【GAME48-4】ユニットウォーリアー・再び!!
――シャッフルオールスターズ・桐山剣の聖剣獲得クエスト、絶賛活動中!
剣の唯一の弱点であった方向音痴も、巡る因果で獲得したアイテム『プレイギアWATCH』のアプリケーション内のコンパスナビによって、ようやくラビリンスのB1にてアチラコチラの迷い道を逃れることが出来た。
当然このミッションに他のプレイヤーによる助力は出来ないが、己が手に入れたアイテムの力で弱点を補う事には何処もルール違反を問う理由は無い。剣は更なる深部へ向かうべく次に進む。
▶▶▶ NEXT▽
最初にして最大の難所を克服出来れば、ここは熟練鍛え磨かれたゲーム戦士の力。桐山剣とて序盤の魔物や罠など敵ではない。
というわけで、B2〜B5階までは以下割愛という形になってしまいますが御容赦。何しろメインキャラたるもの、そこらでやられるような腕はしていません。勿論味方も好敵手にもそれは御理解御承知の助五郎。最深部B20階にて、剣の帰りを待つみのりと桜の様子もご覧の通り。
「――――桜ちゃんソシャゲって何やってるの?」
「なんですかそれは?」
「ソーシャルゲームの略だよ。ほら、スマホとか私達が持ってるプレイギアのアプリでゲームが出来るの」
「ソシャゲってその略だったんですね。私てっきり北欧の文化か何かと思ってましたわ」
「って事は、桜ちゃんソシャゲやったことないんだ!」
「えぇ、私いつも銃司様の御世話につきっきりでしたから。……せっかくですからみのりさん教えて頂けませんか?」
「もちろん! えっとね、まずストアを開いてね――」
なんてな具合にソシャゲ談話転じてソシャゲガイダンスなどを開いちゃってる始末! 剣さんの事なんか心配御無用と言わんばかりに何も気にしてない。これも信頼の内でしょうけども……少しは気にかけて欲しいですな。
「あっ、これ銃司様がやってるゲーム!」
「きっとゲーム機版とモバイル版とのクロスプレイ型ね。桜ちゃんこっそりやってみたら?」
この様子、剣さんと銃司さんが知ったらしょぼくれるだろうなぁ。
▶▶▶ NEXT▽
――代わって舞台は『限界突破迷宮』。
ダブルヒロインの無関心など気にもせず、ただひたすらに最深部へとがむしゃらに突き進んで今やB7階まで到達。ここまで来るとゲームの法則からして、様々な点に警戒せざるを得なくなる。
まず第一に、剣に襲いかかる魔物の強化。今回の敵はかなり嫌らしい攻撃をしてくるタイプが多く、身に付けた装備や盾といった防具も腐食させる魔物や、状態異常を仕掛けてくる厄介なタイプも多数いる。だが桐山剣は持ち前のファイティングセンスと運の力で乗り越えた。
だが第二はその力量で難を逃れたとして、自分のステータスを回復する為のアイテムカードやカスタム・ツールカードを補充しないと持たないという事だ。
(うーん……武器もまちまち、HP回復に必要な《薬草》カードも数枚あるにしても、こう分かれ道があっちゃ魔物に挟まれた時対処出来るかどーか……)
現在の剣のステータスはこうだ。
◎――――――――――――――――――◎
☆〔桐山剣 HP1100〕
・装備:【ポリカーボネートヘル】【白銀の鎧】
・カスタム・ツールカード:
【雷刀―ライディーン―】【鉄板盾】
・アイテムカード:【薬草】×4
【ワープボム】【マインドボム】
【マグネットトラップ】など
◎――――――――――――――――――◎
今回の『アメイジング・ダンジョンモード』のルールとしては愛用するカードデッキのカード使用は禁止。更にダンジョン内はユニットカードが出ない構成と為、剣の配下として共に闘うことが出来ない。
現在B7階の状況でまだ半分も到達していない状況。何とか自分の戦力は確保しておきたい所だ……!
「……ん、カードか?」
とここで、剣は遠方北の広がった地帯に松明の火で反射しているカードを見つけた。鷹の目のように遠視には長けた剣は警戒しつつカードの元へ向かい、その詳細を確認すれば……
「――――――【コントラクトリング】……? あ、これ!!!!」
剣はこのカードを確認するや否や、一瞬にしてその眼は輝きに満ちた。何を隠そうこのカードこそ!
◎――――――――――――――――――◎
〈スペシャルカード〉
【コントラクトリング】
効果:このカードの発動後、
続けてユニットカードを召喚する事で
そのユニットは〘ユニットウォーリアー〙となる。
◎――――――――――――――――――◎
『サバイバーモード』の要にして、ゲーム戦士達の頼れるバディとなる万能ユニット、【ユニットウォーリアー】を召喚するアイテムだ!!
「マジか、あのユニットウォーリアーのカードか!! ………でもどーやって召喚させるん? ユニットカード落ちてへんやん」
そうなんですよ、そこが問題なのです。
カード表記では『ユニットカードを召喚する事』でユニットウォーリアーを召喚できる仕組みになっているが、先程申したようにこのモードではユニットカードが出ないようになっています。
果たしてこの状況で、どうやってユニットウォーリアーを召喚させるのか。こういった知恵も試されるのかこの試練は!
「………待てよ、もしかして」
『【コントラクトリング】セット』
何を考えたか桐山剣、カードスキャンブレスに《コントラクトリング》カードを装填させた。すると大型の腕輪二つが召喚、これが《コントラクトリング》の実態である。それを手に持って剣は閃いた。
「このコントラクトリングを、自分の手で魔物に近づいて契約しろって事か? 楽はさせてくれへんか!」
何という原始的な方法か! 触るな危険状態の魔物に、身の危険も承知で乗り込んで自分でコントラクトリングを装着させて契約させるしか無いと睨んだ剣。はてさてどんな魔物を仲間にしようか、と考えた矢先に遠くに気配が。
(【遺跡を守る翼竜】か……よし)
狭い迷宮を遊々と翼をはためかせて飛び回るワイバーンユニット《遺跡を守る翼竜》。飛行能力[フライヤー]を持つ翼竜ならば偵察や奇襲も可能と睨んだ剣は、それを契約の選択に入れる。
抜き足差し足忍び足、広場の壁を伝って静かに動いてユニットに近づく剣。
だが上の翼竜ばかり注目しては足元が疎かになる。迂闊な剣は足元のカードに気付かず、片足で踏みつけて後ろに擦り引いた途端……!
――――ツルッ
「どお゛ッッ?!!!」
片足滑って転倒寸前、バランスを崩して地面に倒れ込んむ剣の眼前に何やら丸っこいユニットが………
「―――――プニュ?」
ドサッ――――――スポッ!!
「あっ」
倒れて手先のコントラクトリングに何かがハマった感触が。それは、小さくまんまるなユニットの頭(?)に腕輪が挟まっていた。そしてそのまま、
『【ミラクルボール・プニュ】、契約!! ユニットウォーリアー・サモンアップ!!!』
まんまるボディーのボール、ま~る書いてま~る書いてま~る書いて〜♪なんて歌ってれば直ぐ書けるようなキュートなユニットが、ひょんな事から契約してしまっちゃったよ! ねぇどうするのそれ!?
『プニュ〜〜〜♡☆』
(え、えぇぇぇええぇえ…………!??)
遂にゲームウォーリアーにマスコットキャラ確定か!? 殺意も闘志もゼロなユニットをバディにして、闘うことが出来るのでしょうか!? ――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




