【GAME6-2】大乱闘・ゲームごちゃ混ぜ戦法!!
――TIPS――
【アメイジング・ルール①】
リアルタイムアクティブ制のカードゲームである『アメイジング』では時間で伴うゲームの変化を把握しよう。
・デッキからカードを引ける時間は1枚につき30秒毎。
・カード発動のエネルギー『EG』が溜まる時間は5秒につき①。
これらは基礎で、プレイヤースキルやPASの力で変動も可能である。
――ゲームワールドオンラインに伝わる幻の決闘場へと誘う8つのオーブを巡り、スピリットプレイヤーとの挑戦に挑む30名のプレイヤー達! アメイジング・レイドバトルモードが開始された!!
「ふぇえ! もう攻撃してくるの、早くない!?」
慌てふためくスピリットプレイヤー・ジン目掛けて突き進む流星群、スタート直後に展開するは5,6名のプレイヤーの特攻戦法か!
「オラオラぼけーっとしてんじゃねぇぞ!!」
「先手必勝! お前がカードを出さないうちにダメージ与えまくってやる!!」
まぁー何て血の気の多い連中なんでしょう! 特攻プレイヤーはカードを発動させる為のEGの少ないカードを発動させて、丸腰状態のジンにダメージを入れようと躍起のヤンキー全開!!
ある者は武器の『カスタム・ツールカード』、ある者は軽タイプのユニット従えて、ジンに迫る攻めるの大ラッシュ。しかしながらジンは子供故に狙いも小さくすばしっこい! それらを軽々交わしながらEGの蓄積かつ発動のタイミングを計っている。
「……ちょっとオジサン達! オーブ欲しいからってマジになってどうすんの? ゲームへの愛情が足りないんじゃない?」
おおっと、ジンは血眼になって戦う特攻プレイヤーに不愉快、それに軽蔑の眼差しで彼等を煽っているぞ。
「んだとクソガキ!! だったら早いうちに始末してやるよ!!!」
気短に煽り文句は、火に油を注ぐほどに危険なものだ。 更に特攻プレイヤー達の攻撃はエスカレートし、ジンもこれには膨大なHPに傷を付ける羽目になった。
〔S.PLAYER ジン HP30000→29900→29750〕
――微小ながらも削られるジンのHP。 多勢に叩かれる様は第三者から見てもリンチにしか見えない、子供相手なら尚且つ卑劣。
しかしゲームに情けも卑怯もラッキョウも無い。勝てば官軍オーブは歓迎、彼等も色んなものをかなぐり捨てて名声を立てようと必死なのである。
だがスピリットプレイヤーは其ほど甘くはなかった!!
「……ゲームの愛情が消えて、自分の事ばっかり考えてる。 ――そんな人達は僕大ッ嫌い!!!!」
遂にジンの7枚の手札に抜き出したカード、その発動が他のプレイヤー達を驚愕させた!
『ツールカード、【POWブロック】!!』
ジンが発動させたカードが手持ちに宿る。 そこで姿を表したのはその名の通り『POW』とかかれた水色ラインで枠付けられたブロックだ!!
「あっちいけーーーー!!!!!」
――――POW!!
「「「うぉぉぉぉおおおお!!!?」」」
ジンが≪POWブロック≫を地面に叩き付けると、フィールドが波打つように歪み、広範囲に及ぶ振動波となってプレイヤー全員に襲い掛かった! 特にその影響を諸に受けた特攻プレイヤーは怯み、ユニットは全滅した。
「どーだ! 参ったか!!」
技が決まってご機嫌のジン、手に持つPOWブロックは心なしか先程よりも細くなっていた。
◎――――――――――――――――――◎
<ツール・カード>
【POWブロック】EG:④
属性:無
・効果:地面に叩き付けるとフィールド全体に
[フライヤー]能力の無いプレイヤー
またはユニットに300ダメージ。
発動から3回使用でこのカードは墓地に置かれる。
◎――――――――――――――――――◎
それにしてもあの『POWブロック』、何処かで見たような……? みのりはこの様を傍観してその既視感を槍一郎に確認した。
「……槍くん。 あれってもしかして、『マリ◯ブラザーズ』の『POWブロック』よね?」
「どうやらそうらしい。まさかアメイジングにあのアイテムがカードになってたとは……」
やはり、いやそれしかないと言い聞かせる2人。
『アメイジング』という仮想のカードゲーム次元から、混沌の如くゲームのアイテムをカードと化してしまったまぜるな危険状態のカード環境。
それを意図も容易く使うジンの無邪気にして不敵な笑み、それにプレイヤー達の緊張感は同調圧力となりて伝染していく……
「……槍一郎さん、みのりちゃん。皆の緊張に流されてはいけません! こんな時はカードの死角を潜り抜けて越えれば良いのです!!」
穂香が仲間の緊張を蹴散らして、彼女もカード発動の構えを取る。
「やれるもんならやってみなよお姉ちゃん! そーれ2発目!!」
穂香の強気な発言に触発されたかジン、POWブロック・第2波の発動に地面が激震するその刹那!
『アクションカード、【ハイジャンプ】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<アクション・カード>
【ハイジャンプ】EG:①
属性:青
・効果:10秒間自分は[フライヤー]効果を得て、
デッキからカードを1枚引く。
◎――――――――――――――――――◎
[フライヤー]とは即ち飛行能力の名称。 巨乳魔法使い穂香姉ちゃん、天高くその身諸とも飛び上がった! それに瞬時に閃いて行動したのが槍一郎。
「成る程! それなら僕も!!」
『カスタム・ツールカード、【天昇の翼】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<カスタム・ツールカード>
【天昇の翼】EG:①
属性:青
・効果:このカードを装備したプレイヤーまたは
ユニットに[フライヤー]効果を得る。
◎――――――――――――――――――◎
振動波が押し寄せるギリギリの瞬間、槍一郎に翼が授けられ間一髪POWブレイクを避けきった。
だが攻撃は終わっても穂香は地に降り立ったのに対し、槍一郎の翼は消えず飛び立ったまま。
一時的か永続的か、同じように見えるカードの効果をどう使い分けるかがプレイヤーの技量が試される。……でも二人とも誰か忘れてませんか?
「キャアアア!!!」
〔フルル HP700→400〕
地上に取り残されたプリンセス、みのりこと『フルル』がただ一人ダメージを受けていた。
「みのりちゃん!!」
「あちゃー、どうやら対処出来るカードが無かったみたいだねみのりちゃん……」
穂香や槍一郎が心配するなか、みのりは怯む暇を与えず直ぐに体制を立て直した。
「むー、二人とも空飛んじゃってずるーい!!」
みのりは膨れっ面になりながらも二人に文句を垂らす。でもこの状況で愛嬌を見せるということは……?
「最後3発目くらえーー!!」
POWブロック・第3波! 今度はみのりが満を持してカード発動の構え!!
「私だってちゃんと対策があるんだから!!」
『アクションカード、【シールドブロック】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<アクション・カード>
【シールドブロック】EG:①
属性:青
・効果:1度だけ相手の攻撃を
無効にするシールドを張る。
その後デッキからカードを1枚引く。
◎――――――――――――――――――◎
みのりに張り巡らす半透明のバリアシールド、それがPOWブロックの波の衝撃に耐え、防ぎきった!
そしてジンの3回に渡るPOWブロックのアースクエイクは終わり、ブロックは墓地へと消滅した。
「へー、中々やるじゃない皆! そうでなきゃゲームが面白くないもんね!!」
かすり傷程度しかダメージを受けていないジンと、振動波で命からがら生き残ったプレイヤー達。 この圧倒的な差で次にジンが展開するカードは……?
「じゃ今度はこれで遊ぼうよ! 氷山ごっこ!!」
スピリットプレイヤーの進撃、カードスキャン!!
『フィールドカード……【アイスクライムステージ】!!』
――その瞬間、電子回路の発信光漂うスポットが時の間を過ぎてその情景をガラリと変えた!!
「え……ぅ、うぇぇぇええええ!!?」
狼狽えるみのり達の足元が透き通った氷の床に早変わり。 それだけでなく槍一郎のいる空中からもアイスブロックのような足の踏み場が突如現れた。
槍一郎の上、更に上へもブロックが連なってまるで氷山に登ろうとしているかのようだ!
「どう? スゴいでしょ! これがアメイジングでやる氷山登り『アイスクライ◯ー』ごっこだよ!」
(『アイスクライ◯ー』……??)
アイテムに限らず今度はゲームのステージをカードとしてぶちこんだ! もう何でもありだな!!
残暑な時世には極端に冷やしすぎな氷山ステージを作り出し、ジンは一体何を企んでいるのか……!? 本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




