【GAME48-3】迷える騎士のラビリンス!!
――電脳の門・ゲートを開けば新境地。
WGCの代表取締役社長の本宮マサトから支給された特別クエスト、聖剣【GXキャリバー】の獲得権を賭けて、尊厳なるゲートを開いた剣達。
さてこれから彼らに待ち受けるステージは何処か? 山か海か、空か陸か、それとも未曾有の境地なのか? それではその答え合わせから!
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――剣達はゲートより導かれた光に吸い込まれた拍子に、眩しさ故に腕や手で目を隠し伏せていた。その為ワープした経過は分からぬまま転送した。
一応にそのワープ先の風景を瞑った眼から想像してみる剣。だが先程のコミュニティエリアでの照明明々とした風景とは違う。明かりの気配は無く、何か灯火を目の前に炊かれたようなポッポと熱る温かさを感じた。
「な、何やここは……って、おおっ!?」
身の安全を確保し、やっと瞑った目を開けたならば一寸先には燃え盛る松明の炎。道理で熱かったものだと一歩後ろに下がって周囲を見渡せばそこは、石壁に端を囲まれた細い通路の左右の別れ道。単刀直入に言わせるならばここは、【地下迷宮】だ!
「随分変わった所に来ちゃったわね……」
「これが、試練の細道ですか」
剣の両端にはみのり、桜の姿。松明が無ければ二人が喋るまで存在に気づかなかった程に暗い。
「三人とも入っちまったけど……、これ俺の試練だぜ? みのりと桜まで巻き込ませるんか?」
「どうなんだろう」
「最初のミッションはどうなってるんでしょう」
剣達は動こうにも、クエストのミッションが公開されてない以上無闇に動く事ができない。どうしたものかとただ突っ立ってるだけでは文章進まないので……ご都合展開。
〜〜♪♪
はい、やっと鳴りました剣のプレイギア。メール着信から察するにクエストのミッション通達。早速開いて詳細を確認すると……?
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【GXキャリバー解放クエスト ミッション①】
現在桐山剣がプレイヤーが転送された場所は
『限界突破迷宮』である。
桐山剣はこれより、迷宮B20階までの踏破を
目指す為に【アメイジング・ダンジョンモード】に
挑戦して貰う。
尚今回は特別ルールにより、カードデッキ内の
所持カードを全踏破まで使用禁止。仲間の助力・連絡も不可とする。
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「ダンジョンモード……、倭刀がやってたやつか!」
――はい、始まりましたファーストミッション! 最初は『限界突破迷宮』なる謎のラビリンスからのスタート、切り札騎士の戦いが始まる訳なんですが……『アメイジング・ダンジョンモード』は、ローグライクゲームとカートバトルが融合した亜種ルールです。
過去に【GAME3】にてシャッフルの倭刀・穂香・豪樹が参加しましたが、ここでもう一度ルールの説明を。
――――――――PLAY GAME――――――――
☆アメイジング特殊ルール☆
【アメイジング・ダンジョンモード】
概要
ゲームワールドにおける洞窟、塔、森など広大なフィールドダンジョンとされるエリアに潜入する際に、自動的にセットされる戦闘システムである。
★主なルール★
①ダンジョン潜入時にゲームスタート。
通常と同じくリアルタイムカードバトルではあるが、シンボルエンカウント(目に見える敵)との戦いであるため、場合によってはブレイクタイムが存在する。
②『魔物』『ボス』と称されるユニットが出現した際に自動で手札とフィールドが展開され、勝利した後に賞金と経験値、運が良ければカードがゲット出来る。
③またダンジョンのフィールド内には【宝箱】と呼ばれるミステリーポイントが隠れており、調べると賞金やカード、また様々な付加能力を得られる。※ただし逆に罠の可能性も有り。
◇出動プレイヤー全員のHPが0になったらリタイア。ボスなどの討伐など目的を達成した時点でクリアとなる。
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「ヤベーな、俺ローグライク系は苦手やねん……」
おっと剣、このルールには苦手意識があるようだ。その理由は一先ず置いとくとして、一つ気掛かりな事が。
「私達どうすれば良いのかしら」
「剣さんのミッションですから、私達は蚊帳の外ですわ。助力も連絡も出来ませんし」
という事は、みのりと桜さんはここでお留守番? そんな殺生な! ダブルヒロインをこの薄暗い所で待機させるとは……なんて憤慨したのも束の間。ちゃんとサポートはしてくれる様です。
『ツレノカタガタハ、ワタシガセンドウシマス』
「うわあ!!」
みのりがびっくらこいて腰抜かす。どっから現れたWGC製サポートアンドロイド・『ゲーミングネーター2000』。骨組みの身体とスキャナーカメラの顔が特徴だ。
『桐山剣ヲ残シテ、オ嬢様オ二方ハ先ニゴールマデワープサセマス』
「それなら安心です」
ゲーミングネーターの機械仕立てのメカメカしい手を繋ぐみのりと桜。先に迷宮奥地のゴール地点にワープする二人は、転送直前にこれからミッションに挑む剣の健闘を祈った。
「それじゃ剣くん、頑張って!」
「私も陰ながら応援してますわ、剣さん」
「おう、帰って来たら壮大なお迎え頼むわ!」
などと呑気な約束事を二人に残す剣。かというみのり達も心配する様子が無いままにゲーミングネーターによって転送ワープし、姿を消した。
「――――さて、と!」
さぁ大変長らくお待たせしました! 切り札騎士・桐山剣、孤高の旅が始まります!! GXキャリバー獲得権解放クエスト、スタートです!!!
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――切り札騎士進化の第一歩、別れ道を東の方向に選択して歩みを進める剣。ダンジョンモードでは敵シンボルである『魔物』の存在が行く手を阻みます。壁側に沿って左への一方通行、出会い頭に一触即発!!
「初手からスライムかよ!」
出ましたダンジョン・RPGの登竜門スライム! ゲームによっては玉ねぎ型、マジモン型と形イラストに拘りますが、残念ながらゲームウォーリアーは後者。ドロドロとした緑色の液体が意思を持つと不気味なバケモノと化す!
こんな雑魚でも今の剣は丸腰、刃の無い剣はただの剣。紛らわしいが武器無しの剣だ!
「素手攻撃なら出来るけどさ。俺は嫌や、こんなハナミズみたいなん殴るの!」
スライムを風邪気味のハナミズ呼ばわりとはこれ如何に。嫌がるにも戦わねば進めないのがゲーム戦士の悲しい性。何処かに武器か宝箱が無いか探すならば……
「―――あ、あった! カード!!」
迷宮の道端に落ちていたアメイジングカード。丁度剣の近くにあり、拾った剣はカードを確認してブレスにスキャン!
『カスタム・ツールカード、【フレイムソード】!』
◎――――――――――――――――――◎
<カスタムツールカード>
【フレイムソード】EG:③
属性:赤 装備:プレイヤー/ユニット
AP:100 AS:10
《必殺技》
『火炎十文字斬り』EG:④ AP:300
燃え盛る炎の赤属性二連攻撃!
◎――――――――――――――――――◎
烈火の鞘に熱く滾る刃、振りかざせばその刃先から火花が飛び散り、斬った者を発火させるロングソード。西洋剣を手にした今こそ剣の真骨頂だ!
「熱湯ならぬ、熱刀消毒じゃああああああ!!!!」
フレイムソードにスライムのボディをザクッと串ざせば、あっという間に炎に包まれ蒸発していくスライム。討伐報酬としてアメイジングカードも1枚落とすおまけ付き。
「……こいつぁ、長い戦いなりそうや……!」
桐山剣に過る不安のシチュエーション。自ら苦手と口語したローグライクゲーム✕カードバトルの戦地を無事に踏破出来るのでしょうか? 明日よりは、その死角を突かれるように桐山剣最大のウィークポイントに迫ります! ――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




