【GAME47-4】チームに生きる忍として……!!
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◐AMAZING MIDWAY RESULT◑
☆〔忍野龍牙 HP500 手札4枚 EG:⑦〕
・ユニット:無し
・カスタム・ツールカード:【シノビブレード】
【シノビウェポン・手裏剣】
★〔デルタのデクルックス HP500 手札4枚 EG:⑧〕
・ユニット:無し
・カスタム・ツールカード:
【闇晦ましの静弓―セイレーン―】
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――戦いの中で覚える恍惚、己を超越する事を生き甲斐とする忍野龍牙。
間もなく決闘もクライマックス、絶体絶命の龍牙が未だ諦めを知らず、闘志の炎を燃やして挑むは欲望の為か、それとも同胞の命を救うためか。
そろそろ、その答えを魅せる時が来るのか――!?
「じゃその答えも“正体不明”のままで、アンタ殺ってやるまでだ!!」
先に動いたのは太龍デクルックス、筋骨隆々の腕でブレスのデッキからカードを引き抜いてスキャン!
『アンノウンカード、スキャニング』
何処まで人をおちょくれば気が済むのかデクルックス。通算4枚目のアンノウンカードでグレーに構える。だがもう時間を有に使う暇はない。何故なら彼のPASスキルによる火球攻撃が、このゲームを締めようと燻るように待ち構えているからだ!
「そーゆー事! さぁ最期の刻まで精々足掻いてみなよ、忍者さん!!」
「あぁ足掻いてみせるさ。だが最期を迎えるのはお前だがな!!」
火球放射まで20秒の間、待ちに待ったドロータイムの時が来た。これが最後の宝札となってしまうのか、いやいや龍牙なら逆転もやってみせるでしょう! ラスト・ドロー、参る!!
《CARD DRAW》
追加された逆転への片道切符、その札は……まだ温存するつもりの龍牙。先に貯めていたカードから消費するようだ!
『ユニットカード、【鬼火玉】!』
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<ユニットカード>
【鬼火玉】EG:①
AP:0 DP:100 AS:0
属性 無 ユニット/アーティファクト
効果:[フライヤー]
このカードが墓地に送られた時、
持ち主の手札に戻る。
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本日三度のお披露目、忍者のお供に鬼火玉。例にならって再びユラユラデクルックスに近づいての攻撃コマンド。だが……
『カウンター・レスポンス発動。――アンノウンカード・解除』
あーっと! 召喚したばかりのアンノウンカードがいきなり正体を明かした!! その正体は音無しの死を司る亡霊、【サイレンス・スペクター】だ!!
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<ユニットカード>
【サイレンス・スペクター】EG:⑦
AP:500 DP:400 AS:10
属性:黒 ユニット/スペクター
効果:[アンノウン]解除/EG⑤
[フライヤー]
このカードがプレイヤーに戦闘ダメージを
与えた時、そのプレイヤーの手札を2枚
墓地に送る。
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死霊は正体を隠して、ゲーム戦士達の魂・手札を奪い取る習性を持つ。アンノウンカードにしては狡猾、姑息な手段を好むこのユニット。しかも死霊は鬼火玉と同じく[フライヤー]を持っている!
「迎撃しろ、《サイレンス・スペクター》!!」
『―――カウンター・レスポンス発動』
ああっと、ここで龍牙のカウンターだ! 返されたカードはカードで返す、倍返しか!?
「違うな、倍返ししてやるのはプレイヤースキルでだ!!」
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・龍牙のプレイヤースキル
【はたき落とし】発動!
フィールド上の相手ユニットやカード1枚を
強烈な反動で持ち主のデッキに戻す!
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「ブロックなんかさせねぇよ。死霊は黙って墓ン中で引きこもってな!」
「……あーらら」
何とカードの応戦をカードで返すのではなく、プレイヤースキルで撃ち返した龍牙。これも手札温存やフェイクに使うには常套手段だ。
「邪魔者は消えたな。ならばいざッ、[シノビ変化]! ――【渇望の忍者】、推・参ッッ!!」
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<ユニットカード>
【渇望の忍者】EG:③
AP:100 DP:100 AS:5
属性 無 ユニット/シノビ/ヒューマン
効果:[シノビ変化]
①このユニットが攻撃で相手プレイヤー
・ユニットにダメージを与えたとき、
自分はカードを1枚ドロー出来る。
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龍牙の手札の中で隠密にしていた忍者が、満を持してシュシュっと参上! 再びデクルックスの腹部から霞斬りの刀殺法でダメージを加えた。そして忍者の効果でデッキからカードを1枚ドローだ。
〔デクルックス HP500→400〕
「……何だよこれっぽっち? そんなに手札が欲しいのかな。貧乏な奴」
最早龍牙はデクルックスの煽りの聞く耳を持たない程に神経を張り詰めております。現在手札は5枚ありますが、その中には《ファクト&フィクション》で手に入れた3枚のカードのうち2枚が残されています。
(まだ……、まだや―――!)
それらを未だ使わず、契機を見計らっているのか龍牙。《渇望の忍者》によって手に入れた1枚のカードを確認するや否や、それでもまだ手応えを掴んだ表情は見せていない……!
『ユニットカード、【鬼火玉】!』
再び出戻った《鬼火玉》をフィールドに召喚する龍牙。火の玉なのに良くまぁ出されてご苦労さんと労いたくもなりますが、また忍者が手札に控えているのでしょうか。……このまま硬直状態に入る。
(ま、まだ蓄えた手札を使わない……! 本当にこんなんで凌げるつもりなの……!?)
瑞希も最早疑心暗鬼にでもなりそうな程に、不安定なメンタルでどうにか戦いを見守ってる状態。本心龍牙の事を嫌っているつもりだが、そんな彼に命を預けている以上彼だけが頼り。しかし、彼には一向に決め手となる切り札が見えて来ない……!!
―――そして、30秒経過。恐れていた瞬間が迫ってきた…………!!!
「タイムアウトだよ忍者さん。……今度こそアンタの身体をウェルダンになるまで焼き尽くしてやる!」
ステーキにするつもりかデクルックス! 彼のPASスキル・火球放射が龍牙を再び襲う!!
「まだまだぁ……スキルは残ってるぞ!!!」
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・龍牙のプレイヤースキル
【忍法・分身の術】発動!
プレイヤーの実体を5体に分身させ、
効果対象をランダムにさせる!
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やはり忍者、さすが忍者。分身無くして浪漫は語れない! 最後の奥の手に忍ばせた三個目のプレイヤースキルを発動させて、またしても九死に一生を得た龍牙。着弾した火球は分身が身代わりとなってくれた。
「どうだ……! また、凌いでやったぜ――――!!」
よくぞ、良くぞここまで耐え忍んできた龍牙よ! その底力が一つ限りの生命を繋ぎ、可能性を広げていったのだ!! ガッツなり忍者魂!!!
(で、でも……もう龍牙のプレイヤースキルは時間内には使えない、もう尺稼ぎは通用しない……!!)
未だ命囚われのヒロインの不安は尽きない。元来ネガティブ思考と言われりゃそれまでだが、確かに喉元がキュッとなるような感覚は残ったまま。寿命がいくら縮んでも足りないくらいだ。………と、思いきや。
「あははは! 大したもんだねぇ、良く粘ったもんだよ!! …………でもちょっと飽きちゃったなこのゲーム。そこでちょっと一つ提案なんだけどさ」
は!? 何を勝手に興醒めしてるんですかアンタ! 飽きっぽい性格通り過ぎて自分勝手もいいとこですよ!!
「どうせろくな話じゃねーだろ。今すぐゲーム降参してくたばれとかか?」
「降参しろまでは当たり。でもねぇ、アンタみたいな見込みある奴殺すのは流石に勿体無いからさ。そっちの眼鏡っ娘差し出せばアンタに手は出さない。それでチャラにしようよ?」
「……それ、ゲーム前に決めた事だろ。ホンマにアホやな。マジ脳外科行け、んで腐れ脳移植してこい。俺様が金渡たるから」
あ、それなら私も協力します。手術代幾ら?
「本当にそうかなぁ? 悪足掻きも構わないけど、殆ど負け確みたいなもんじゃん。そんで負けて死ぬのはアンタだよ。そんなんで死にたくないよねぇ?
アホなのはそっちでしょ、そんな自分の事嫌ってる癖に足引っ張ってる女なんか捨て置けばイイ話じゃん。現に応援の声なんか聞こえやしない」
「………!」
「それと鳳凰堂の連中で戦力になるのも他ならないアンタだ。さっきまで揉めてた相手にチームの輪を乱すくらいなら、犠牲にする対象くらい分かってるんでしょーーー?」
「………………………」
言いたい放題のデクルックス。こういう時こそはっきりと『違う!』と言い張るべきなのですが、ゲーム戦士とて誰もが同じ思考で生きていると思ったら大間違い。その理由は龍牙自身が語る……
「言われてみりゃ、その通りだな。この眼鏡、鳳凰堂で仕えてる女の中でも妙に俺の事敵視した面しやがってさぁ。正直ムカつく程鬱陶しかったんよ。しかも大したゲームの実力も無い。アホクセェ、御荷物も良い所や」
やはり桐山剣と正反対の性格をしていた龍牙。散々な言われ方。だがそれを本人は自覚していたのか、憤る仕草は全く見せず、その通りだと言わんばかりに無言で通す瑞希。
「ですよねー! じゃ処刑は御荷物眼鏡で―――――」
ギラッッッッ!!!!!!!
その刹那、お気楽性分のデクルックスすらも血の気を引かせるほどの凄まじい威圧の眼が地底空間広域に広がった。黒い狼による血を欲するワインレッドの眼が……!!
『他人のテメェが、生殺与奪の権握ってんじゃねーよ◯◯◯◯野郎』
※もう伏字で何言ってるか分かりますよね?
「仲間舐めんじゃねぇぞクソが。孤立無縁のお前にチームの何が分かる。己を好いてるだ嫌ってるだ、戦いに役立つだ否だ……お前一人の選り好みの為に成り立ってるんじゃねーんだよ」
桐山剣とは考えが正反対なのは確か。だがこれだけは確信した。
―――忍野龍牙もまた、“絆”を尊ぶゲーム戦士の一人である事を!!!!
「俺様は仲間を守れって言われたら、誰であろうと守り通す。その武器が血で汚れた刃であってもな。癪だがこればかりは、剣も同じ言葉で返すだろうよ」
「……そんなもんかな。無理して守るくらいならリストラでもすれば楽じゃん。経費掛からないし」
デクルックスさん。仲間内は会社じゃないんですよ。
「残念だが、俺様のチームはある意味会社みたいなもんや。組織として成り立つ以上、上司の命令は絶対だ。でないと説教がキツくてね。だが…………」
龍牙は右手に携えた《シノビブレード》をギュッと握りしめて、その黒い刃をデクルックスの心臓目掛けて挿し構える。
「鳳凰堂孔雀は、お前みたいなクズに親愛なる同胞を指一本触れさせんなって絶対命令が下った。俺様はそれに責務を果たすまでだ…………!!!!!」
(―――――孔雀様―――!!)
瑞希の不安の淵から一筋の光が見え始めた。
今ここに、忍野龍牙の戦う理由が確かなものとなった! それはまさしく、忍ばせた手裏剣の魂が誰かを守る為にその刃を汚す盾と化していた!!
「な……何よアンタ! いつも孔雀様に対して愚痴ばっか溢してる癖に、何をこんな時だけ格好つけて!! それにアンタまだ手応えを感じてないんでしょ!? 勝てる見込みなんか何処にも……」
「悪ぃ、それだけは俺様の性分や、諦めな眼鏡。だが安心しなよ。―――――切り札なら、PASにある」
桐山剣よりも明るくない、立海銃司よりも悍ましくない。それは何の赤と訪ねたら……畑に悠々と飛ぶ赤とんぼの色をした【茜色】。忍装束の隙間からその茜色のPASの波動が飛び散る時、忍者魂・忍野龍牙の能力の真髄が明らかになる!
いざとなったら魂を込めろ! さぁいよいよ次回、その全貌が明らかになる!! 倒せ、太龍デクルックス!!!
――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




