」
「申し訳ありません。しかし彼は使いこなせるんでしょうか? あのユニットを……」
「強運の持ち主は己の因果の全てを許容する。絆を尊ぶゲーム戦士なら、それを確認するのも野暮な話だがな」
何やら哲学的な結論に達した若社長ですが、果たして彼らが期待するように、剣はプニュを使いこなしてダンジョンを攻略出来るのか。その答えを直ぐに出しておくためにも閑話休題!
▶▶▶ NEXT▽
―――ゲームワールド・限界突破迷宮/B13階。
「………皆は俺のことを“強運”や言うけどさ。その魔力に誘われて変なとこに降りたってのは、良い運の内に入るんかいな。なぁプニュ?」
『プニュニュニュ…………』
呆れ返る剣に怯えるプニュ。二人が交わすリアクションが示す降りた場所とはズバリ、
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モンスターハウスだ!!
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はい出ました、ローグライクゲーム最大の悪夢!! 無数のアイテムと幾多の魔物達、誘われたゲーム戦士の命尽きるまで追い回す。
最悪な事にそのモンスターハウスのド真ん中に剣とプニュは降りてしまったが為に、即座に魔物から標的にされていた!!
「逃げるぞ!!」
『プニュ!!』
『ツールカード、【ワープボム】!!』
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<ツールカード>
【ワープボム】
属性:無
効果:自分か相手に投げて
同じ階の何処かに瞬間移動する。
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手に持ったボールサイズの手榴弾、それを剣らの足元に投げればドロンと白煙を立てて姿を暗ます。忍者ゲーム戦士の龍牙さんではありませんが、瞬間移動という名の“隠れみの術”だ。
何とか大広間の魔物地獄から抜けた剣とプニュは、一方通行の一本道に移動したようだ。
「しめたぞ、一方通行なら挟み撃ちにでもならない限り一対一で魔物と戦える。そんでマップは……」
剣はプレイギアWATCHの『コンパスナビ』で俯瞰のマップを確認すれば、ぞろぞろ流れる敵の群れ。ジリジリと前方後方に一列並んで剣達を付け狙う。
「んにゃろぅ……だったら近距離に持ち込まれん内にシバいたる!!」
剣は前方にて、装備した《ストリームライフル》を構えて向かい来る魔物群をロックオン。そして、
―――ギュィィィィイイイイッ、ボンッッ!!!!
一直線一閃に解き放つレーザーショット! 貫通効果を持つ橙色のレーザーは一列に並ぶ魔物群を終点まで貫く威力を持つ。それを証拠に撃退ログの掲示は、
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ユニット14体 撃破!!
桐山剣&プニュは経験値1568獲得。
プニュはLV12に上がった!
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「よっしゃ、これならモンスターハウス全滅も出来……」
―――ボンッッ
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《ストリームライフル》
PP0の為、消滅!
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まさかの一回限りの使用でした!
「………出来るかなぁ、全滅」
『プニュ〜』
強力な武器が消えて一気に不安になる剣とプニュ。どうにか対策案を考えようとしても、またまた魔物は襲い来る。しかも群れは一本道を挟んでくる辺りからしてカードも取る暇もなく、立ち向かえる武器もない。どうしたらいいのかと剣は懸命に頭を回転させる最中……
『プニュプニュ〜〜!!!』
「っ、プニュ!?」
突如叫びだすプニュ。するとまんまるボディから眩い光が迸ると同時に、剣の周りで不思議な事が起こった!
「――――ん!? 何で俺の手にカードが!?」
さっきまで盾しか持っていなかった剣の手に、1枚のカードが。しかもこれは彼にとって十八番の切り札であった!!
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<カスタムツール・カード>
【ファイティングブレード】EG:③
AP:100 PP:15
属性:赤 装備:プレイヤー
≪必殺技≫
『ソニックブレード』EG:③ AP:150
・弧状のソニックブーム赤属性の
斬撃を撃ち飛ばす。
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「え、まさか……プニュが出したんか!?」
『プニュニュ!』
エッヘンと得意げに誇るプニュが言うんだから本当なんでしょう。ちゃんと証拠もありますよ。
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《ミラクルボール・プニュ》
スペシャルコマンド【奇跡の贈り物】発動!
契約者の必要なカードを1枚加える!
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LV10到達によって発動できるスペシャルコマンドの詳細は、プニュが独断で剣が必要なカードを自分から呼び起こしてそのカードを加えるという強力な能力であった。まさに奇跡の“カードは拾った”だ!
「……そっか! それで《ファイティングブレード》をくれたんだな! サンキューな!!」
『プニュプニュ☆』
相棒から貰ったカードがあれば魔物軍勢など怖くはない! 改めて《ファイティングブレード》をスキャンして呼び起こし、右手に携えるは長身の銀刃。やっぱり銃よりもソード持ってたほうが剣は様になるねぇ!
「あんがとさん、Gのおっちゃん! さぁ来るなら来いよ魔物野郎、叩き斬ったらぁ!!」
さぁモンスターハウスで埋もれた魔物軍勢、一匹残さず倒せるか!? ――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




